タロット意味:12 吊るされた男(逆位置)


カード概要

キーワード

試練、奉仕

カードの説明

一人の男が逆さまに吊るされている絵です。マルセイユ版とウェイト版では、男のポーズが鏡像になっており、また、マルセイユ版では2本の木の間に男は吊るされているのに対して、ウェイト版ではT字に組まれた木に沿って吊るされています。
マルセイユ版では「力」と「死神」の間に来るカードでしたが、ウェイト版では「正義」と「死神」の間に改められました。
古いカードでは、彼はユダとみなされることもあることから、「正義」と「死」の間に持ってこられたこのカードは何かの罰を受けている姿だと捉えらえることもできるかもしれません。
しかし、男の表情は穏やかで、ウェイト版では後光のようなものが描かれています。なぜ、彼はこのような穏やかな表情をしているのでしょうか。
「信じている、いや、わかっているんだ。僕がすべてを手に入れる方法を」
北欧神話のオーディンは、叡智を得るために、片目を失い、ルーン文字の解読方法を得るためにユグドラシルにグングニルに貫かれたまま9日間吊るされました。ウェイト版の吊るされた男は、ユグドラシルに吊るされるオーディンを寓意していると言われています。
「犠牲じゃあない。奉仕であり修練さ。もし、君が僕を「助けたい」と思うなら放っておいてほしい。」
被害者意識からこの状態を読み取ってしまうと、「やむなく」世界樹に体を吊るし、貧乏くじを引いたということになるでしょう。しかし、このカードは、「決意」「判断」の「正義」の次に来ています。吊るされた男は、自らの進む道を決め、そしてそれに全身全霊で持って身を投じている姿なのです。何かを誰かからもらうことばかりを追い求める人は、自分が何かのコストを払うことを「犠牲」であると感じます。しかし、自分の決めた道に身を投じることは、自分の命の炎を輝かせることであり、最高善を求め続ける魂にとっての最高の幸福です。
「犠牲」というフィルターを取り払い、「奉仕」の中に生きることを吊るされた男は教えてくれています。

逆位置の吊るされた男「君の我慢は誰も幸せにしない。君も、周りも、だ。」

「謙遜」・「忍耐」・「同調」。これらは一般的に日本では美徳とされる行為です。
「自分に厳しく、他人に優しくしなさい」と、子供の頃から言い聞かされてきた人も多いのではないでしょうか。
実際に、これは日本人の優れた点であるところは間違いありません。
震災などの非常時の時の譲り合いの姿、世界で一番規則正しく運行する公共交通機関など、その恩恵ははかり知れません。
しかし、その一方で「神様」よりも「世間様」を無条件に信じ、生きづらさを感じている人も多いのではないでしょうか。
自分の望まないことでも、「普通みんなそうするから」「やらないと他の人に迷惑をかけるから」我慢してやる。
本当はそう思ってなくても、「いい子だと思われていたいから」「叱られるのが怖いから」望まない関係や振る舞いを続ける。
生きていく中で、そんなことは多々あるはずです。
もちろん、全員が自分の意のままに行動することはできないかもしれません。また、成功を納めている人たちが、弛まぬ努力を重ねていることも真実でしょう。
「でも、君のそれは、言っちゃ悪いが、『自己満足』の犠牲じゃないか?」
逆位置の吊るされた男は、あなたの「頑張り」が過剰適応になっていないか、警告しています。
あなたが、必要以上に頑張りすぎることで、ひょっとしたら、一番大事なあなたの心を無視したり、他の人の成長のチャンスを奪っているかもしれません。
「君が『被害者』であることは、何の免罪符にもならないんだよ。君がどれほど苦しくてもね。」
頑張ることは素晴らしいことです。しかし、頑張らないといけない理由はどこにもありませんし、あなたが苦しんだり辛い思いをすることで幸せになる人は一人もいないのです。(もし、あなたが苦しむことや、「自分と同じぐらい」しんどい目に遭っていないと嫉妬したり、嫌な感じの空気を出してくる人がいるとしても、あなたはそんな人のためにあなたを晒す必要はありません。)
頑張っている人にとって、これほど辛辣なメッセージはないかもしれませんが、吊るされた男は正位置でも、逆位置でも、あなたが本当の心の望みに奉仕することを願ってくれています。
過剰な犠牲に身を晒していないか、内省してみましょう。

このカードからのアドバイス

一般的なアドバイス

過剰適応になっていないか見直してみましょう。
「努力すること」「我慢すること」「歯を食いしばって耐えること」
私たちは子供の頃から、こういったことが美徳であり、とても大切なことだと教えられてきました。
実際、あなたは今まで努力したり我慢したりすることで手に入れてきたものもあるはずです。

しかし、いつしか、「頑張っている状態であること」「他の人よりも忍耐を重ねていること」を美しいことだと勘違いしていないか、このカードは警告しています。
きつい物言いかもしれませんが、あなたの本当にやりたいことが、なかなか実現できないことなどを理由に、とりあえずやれることに対して「頑張った感」「我慢してる感」「いい人である感」を出すことに腐心しすぎていないか、内省してみる必要があるかもしれません。
現生人類が約十四万年前に登場してから、「定住」生活を送っているのは、わずか一万年あまりに過ぎません。私たちは「退屈」を感じるくらいであれば、たとえ自分が犠牲になってでも「何かやってる感」を求めてしまうようにできています。
「頑張った感」「我慢してる感」「何かやってる感」を出すことに躍起になってはいけないことをカードは教えてくれています。

恋愛向けのアドバイス

あなたの愛、「重たく」なってませんか?
「お料理が上手な女の子が好き」「優しくて誠実な男の人が好き」そういう風に言う人は多いかもしれません。
しかし、まっとうな人ならば、相手が自分を過剰に犠牲にすることなんて望まないのです。
「お弁当を作ってあげる」「いつでも駆けつけてあげる」といった、何かをすることであっても
「負担にならないように、連絡の頻度を減らしてあげる」「重たくならないように、さりげない、返信を求めないメッセージを送ってあげる」「会いたいっていう回数を減らしてあげる」といった、何かをしないことであっても、
「あなたのために私が犠牲になってあげる。」という行為は、裏に「だから、あなたが誠意のある人なら、私の愛にちゃんと答えてね」という真綿で首を絞めるような重さが匂ってしまうので、あなたがどれほど良心的に振る舞ったとしても、「重たく」て、「面倒くさい」と感じられてしまう愛なのです。

あなたが本当に心からやりたいことだけやってみましょう。
相手をコントロールしたいという意図が隠れていないか、点検してみましょう。
相手への愛が執着に変わらないように、まずはあなたがあなたをもっと大切にしてみましょう。

お仕事・転機に向けてのアドバイス

ギブアンドテイクを求めすぎる、「さもしい」マインドになってしまっていませんか?
「こんなに頑張ったのに!」「あいつは楽してずるい!」
ひょっとしたらあなたはあなたの努力に対する周囲の評価が正当ではないことに憤っているかもしれません。
しかし、会社や仕事は、あなたの「気持ち」に寄り添うものでは本質的にありません。
あなたが「頑張っている」ことが、あなたの仕事の成功の免罪符には根本的になりえません。
もちろん、不当な扱いを受けることはよくありませんが、
「こんなに頑張ったんだから報いて欲しい!」と、ご褒美だけを求める「さもしい」働き方は、実は、あなたに仕事そのものの喜びを見せなくなってしまいます。
カード全体の説明でみましたが、私たちが「働く」のは、お金などの報酬だけが目的ではなく、自分の魂の目的に対して奉仕し、そして、世界や社会の役に立ちたいという根本的な願望があるからです。
「働かされている」奴隷のマインドではなく、「世界に自分の力で貢献する」自由人のマインドで仕事や、あなたの周囲の人々と、向き合ってみましょう。それが、あなたの周り全員を幸せにする「仕事」「働き方」につながるはずです。

参考画像・文献

ウェイト版の図柄


By パメラ・コールマン・スミス Holly Voleyによる1909年版のスキャン画像。ファイルは http://www.sacred-texts.com/tarot/ より

マルセイユ版の図柄


By Jean Dodal (http://www.tarot-history.com/Jean-Dodal/) [Public domain], via Wikimedia Commons

参考文献

國分功一郎「暇と退屈の倫理学」


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ABOUTこの記事をかいた人

小学校の時にタロットに出会って以来、かれこれ20年以上タロットを取り扱っている。多くの人を占うだけではなく、自作のタロットを作るに至る。大学では分子生物学を専攻。趣味はイラストとゲーム作り。本業の傍ら、タロットを自由に楽しむ人が増えればいいなという思いからサイトを作る。