ソードの6
基本的な解釈
船頭が積荷と旅人をのせて船をこいでいます。
岸はまだ遥か遠くですが、その旅程は順調で、彼は積荷と旅人を向こう岸に送り届けることができそうです。
各スートがもっとも美しく表現される6のカードでソードの6がこのような船頭が描かれているのはどういうことなのでしょうか?
ソードは戦いや叡智を表します。
生存競争が進化を加速させていくように、戦いの中で知性や叡智は磨かれて行きますが、その一方で、叡智をうまく利用して戦いをおらわせたり戦いを避けたりすることもできます。
ソードの6は、叡智や知性を相手を出し抜いて目的を達成することではなく、「戦いそのものを回避して」目的を達成することに用いることこそが、叡智の最も美しい使い方であると表しているのではないでしょうか。
正位置
正位置では知性をもって問題を解決することが示唆されます。
アーサー・ウェイトはこのカードに対して
船頭が旅人を小船に乗せて遥かな岸を目指している。コースは穏やかで、積荷も軽く見える。彼はこの仕事をやり過ごすだろう。
魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より
と説明を加えています。
このカードがでてきたとき、対象者は問題を抱えていたとしたらその問題に対して、うまく対応できること、簡単にやりとげられることが示唆されます。妨害がはいらずにスムーズに事が進められることがここでは示唆されます。
また、船頭は人のいない航路を選んでいることから、問題の解決方法は正面衝突というよりも、なるべく揉め事が起きない形、衝突を避ける形での解決となりそうです。
逆位置
逆位置の場合には、知性をもって問題を解決することが過剰や不足として働くことが示唆されます。
過剰に働く場合には、「自分」ではなく「相手」をなんとかしようとするあまり、衝突につながってしまうことが示唆されます。
また、穏やかな解決は望みにくく、対決がさけられないことを示唆する場合もあります。
不足に働く場合には、問題を解決するには力不足であり、「問題を避ける」というよりは「対象そのものを避ける=逃避」になってしまっていることが警告されています。
救いとしてこのカードがもたらされるときには、問題に向き合う覚悟ができたことが示唆される場合もあります。