ウェイト版タロット、大アルカナの戦車の逆位置の意味について解説します。
(2022/09/03改定)
解説動画
大アルカナ 戦車の意味・概要
戦車 図柄の説明
2匹のスフィンクスの牽く戦車に、男性が乗っています。
2匹のスフィンクスは、光と闇、男性原理と女性原理といった、相反する二項対立の力を表します。そしてこの同時に扱えない相反する力に対して、戦車の上の男性は手綱すら握らず、ただ「前」だけを見つめています。
ウェイトは解説書の中で戦車の青年を「王子のような人物」と表現しました。スフィンクスを従えた「王子」といえばオイディプスです。オイディプスは「知らないうちに」自分の母を娶り、自分の父を殺しました。そして、その罪を知ったとき彼は生きてはいられなかったのです。つまり、戦車の青年は自分の前だけを見つめていて、自らの使役する力に無自覚なうちだけ、闘争に勝つことができるのです。
キーワード
闘争・勝利
戦車 逆位置の一般的な意味
逆位置
「闘争」や「勝利」というキーワードをネガティブに解釈します。ニーチェは「ルサンチマン」という言葉で弱者の鬱屈した思いを表現し、ルサンチマンを理由に自己の行いを正当化することを奴隷精神の表れと糾弾しました。また、闘争を避けるために本来の目的を手放してしまうこともあるでしょう。戦車の逆位置は、闘争や勝利にこだわりすぎていないか、あるいは逆に恐れすぎて本来の目的を手放してしまっていないか戦車は警告してくれています。
逆位置を不足として読む場合
衝突や困難を恐れて進むべき道に進むことができなくなってしまっていることが示唆されます。また、衝突や困難を避けようとするあまり、本来の目的が見えなくなってしまっていることへの警告の場合もあります。
逆位置を過剰として読む場合
やる気や意欲が空回りしてしまっていて暴走している状況を表します。また、戦うことが手段ではなく目的になってしまっていないか警告している場合もあります。
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
冷静に物事を見れるようになり、早まった行動を取ることを止めることができている状況を表します。また、争いや衝突を避けることができることを暗示する場合もあります。
仕事に関する意味
不足として読む場合
- 目標を遂行するための覚悟がたりていない
- 妨害や障害を大きくとらえすぎて前にすすめなくなっている
- 思い切った行動がとれず、守りに入ってしまっている
過剰として読む場合
- 達成不可能な目標を掲げて気持ちだけ空回りしている
- コストなどを度外視してしまっており、無謀な進行になっている
- 他社との比較に気を取られすぎて本質を見失っている
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- 同業他社と比較したり価格競争になるのではなく、本当の目的にたちかえるべき
- 争いや障害を避けて進む方法を見出すことができる
- 不毛な争いから降りることができる
恋愛に関する意味
不足として読む場合
- ライバルや障害に立ち向かっていく勇気がない
- 相手に自分がつりあわない、と思い込んで行動できていない
- 思い切って自分の気持ちを伝える勇気が持てない
過剰として読む場合
- ライバルを意識しすぎて自分の持ち味が出せていない
- 相手の「好きな人」「気になる人」を疑いすぎている
- 恋の争いに勝つことが目的になってしまっている
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- 恋愛に関する争いから降りることができる
- ライバルに勝つことを考えるよりも自分なりの魅力を大切にすることが必要
- 争うよりも一緒に関係を作っていくことを大切にする
結婚・家庭に関する意味
不足として読む場合
- 問題や困難から逃げてしまっている
- 家族や結婚に関する問題や障害を乗り越えていく勇気がない
- 家族の問題に向き合うことから逃げてしまっている
過剰として読む場合
- 喧嘩腰で相手の話を聞くことができていない
- お互いに歩み寄りができていない家族
- 相手に勝つこと、言いまかすことが目的になってしまっている
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- 争いを避ける方法がみつかる
- 正面対決ではなく、お互いの妥協点を探して問題を解決できる
- 家族や結婚に関する困難を手放すことができる
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