(2021/12/25更新)
ウェイト版タロットの成り立ちや、それぞれのカードの意味について解説します。
- ウェイト版小アルカナとは?
- 小アルカナの概要
- ウェイト版小アルカナを理解するためのポイント
- セフィロトの樹と小アルカナ
- 4つのスートについて
- ワンド
- カップ
- ソード
- ペンタクル
- それぞれの番号・ポジションの意味について
- 各カードの解説
- 各スートの1
- 各スートの2
- 各スートの3
- 各スートの4
- 各スートの5
- 各スートの6
- 各スートの7
- 各スートの8
- 各スートの9
- 各スートの10
- 各スートのペイジ
- 各スートのナイト
- 各スートのクイーン
- 各スートのキング
- その他タロットに関する記事
ウェイト版小アルカナとは?
「枚数が多くて大変・・・」
「似たような意味のカードがあって区別がつかない・・・」など、小アルカナは、読み方に難しさを感じる方も多いのではないでしょうか?
1枚1枚意味を覚えると大変ですが、「小アルカナがどういうコンセプトで作られたカードか」がわかるとかなり読みやすくなります。小アルカナ理解のためのポイントと、各カードの意味をまとめました。
小アルカナの概要
ウェイト版小アルカナは以下のような構成になっています。
- 全部で56枚
- ソード、カップ、ワンド、ペンタクルの4つのスートがある
- それぞれのスートに、1から10までの数のカード(ヌーメラルカード)と、キング・クイーン・ナイト・ペイジの4枚の宮廷の人物が描かれたカード(コートカード)がある
- ウェイト版では全てのカードに絵柄がついている
1枚1枚が独立していた大アルカナと違い、小アルカナではカードは4つのスート(グループ)にわかれます。
また、それぞれのカードには必ず1から10までの番号か、キング・クイーン・ナイト・ペイジという4つのポジションが割り当てられています。
小アルカナは3つのステップで考えると1枚1枚のカードの意味を覚えるよりも、簡単に、そして深く各カードの意味を理解することができます。
- それぞれのスート(ソード、カップ、ワンド、ペンタクル)の特徴を理解する
- それぞれの番号またはポジションの特徴を理解する
- スートもつ特徴とそれぞれの番号またはポジションの特徴をかけあわせたときにどのような意味になるのか、絵柄と合わせて自分の言葉で理解する
なぜ、このような仕組みになっているのか、ウェイト版タロットの小アルカナの仕組みも含めてご説明します。
ウェイト版小アルカナを理解するためのポイント
ウェイト版タロットは小アルカナの全てのカードにわかりやすい挿絵をつけたはじめてのタロットカードと言ってもいいのではないかと思います。
大アルカナはウェイト版以前のマルセイユ版などでも絵柄がありましたが、小アルカナはトランプなどと同じようにコートカード以外のカードには絵柄がありませんでした。小アルカナにわかりやすい図柄をつけたことがウェイト版の一つの画期的な発明であり、ウェイト版が普及した一つの原因ではないかと思います。
なぜ、ウェイト版の作者であるアーサー・ウェイトは小アルカナにまで絵柄をつけたのでしょうか?
セフィロトの樹とタロット
ウェイト版タロットは、占いのために作られたタロットではありません。
カバラによる宇宙・世界観であるセフィロトの樹を深く理解するために、タロットカードをセフィロトのカードにあてはめることによって作られたカードです
セフィロトの樹は、月、太陽、木星などの星や黄道12星座などがあてはまった10個のセフィラ(丸)と、それをつなぐ22本のパス(線)からなっています。
ウェイト版のタロットは、セフィロトの樹のセフィラに小アルカナを。パスに大アルカナを対応させることで、セフィロトの樹をより深く理解するために作られたタロットカードです。
小アルカナに対応している10個のせフィラにはそれぞれ象徴である天体・存在や、キーワードがあり、4つのスートにもそれぞれ意味があります。
そのため、小アルカナの各カードはカードの絵柄だけではなく、各スートの意味と各セフィラの意味をかけあわせることで理解がしやすくなります。
タロット占いをするためにはセフィロトの樹についての知識は必ずしも必要ではありませんが、小アルカナを効率よく理解するためには、セフィロトの樹と小アルカナとの対応を理解しておくとより理解がしやすくなります。
各スートの意味について
ソード・カップ・ワンド・ペンタクルのそれぞれのスートの大まかな意味を以下にまとめました。
- ワンド(棒):火(Y:ヨッド):活動(計画のスタート、動く、アクション、挑戦)
- カップ(杯):水(H:へー):精神(内省、愛、友情、受動性)
- ソード(剣):空気(V:ヴァウ):知性・闘争(対立、怒り、叡智、具体化、知性の使用)
- ペンタクル(コイン):土(H:へー):収穫(自然、金銭、安定した関係、商業活動)
小アルカナの4つのスートは、火・水・空気・土にそれぞれ対応しています。
これらは、万物の根源(アルケー)であると考えられていました。
4つのスートとアルケー
古代ギリシャの哲学者たちは、「アルケー」(万物の始源)は何かについての議論を重ねていました。
- ピタゴラス:「数」をアルケーだと考えた
- どんな事物も「数えられる」という性質をもっているため「数」をアルケーだと考えた。
- 「数」こそが万物の根源であるという考え方は数秘術・カバラにも影響を与えている
- デモクリストス:「原子」をアルケーだと考えた
- 現在の自然科学の「原子」とは異なるものだが、世界が構成粒子からできているという考え方は現在の「原子論」の元となった
などなど・・・
さまざまなアルケーが考え出される中で、紀元前450年ごろ、エンペドクレスは「万物は水・空気・火・土の四元素からできている」という四元素説を唱えました。
その後、四元素説はプラトン、アリストテレスなどによってさらに考えが深められ、ルネサンス以降、ヨーロッパでも四元素説は広く支持されるようになります。
錬金術も、「万物はアルケーが変遷してあるものなので、卑金属にも作用をさせれば貴金属になるはず」という発想がスタートです。アルケーは、アルケミー(錬金術)の語源にもなっています。
また、ユダヤ教・キリスト教での創造主は神聖四文字(テトラグラマトン)と呼ばれるそれだけでは発音ができない4文字のヘブライ文字で名が表されます。そしてその4文字のヘブライ文字にもそれぞれ四元素が対応していると考えられるようになり、タロットでもその4文字はそれぞれのスートに対応しています。
次に、4つのスートについてそれぞれ説明します。
ワンド(棒):火
活動
計画のスタート、創造的なひらめき、アクション、動き、楽観、冒険、挑戦
火はすべてのはじまりのエネルギーをあらわし、活動・エネルギーを表します。
活動的なワンドはすべてのスタートとなりますが、働きすぎると、目的なく動きまくる「過労」にもつながってしまいます。
カップ(杯):水
精神
閃きの受容、内省、愛情、友情、喜び、空想、受動性
精神的な活動をあらわすスートです。受動的、内省的なスートで、愛情や精神的なつながりなどを寓意することが多いです。
穏やかで優しい感情を表す一方で、深く潜ってしまうとヒステリーやナーバスさにもつながります。
また、そのたくましい想像力は地に足がつかない妄想を生み出すこともあります。
ソード(剣):空気、風
知性・闘争
具体的な計画の進行、頭をつかって行動すること、対立、怒り、感情の乱れ、叡智、知性の使用
ソードは知性を使って物事をなしとげようとするスートです。
それはしばしば抗争や、相手をだしぬくことにもつながります。
そのため、ソードはしばしば悲しみや対立も生み出すスートになっています。
ペンタクル(コイン):土
収穫
完成品。土地、金銭などの財産。自然が生み出すもの。日常の活動。安定した家族関係。金銭のやりとりが生じるビジネス
ペンタクルが象徴するのは広い意味での「財産」・「収穫」です。それは具体的な金銭や土地などの財産のこともあれば、「家族の絆」や「商業的な成功」など、目にはみえないもののこともあります。
それぞれの番号・ポジションの意味について
各番号や、ペイジ、ナイトなどのポジションについての意味をまとめると以下のようになります。
番号 | セフィラ | 象徴 | 概要 |
---|---|---|---|
1 | ケテル | 王冠 | スートの基本的性質 |
2 | コクマー | 叡智 | スートが意図的・均衡的にはたらくことでおこること |
3 | ビナー | 理解 | スートが深く理解されたときにおこること |
4 | ケセド | 慈悲 | スートが安心・安全を求めた時におこること |
5 | ゲブラー | 厳格 | スートがもたらす対立や喪失 |
6 | ティファレト | 美 | スートが最も美しく表現されたときにおこること |
7 | ネツァク | 勝利 | スートが勝利をおさめたときにおこること |
8 | ホド | 永遠 | スートが完成に進むためにおこること |
9 | イェソド | 基礎 | スートの完成にいたるまでにおこる葛藤や問題 |
10 | マルクト | 王国 | スートの完成・最終結果がもたらすもの |
ペイジ | マルクト | 王国 | スートを求め始めたときにおこること |
ナイト | ティファレト | 美 | スートを深く進めていく過程でおこること |
クイーン | ビナー | 理解 | スートの深い理解がもたらすもの |
キング | コクマー | 叡智 | スートの道をマスターしたときにおこること |
それぞれのスートの意味と番号の意味がかけ合わせた意味と、絵柄を組み合わせることで小アルカナは覚えなくても意味が理解できるようになります。
また、同じ番号どうしのカードを比べることでそれぞれのスートや番号の持つ意味がわかりやすくなります。
各番号ごとのカードの意味の概要を次のコーナーにまとめました。
各カードの解説
番号・ポジションごとに各カードの意味をまとめます。正位置・逆位置の解釈については以下の記事もご参照ください
各スートの1
各スートの1はケテル、もっとも高い次元での霊的な成長をあらわすセフィラが対応します。そのスートがもたらすもっとも尊いものがここにはあらわれます。
そのため、各スートの1には各スートの基本的な性質があらわれます。
ワンドの1
生命力・活動・エネルギーを表します。幸先のいいスタートが切れる、物事をはじめる活力がみなぎる、行動力にみちあふれた状態になる、などを暗示します。
正位置
- 良いスタートで物事をはじめられる
- エネルギーに満ち溢れている
逆位置
- エネルギーが空回りしている
- 上手く物事がスタートできない
カップの1
カップの1は、愛・喜び・精神的な充足・インスピレーションをあらわします。「喜びを受け取る」姿勢が強いです。
正位置
- もたらされる喜び
- インスピレーションが湧き上がる
逆位置
- 愛情面・精神面での満たされない状態
- 感性に身を委ねることができていない
ペンタクルの1
ペンタクルの1はこれまでやってきたことに対する収穫を手に入れることをあらわします。
正位置
- 努力が実って成果がうけとれる
- 望んだ結果を得ることができる
逆位置
- 豊かさに固執して本質を見失う
- 望んだほどの成果が得られない
各スートの2
各スートの2は、コクマー。「叡智」を司るセフィラが対応します。
そのため、2のカードではそれぞれのスートの概念が調和的に生かされたらどのような結果がもたらされるかを示しています。「バランス」「均衡」がキーワードとなります。
ワンド2
「調和」やは無限の拡大・広がりを求めるワンドにとっては特に窮屈さをもたらします。彼は「調和」という塀の中から、世界をながめるようになっています。
正位置
- 安定した成功がもたらされる
- 現状はめぐまれているものの、少し物足りなさを感じている
逆位置
- 予想外のトラブルにみまわれる
- 計画したことがうまくいかない
カップの2
愛情・精神的なつながりがもたらす調和をあらわしています。
調和・中庸とカップは相性がよいため、それがうまく生かされたカードとなっています。
正位置
- 愛や友情のはじまり
- 信じられる絆、愛情
逆位置
- 関係の破綻
- 精神的に満たされない繋がり
ソードの2
ソードの2は、知性や物事の勝利に対する情熱を調和的に働かせることを示唆しています。集中して雑念を抑える必要があることを示唆しています。
正位置
- 物事を成し遂げるための冷静な判断力
- すぐれたバランス感覚
逆位置
- 自分の心身のバランスをとることができない
- ストイックになりすぎている
ペンタクルの2
「収穫」にとって「中庸」や「均衡」がどのようなものであるかを端的にあらわしています。財産や収穫の安定とは、変化しないことではなく、変化のバランスをとることだと示唆しています。
正位置
- ワークライフバランスがとれている
- 許容された範囲の楽しみを満喫する
逆位置
- 刹那的な喜びに溺れる
- リスクを恐れて楽しみを選べていない
各スートの3
各スートの3はビナー。「理解」を司るセフィラが対応します。そのため、各スートの3はそのスートの完全な表現・理解をあらわします。
言い換えるなら、そのスートのもつ特性をもっとも理解したときに何がおこるかかを示しています。
ワンドの3
ワンドのエネルギーの本質は「新しいフィールドの開拓」です。
そのため、ワンドの3は新たな領域を開拓して、新天地にすすんでいこうという姿が描かれています。
正位置
- 新しい領域へとふみこんでいく
- 新しい目標にむかって行動を開始する
逆位置
- はじめた事業が難航する
- 新しいことをはじめるよりも内省の時をもつ
カップの3
カップの3は、カップがもつ精神性・愛情を深く理解したときに何がおこるかを示しています。自分の人生に喜びを感じ、そしてそれを人々と分かち合う姿が描かれています。
正位置
- 精神的な充足、喜び
- 人間関係から喜びを得ることができる
逆位置
- 人生への喜びが感じられない
- (恋愛などの)享楽に溺れて刹那的になる
ソードの3
ソードは「知恵をつかって他の人に打ち勝つこと」を示唆します。そしてその影では必ず悲劇や悲しみが生まれます。そのためソードの本質のカードは「悲しみ」を表します。
正位置
- 心の痛み、避けられない苦しみ
- 痛みの受容
逆位置
- 心の痛みから立ち直っていく
- 自らの痛みから目を背けてしまっている
ペンタクルの3
ペンタクルの「収穫」の裏には、「研鑽」や「人の手による仕事」が必ずあります。ペンタクルの3は努力が身を結び、大きな成果を産むことを表しています。
正位置
- 成果のために地道な努力を詰む
- コツコツと作り上げていく
逆位置
- 怠惰な気持ち。根気や熱意がない。やる気がわかない。
- 過剰な努力。求められていない研鑽
各スートの4
各スートの4はケセド。「慈悲」を司るセフィラが対応します。慈悲はとても優しく、しかし強力で安定した気持ちです。
四角形が自力で床に安定しておける図形であるように
各スートの4は、それぞれのスートが「安心」「安定」を求めたときに何がおこるか
が描かれています。
ワンドの4
ワンドが動き回れるのは「安心して必ずかえってくることができるホーム」があるからです。ワンドの4は穏やかな家庭環境や、心理的な安心感がえられる場所を示唆しています
正位置
- 心理的安心感がもたらされる環境
- 家族から得られる喜び
逆位置
- 不安定な家庭環境
- 安心感が得られない環境
カップの4
受動的・内向的なカップが、さらに「安心」「安全」を求めると、「次の新しいことには挑戦したくない」という無気力さにつながっていることを表しているカードです。
正位置
- 無気力、モチベーションの低下
- 目の前の提案にあまり気乗りがしていない
逆位置
- あたらしいことに挑戦する気持ちがもどってくる
- 退屈な状況が打破される
ソードの4
叡智でもって勝利をもたらすソードにとって、安心・安全をもたらす最良の方法は「休戦を選ぶこと」です。ただし、これは戦いの終わりではなく、一時中断、一時の安寧を示しています
正位置
- 回復のための休息がもたらされる
- 癒しがもたらされるタイミング
逆位置
- 休息からの復帰
- 慌ただしい状況の再開
ペンタクルの4
収穫の「安心」「安全」を突き詰めると、「自分の得た富を絶対に他にひとには渡すまい!」という姿勢になります。自分の今の立場にこだわりすぎて、次に進めなくなっている様子です。
正位置
- 現在のポジション、持っているものへの強すぎるこだわり
- 手放すことができなくなっている
逆位置
- 執着からの解放
- 浪費的な状況
各スートの5
各スートの5はゲブラ。「厳格」を司るセフィラが対応します。
そのため、各スートの5のカードは、それぞれのスートを厳格に守ろうとしたときにおこることが示唆されます。しばしば、対立や喪失を意味します。
ワンドの5
ワンドのもつエネルギーがぶつかると、そこにはしばしば「競争」がおこります。ワンドのもつ力がぶつかりあうと、お互いに切磋琢磨しあう、良い意味での「競争」が形成されます。
正位置
- 切磋琢磨しあいながら高めていく
- 他者から刺激を受けて成長していく
逆位置
- お互いにダメージの残る争い
- 競争から逃げ腰になってしまっている
カップの5
感情と感情がぶつかりあうとき、時に取り返しのつかないものを失うことがあることを示唆しています。状況に対して「本当大切なものがわかった」と前向きにとらえられるかがポイントです
正位置
- 幸せの破綻、失われる喜び
- 悲劇のあとに、真に大切なものに気づく
逆位置
- 喪失の痛みが受け入れられない
- 新たな希望を見出せる
ソードの5
叡智や力でもって他者に打ち勝っていくソードの5では明確な勝者と敗者がえがかれています。相手に勝つことを考えるソードは、フェアな状況であるかどうかは大事ではないようです。
正位置
- 叡智をつくして勝利をおさめる
- 自分を通した結果傷ついているひとがいる
逆位置
- 出し抜かれた悲しみ
- 相手をやりこめることへの強すぎる執着
ペンタクルの5
「収穫」がもたらす対立、つまり、「富」があれば、その影でかならず「貧困」があることを描いています。「収穫」がえられないこと、物質的あるいは肉体的な困難を示しています。
正位置
- 経済的あるいは肉体的な困難
- 解決策に気づいていない
逆位置
- 困難からの脱出
- 状況に順応していくことができている
各スートの6
各スートの6はティファレト。「美」を司るセフィラが対応します。
各スートが、もっとも美しく発揮されている様子を示唆しています。
ただし、この美は最終形態ではありません。あくまで通過点としての一つの美が描かれています。
ワンドの6
ワンドの6はワンドのエネルギーの発露が最も美しく発揮される瞬間、力をつくして「栄光」を手にした瞬間が描かれています。
力をつくして得た勝利を示唆しています。
正位置
- 努力が身を結んだ勝利
- 晴れやかな気持ちになる結果が得られる
逆位置
- 浮かれすぎて足元がおろそかになっている
- 努力したほどの成果がえられない
カップの6
愛情が最も美しい形で表現されている様子をしめしています。
描かれているのは何の手垢もついていなかった一番美しい「愛情」「優しさ」の記憶です。
正位置
- 美しい記憶、心の支えとなる思い出
- 安心感、純粋に信じられるもの
逆位置
- 過去へのこだわりが強すぎる
- 失われたものに目がいっていて未来や現在への意識が薄い
ソードの6
「叡智」は、大切な人を安全なところへ逃すためにも使えます。叡智で争いや衝突を避けて目的を達成すること、大切なものを守ることを示唆しています。
正位置
- 困難からうまく脱出する
- スキルや知恵でうまくきりぬける
逆位置
- 避けられない衝突
- 困難から逃げてしまっている
ペンタクルの6
収穫は自分だけのものにするのではなく、人々と分け与えることでさらに喜びを広げることができます。天秤は、「自分が困らない範囲で」バランス良く施しを与えていることを表しています。
正位置
- 自分のもっているスキルや物をシェアすることでより喜びが大きくなる
- 協力者にめぐまれる
逆位置
- 狭量になってしまっている
- 八方美人になりすぎて自分が疲弊している
各スートの7
各スートの7はネツァク。「勝利」を司るセフィラが対応します。
各スートに勝利を得るためにすべきことが示されています
ただし、この勝利もやはり通過点にすぎず、さらなる高みへと進む余地を持っています
ワンドの7
他者よりもより高い位置から有利に戦況を進める様子がえがかれています。他のカードもそうですが、7での流れが10の結論の布石になります。
正位置
- 有利な状況で物事をすすめる
- 根回しをうまくまわすことができている
逆位置
- 不利な状況におかれる
- 有利にたちまわることに気を使いすぎて本質がみえていない
カップの7
人のもつ感情やイマジネーションが勝利をおさめたときにもたらされるものが描かれています。感情と想像力がこの世にはないような素晴らしいビジョンを生み出していることを描いています。
正位置
- 無限にわきあがるイマジネーション
- やりたいこと、理想としていることがみつかる
逆位置
- 地に足のつかない妄想
- 理想を描くことができず現実にとらわれてしまう
ソードの7
ソードのスートにおいて、「勝利」を得るための手段が描かれています。一瞬の機転で相手を出し抜く姿がえがかれていますが、その勝利はあくまで「一時的」なものであるようです。
正位置
- 相手をうまくだしぬくことができる
- 手段を選ばずに勝ちに行く
逆位置
- 策に溺れて自滅する
- 出し抜かれてしまう
ペンタクルの7
せっかく作物が実ったはずなのに、なんだか不満そうな青年がえがかれています。「よりよい収穫を得るにはどうすればいいか?」考え続けるペンタクルのとりくみに終わりはないのです。
正位置
- 創意工夫をこらして一定の成果をあげる
- 試行錯誤をかさねている
逆位置
- 次のステップに進む気になれない
- 今の仕事をなげだしたい
各スートの8
各スートの8はホド。「永遠」を司るセフィラが対応します。
7でもたらされた勝利が次のステージに進むためにはどのようなことが必要かが描かれています。
ここからのカードは10の結末にむかって進んでいくため、10のカードの展開によって描かれるものの容態が大きくかわってきます
ワンドの8
迅速な変化をあらわしています。物事を成し遂げるにはエネルギーの方向を集中させる必要があること、そしてそれを迅速に働かせる必要があることを示唆しています
正位置
- 速やかに物事が進行する
- 恋愛や物事の成就にむけて状況が動き出す
逆位置
- 物事の決着がつくのが遅れる
- 解決にむけて焦りがでてしまっている
カップの8
人生の中でしばしば愛情・感情の置き場を変える局面がでてくることを表すカードです。手放すこともまた、真の完成に必要であることを示唆しています。
正位置
- 一つの関係を手放していく
- 不要なものを手放す
逆位置
- 一つの関係への執着が捨てられない
- 現状にしがみつこうとする
ソードの8
拘束されているものの拘束はゆるく、逃げ出す余地はありそうです。ですが、目隠しをされている彼女にはできません。彼女を苦境に追い込んでいるのはせまくなった彼女の視野なのです。
正位置
- 身動きが取れない状況に追い込まれる
- コンプレックスにこだわりすぎてしまっている
逆位置
- 不自由な状況から解放される
- 感じていた抑圧やコンプレックスから解放される
ペンタクルの8
ペンタクルの収穫は天からもたらされた祝福である一方で、そこに携わる人々の努力もまた不可欠です。大きな成果のために必要なものは日々の積み重ねであることを教えてくれています。
正位置
- 着実な努力を重ねていく
- 努力の結果がいい方向に結びついている
逆位置
- 地に足のついた努力ができていない
- 過程にこだわりすぎて目的を見失っている
各スートの9
各スートの9はイェソド。「基礎」を司るセフィラが対応します。
10のマルクトと深く対応しており、10で完成を迎えるための足場となるものが描かれています。
そのため、10のカードの展開によってそれぞれのスートで描かれているものが大きく異なります
ワンドの9
ワンドは無限の拡大のエネルギーをもっていますが、言い換えるならそれは無限の競争への入り口です。無限の競走にまきこまれ、無限の準備をしいられようとしている人物が描かれています
正位置
- 慎重に準備をすすめる
- 虎視眈々と機会をうかがう
逆位置
- 準備不足のまま問題に直面する
- エネルギーを消耗していて問題に対応できない
カップの9
物質的には満たされている状態を示しています。
彼は豊かさや楽しみを手に入れた一方で、まだそれを分かち合う人がいないことも示唆されています
正位置
- 満たされた状態
- 自分に満足する気持ち
逆位置
- 不満の残る結果
- 終わりのない欲望
ソードの9
とても深い悲しみが描かれています。ここに描かれた人物におこる悲劇を嘆いているというよりも、自分の大切な人に災いがふりかかることが示唆されています。
正位置
- 身を切るような痛みの体験
- 愛するがゆえの痛み
逆位置
- 悲しみを人にうちあけられずひきこもる
- 自分の痛みを直視できない
ペンタクルの9
成功した女性が庭に一人でたっています。腕の鳥には目隠しがかぶせられています。富を手に入れることができた一方で、パートナーや家族といった恩恵はまだ受け取っていないようです。
正位置
- 夢を叶える、願望を実現する
- 仕事での成果は手にれたので次のステージにすすみたい
逆位置
- 夢を叶えることがまだできていない
- 今は自らのなすことに専念すべき
各スートの10
各スートの10はマルクト。「王国」を司るセフィラが対応します。
各スートのストーリーは1つの完成・結末をここで迎えます。
それぞれのスートをつきつめた果てに何がおこるのかが描かれています
ワンドの10
オーバーワークを暗示しています。過剰のデメリットが描かれる一方で、すさまじい努力が大きな結果を生むこともしめしています。
正位置
- 限界を超えた力を発揮するチャンスを与えられている
- オーバーワークで限界を迎えている
逆位置
- チャレンジがかえって自分を苦しめてしまっている
- 背負いすぎていた重荷を手放す時が来ている
カップの10
喜びは、まず自分の器を満たすことが大切ですが、満たされた喜びは人と分かち合うことでさらに大きくなっていきます。人との関わりでより喜びが広がることを描いたカードです。
正位置
- 家族や人間関係から得られる喜び
- 愛情面・感情面で満たされる
逆位置
- 心から信じることができない人間関係
- 愛情面での充足にこだわりすぎて自分を満たすことができていない
ソードの10
人に打ち勝つことの果てになにがあるのかを示しています。暗雲の奥には明るい空が見え始めています。破綻から学ぶことができれば新しく始めることができることも表しているカードです。
正位置
- 痛みを伴う幕引き
- 大きすぎる痛み
逆位置
- 懲りずに同じことを繰り返す
- 争うことそのものからの脱出
ペンタクルの10
ペンタクルの10では人生のすべてのステップ、手に入るものすべてが描かれています。生きていることすべてが神からのギフトであり、神からのギフトと、人の努力が結びついたときにすべてを手に入れることができることを示唆しています
正位置
- 物質・人間関係ともに満たされる
- 今手にしているものの素晴らしさに気づく
逆位置
- 人生が退屈なものに思えてきてしまっている
- 手にしているもののありがたみを忘れてしまっている
各スートのペイジ
各スートのペイジは、そのスートの道をすすみはじめた人に特徴的なことを示しています。
人間でいうと、「学生さん」というかんじです。
そのため、各スートの状態がもっとも純粋・単純な形であらわれます。
そのスートの「表面上の特徴」を理解したときにおこることと考えてもいいでしょう
ワンドのペイジ
新しい分野で自分の力を発揮しようとしています。未来に希望をもって自分の道をすすめていこうとしています。また、良い知らせをもたらすメッセンジャーとしてとらえられることもあります
正位置
- 新しい人間関係や環境に進もうとしている
- いいお知らせがとどく
逆位置
- 一歩踏み出す勇気がない
- 望んでいない情報を知ってしまう
カップのペイジ
カップのペイジはカップがもつ想像力、イマジネーションを自由に使い出そうとしています。現実世界に目を向けるよりも、イマジネーションに目を向けることを好んでいるようです。
正位置
- 新しいイマジネーションを受け取ることができる
- 創造的なことを楽しむ
逆位置
- 一つの思考に凝り固まってしまっている
- 夢見がち過ぎて現実が見えていない
ソードのペイジ
自分の叡智・能力で自らの道を切り開いていくことを決意した姿です。彼はしっかりと両手で剣を握り、自分の実力で世界を切り開いていこうとしています。挑戦心や向上心にもあふれています
正位置
- 問題にしっかりと立ち向かっていく
- 現実的な対策を考え始めることができている
逆位置
- 自分の問題にきちんと直面できていない
- 問題を大きく見すぎて、みずからハードルをあげてしまっている
ペンタクルのペイジ
自分の理想や目標を見つけて、それを自分の手におさめていくことを決めた若者の姿がえがかれています。レベルアップしていくことにワクワクしている姿です。
正位置
- 自分の好きなことを楽しく学んでいく
- 興味のあることに集中する
逆位置
- 夢中になることがみつからず退屈している
- 理想ばかり追い求めて実際の努力ができていない
各スートのナイト
各スートのナイトは、そのスートのゴールに向かって、実際に活動をしている最中の様子がえがかれています。
ペイジが学生さんなら、ナイトは「新入社員」と言う感じです。
ある意味で各スートの持ち味がもっともよく発揮されているスートということもできます
ワンドのナイト
活気とやる気に満ち溢れた若者が描かれています。彼はその熱意とやる気で目標を達成しようという活気に満ちています。情熱的な恋人との出会いを表す場合もあります。
正位置
- バイタリティにあふれている
- 情熱的なパートナーとの出会い
逆位置
- 口さきだけのやる気
- いびつなバイタリティが周囲に破綻をもたらしている
カップのナイト
理想とする美しい世界を実現しようと歩を進めています。
ペイジのカップにいたお魚がいないのは、想像力が彼の中にとどまっており、自由さを一時的に失っていることも示唆しています。ロマンチックな恋人との出会いをあらわすこともあります。
正位置
- 自分の理想をとても大切にできている
- 優しくてロマンチックな人との出会い
逆位置
- 理想と現実のギャップが大きく苦しんでいる
- みずからの理想に引きこもって外と交わろうとしない
ペンタクルのナイト
実直に自分の務めを果たす姿が描かれています。目標にむかって地道な努力を重ねていくことで成功に近づく姿がえがかれています。真面目なパートナーとの出会いをあらわすこともあります。
正位置
- 勤勉に物事にとりくむ
- 誠実で真面目なパートナーとの出会い
逆位置
- 目的を見失って働きすぎている
- 具体的な努力が不足している
各スートのクイーン
クイーンは各スートの受動的な性質をあらわしています。
各スートに主観的にかかわり、それを体現・完成させているキングとちがい、クイーンは受動的・客観的な立場からスートを深く理解し、そして完成させている姿が描かれています。
そのため、各スートが最もバランスよく完成されたときに何がおこるのかを示唆しています
ワンドのクイーン
エネルギーを生きる喜びに昇華することを描いたカードです。彼女は、ワンドのエネルギーがひろがっていくためには、安心して帰ってくる場所が必要なことも示唆しています。
正位置
- 生きる歓びを積極的に享受する
- 自分の活力やエネルギーを前向きに活用していく
逆位置
- おせっかいさが生み出すトラブル
- エネルギーを持て余してしまっている
カップのクイーン
彼女の手で作られたとされる、作り込まれたカップをもっています。彼女はカップが象徴する愛情やイマジネーションの喜びを生かすこと、そしてそれを形にしていくことを示唆しています。
正位置
- 愛情深く、優しい態度で接していくことができる
- 感情面で非常に満ちたりた状態におかれる
逆位置
- ヒステリックで感情的すぎる
- 奔放な関係に身を置く
ソードのクイーン
ソードがもつ叡智と悲しみの両面を象徴しています。彼女は、叡智でもって正しいことを判断するとともに、その正しさが自分を傷つけることもあること(諸刃の剣)も理解しています。
正位置
- リスクを承知した上で問題の解決にとりくむ
- メリット・デメリットを十分に検討した上で判断ができる
逆位置
- リスクの評価が大きすぎる
- 自分にも他人にも厳しすぎる
ペンタクルのクイーン
成果が努力だけではなく、恩寵や恵みなくしては得られないことを理解していているカードです。収穫をうけとること、今そこにある恵みを評価して、受け取ることをあらわしています
正位置
- 豊かさや愛情を受け取る
- 周囲への感謝の気持ちで満ち溢れる
逆位置
- 恵まれている状況に気がついていない
- 周囲への感謝に気づけない未熟さ
各スートのキング
キングは各スートの支配者であり、各スートの道に従って成功を収めた人がどのような状況になるかを示しています。
クイーンが各スートの力を受動的にうけとった象徴出会ったのに対して、キングは能動的に行使した際の結果を示唆しています
ワンドのキング
自ら成功を収めた人の姿が描かれています。成功を収めたあとも、彼は自らの「拡大」に余念がなく、どうやったら自分のエネルギーを拡散していけるかを考え続けています。
正位置
- エネルギッシュで行動力に満ち溢れている
- 成長や繁栄が期待できる
逆位置
- 独りよがりなお山の大将
- 自ら行動する勇気や意欲が不足している
ソードのキング
自らの叡智と実力で王座についた人の姿が描かれています。
彼は叡智をもって勝利をおさめ、強い決断力とリーダーシップを発揮する王として描かれています。
正位置
- 困難に打ち勝って成功を収めることができている
- 他者に打ち勝っていく十分な強さや実力がある
逆位置
- 自分が勝つためなら卑怯な手段も平気でとる
- 自分の成功を独占するために他者を排斥する
ペンタクルのキング
小さな努力をコツコツ積み重ねて、大きな繁栄と豊かさを手にした王が描かれています。地道な努力こそが結局全てを受け取れることを描いた絵になっています。
正位置
- 豊かな生活、安定した生活
- 恵まれた人間関係
逆位置
- 欲張りで頑固な状態
- おもったほどの収穫が得られない