白いネズミの「むぎのタロット」。その名前についてのご説明です。
「むぎ」って?
むぎは、わたしが買っていたスナネズミの名前です。
ペットショップで買ってきた、茶色いスナネズミです。
日本では少し珍しいかもしれませんが、海外ではハムスターよりもメジャーなペットなんだそうです。
名前のとおり、砂漠が原産地のネズミです。
色もスナネズミに一番多い、茶色いネズミでした。
きっと世界の砂漠には彼みたいなネズミは何百万匹もいます。
どこにでもいるネズミでした。
「むぎ」と私
むぎを飼い始めて一年と少したったころ、私は大きな病気にかかりました。
個人的にも、とても辛いことが直後で、
治療の副作用で髪の毛もすべて抜けて、生きている理由がよくわかりませんでした。
むぎは私に寄り添ってくれたわけではありません。
ただ、彼は楽しく生きていました。
毎日おやつを食べて、自分で自分のお家をきれいにして
毎日、ただ彼は生きていました。
入院している間は母がむぎの面倒をみてくれていました。
私のからだが落ち着いて、母が地元にもどって一人になっても
むぎは一緒にいてくれました。
むぎを買ってきてから3年と少し、時間がすぎました。
おわかれの日
その晩、むぎはいつもとかわりませんでした。
いつのまにか、半分かけた歯をいつもどおりめいっぱいみせて、おやつのおねだりをしてきました。
わたしはいつもどおり、おやつをあげました。
次の朝、むぎは小さくうずくまって冷たくなっていました。
最初何がおこったかわかりませんでしたが、温度のない彼のからだが
彼の命がおわったことを教えてくれました。
前の日、病気が回復して、久しぶりに会った友達がハート形の紙箱と小さな花束をくれていました。
どうしていいか、わからなかったわたしは、とりあえず、その箱の中に彼をいれて
花束からまだ蕾のアネモネを一本ぬいて、むぎの箱の上においておきました。
マンションは、むぎの体を埋めてあげられるところがありません。
なんとか近くのペットの葬儀をしてくれる業者さんを調べて、電話をかけて
むぎを置いている部屋にもどってきたとき、
むぎの箱の上においたアネモネの蕾が大きくひらいていました。
そして、箱をあけたら、むぎは、長い尻尾をまげて
箱とおなじ、体全体がハートの形になったまま、固まっていました。
むぎが教えてくれたこと
スナネズミは2年半ぐらいが寿命だともいわれています。でもむぎは、買ってきたときすでに大人で、そこから3年と少し生きました。
むぎは、病気になる前、わたしがまだとても幸せだったころに買ってきたネズミです。
むぎと過ごした3年間のあいだに、とても辛いことがあり、大きな病気にもなって、病気は治ったものの、結婚適齢期と人から呼ばれる年齢で髪の毛がすべて抜けてしまい、周囲が婚活に勤しむ中、自分はまっとうに生きていくのはもうダメだと勝手に思い込んでいました。
仕事は続けられましたが、友達が結婚や仕事で活躍していく横で、自分だけ取り残されたような気がして、
むしろ、病気の治療に専念していたときよりもいろいろと考えるようになってしまい、とても辛く感じていました。
砂漠が原産で、一生家族仲良く暮らす習性のあるスナネズミのむぎにとって、私の家は、「幸せ」な状況ではなかったはずです。でも彼は、ただ、毎日ごはんをたべて、自分の家を器用に整えて、毎日かわることなくおやつを喜び、生ききりました。
わたしがやったことは、彼をせまい世界に閉じ込めたことだけです。
でも彼は、毎日そこで生きて、私が楽しいときも、つらいときもただ、生きていて
そして、病気が治るのをまってくれていたかのように他のネズミよりも少し長く生きて、誰にも心配をかけないで
子孫を残すこともできず、外の世界をみることもなく、死んでいったのに
むぎは誰にうらみごとをいうわけでもなく、
それどころか、最後にお花を咲かせていってしまいました。
わたしは辛い辛いと思っていましたが、支えてくれる人たちもたくさんいました。
家族も友達も、本当に心配してくれていました。
ケージの中のむぎとちがって、いつでも好きなところに行けました。
なのにわたしは、自分に欠けているものばかり、探して、生きる気力を失っていました。
「ぼくは生きたよ。生き切ったよ。」
むぎの棺の上のお花は、むぎからのそんなメッセージのような気がしました。
私が勝手に悩みをつくって、人を避けて、苦しんでいる横で、小さなネズミは、ただ、生きて、まわりに幸せしか吐き出さないで、死んでいきました。
ただ、生き切った彼には、自分にたりないところを呪う暇なんてどこにもなかったのです。
むぎのタロット
その後、占いに関するイラスト展に出展させていただけるお話があり、そのときに、むぎを題材にタロットがかけたらいいなと思って、白いスナネズミのタロットを描きました。
むぎは茶色のネズミでしたが、間違いなく天国にいっているだろう彼を天使みたいな白いネズミとして描いてカードにしました。
描いたカードのうち、愚者のカードがいちばん、むぎににているなと思います。
むぎは星になってしまいましたが、カードをつかって占うときは、
むぎが力を貸してくれている気がしています。
その生き方で、いい生き方も悪い生き方もなく、「幸せ」に必要条件もはなく、
「ただ生きていること」
そのものの幸せを見せてくれた彼と一緒に今日もカードを読ませていただいています。
みなさんも、むぎと一緒にタロットの世界を歩いてみませんか?
きっと、いいことも、悪いことも、率直に見せてくれるはずです。
スナネズミ「むぎさん」の話、いい話ですね。大泣きしてしまいました。私は猫を飼っていますが、私もやはり彼は彼の人生を100%生きているんだと思うと尊敬します。同じです、彼もむぎさんのように好きな缶詰を毎日食べています(笑)。
余談ですが、私も趣味でタロットを触ることがあるんですが、当たりますよね。どういう仕組みになっているのか皆目わかりませんが、とにかくきいたことに対してちぐはぐにカードが出ない、そしてまず、外れたことがありません。
とおりすがりの独り言と「良い話」とお伝えしたくてコメントしました。また来ますね。良い話をありがとうございました。
コメントありがとうございます。
そういえば、むぎのタロットのなのにむぎのことを書いてないなあとおもってまとめてみました。
動物を飼ってると彼らが100%生きてるのってえらいなとおもいますよね^^
めぐさんのところの猫さんも幸せにいきてるんだろうなとおもいます^^
タロット当たりますよね。
占い目的で作られたカードではなく、二次創作が重ねられまくったカードだからこそ面白いのかなと私は思います^^
お返事、承認おそくなってもうしわけありません。
今後ともよろしくお願いします^^
yukiさん
大切な、むぎちゃんのお話をシェアしてくださって、本当にありがとうございます。
私も大号泣してしまい、読むたびにうるっときてしまいます。
yukiさんの[砂漠が原産で~~ 私の家は、「幸せ」な状況ではなかったはずです。] というお言葉、こんな風に想うyukiさんは、僭越なのですが、とても良い飼い主さん、素晴らしい飼い主さんだと、心から感じます。
yukiさんがむぎちゃんを想い、描いた、むぎちゃんのタロット、とっても可愛いくって、素敵です。
p.s
yukiさんに鑑定し頂いたことが私はあり、当たりました..☆ また申込みさせてくださいませ**
コメントありがとうございます^^
むぎとの体験はあまりに個人的なことばっかりだったので、
「客観的になるべく書きたいタロットのサイトだから違うかもなあ・・・」とか
「ムギを使わせてもらってるのに、ムギに悪いかなあ・・・。でも多分ムギは気にするタイプでもないしなあ・・・」とか
悩みながら投稿したページだったので、共感していただけてとても嬉しいです^^
ズボラで至らないところもたくさんあった飼い主だったなあと思いますが、
少なくともムギと過ごした3年と少しは私にとっての宝物です^^
これからもムギとタロットをよろしくおねがいします^^
PS:鑑定のご報告もいただけて嬉しいです!DMでの近況の報告などもお待ちしてますので、お気軽にお声がけくださいね
コメントありがとうございました
タロット講座で希望者はタロットプレゼントとありますが、講座にさんかするのにタロットを持参ください。と書いてありますが、タロットを持参せず、むぎさんのタロットを購入した上で参加することは可能なのでしょうか?また、購入は現地でできるのでしょうか?
ご返信遅くなって申し訳ありません。
講座によって料金対応は、基本的にはタロットご持参いただけなくても問題ございません。
・超初心者講座:タロット料金こみで4500円
※タロットご持参いただけた場合には、1500円現地でキャッシュバック
・ステップ1・ステップ2講座:タロットのお渡しはなしで5000円
※ご希望あれば現地で1500円で販売します
という感じです。分かりづらくてすみません