ウェイト版タロット、大アルカナの愚者の逆位置の意味について解説します。
(2022/06/26改定)
解説動画
大アルカナ 愚者の意味・概要
愚者:図柄の説明
身なりのいい若者が、崖に向かって歩いています。しかしその顔はウェイトによると『知性と夢に溢れており』、その背景には全知全能の神を象徴するケテルが描かれています。また、小アルカナではワンド(棒)は火=神のエネルギーを表しますが、愚者の持っている棒は非常に丈夫で、彼が高い知性とエネルギーを持っていることがわかります。
また、行き先は崖ですが、ウェイトは『その足取りはまるで大地の重力を感じないかのような軽さ』で『天使が彼の体を知ってくれているかのようだ』と説明しています。このことから、彼は無鉄砲に危機に突っ込んでいく「愚か者」ではなく、どこにでも行ける無限の可能性を示唆していることがわかります。
愚者:キーワード
自由・未決定
愚者:一般的な意味
正位置での愚者は、「保証のないこと」「先がわからないこと」をポジティブな意味で解釈します。「今この瞬間」の自分の感覚に従って選択することを求めているカードです。
私たちは、当たり前のように、メリット・デメリットを天秤にかけて、日々の行動を決定しています。ひとつの商品を買うのに、レビューサイトを見て良し悪しを確認し、進学先や就職先を決めるのに、その学校や会社の情報を調べるなど、「成功の保証」が得られてから行動することが当たり前のようになっています。
もちろん、慎重さは人生に於いては大切なことの一つです。しかし、思い出してみてください。あなたが子供の頃、夢中で打ち込んだ物は、何か「メリット」のあるものでしたか?校庭で全力でやったドッジボールは、何かを「学ぶ」ためにやっていましたか?海岸で白い貝殻を探したのは、石の裏のキラキラ光る虫を探したのは、何か「利益」を得るためでしたか?
あなたを輝かせていたのは、いつでも、理由なくあなたが夢中になったことではないでしょうか?愚者のカードはあなたが自分の心の望むままに何かを選択することを求めています。
逆位置
「自由」なこと、「未決定」なことのネガティブな側面に注目します。
「自由」には選択の勇気が伴い、その勇気がないと自分を「不自由」の袋小路に自らを追い込みます。また、今を見つめる恐怖から逃げ出すための「過剰な自由」は問題の本質から自分を遠ざけ、やはり自分んで自分を縛ってしまいます。
「自由」が中庸から外れたことで生じる「自由」のネガティブな側面を暗示しています。
逆位置を不足として読む場合
自由な状態の不足が暗示されます。自分で自分の可能性を制限してしまっている、自由な発想が阻害されている可能性があります。
逆位置を過剰として読む場合
何もきめることができない「未決定」の状態がダラダラ続いてしまうことを暗示しています。また、いい意味での自由ではなく、バランスを欠いた放任・奔放への警告の可能性もあります
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
今まで方向性を決めることができなかった物事に対して、方向性が見えてくることが暗示されます。
愚者逆位置での状況別意味
仕事に関する意味
不足として読む場合
- 固定概念に囚われて視野がせまくなっている
- 自分で自分の限界を決めてしまっている
- 自分の希望に目を向けることができていない
過剰として読む場合
- 決定しなければならないことを決められていない
- 計画性がなく、行き当たりばったり
- 最終的なゴールが設定できていない
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- 目標を絞りこむことができるようになる
- やるべきことがしぼられて集中して取り組める
- 未決定だったことが(選択肢が減ることによって)しぼりこまれる
恋愛に関する意味
不足として読む場合
- 束縛を感じていて退屈
- 自分の望む行動がとれず、手も足もでない
- 自分で勝手にできない理由を探してうごけなくなっている
過剰として読む場合
- 相手の行動に振り回される
- 自分の気持ちがなかなか定まらない
- 一貫した対応がとれていない
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- 相手の気持ちが自分に向かって集中してくる
- 自分のなすべきことが(選択肢がへることで)見えてくる
- 将来にむかって方向性が見えてくる
結婚・家庭に関する意味
不足として読む場合
- 将来に向けての具体性が見えてくる
- 将来が決まってしまっているがゆえの憂鬱
- 不自由さを感じる家庭環境
過剰として読む場合
- 結婚・家庭といったことを考えることに前向きになれない
- 将来設計がしにくい状況
- 不安定でまとまりがない家庭
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- 将来に向けての決意が固まる
- 未来設計ができる安定した家庭
- 堅実な家庭・結婚
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