タロット意味:16 塔(逆位置)


カードの説明

キーワード

破壊、撹乱

カードの詳しい解釈

空から降る雷のようなものが、高い塔を破壊しています。破壊された塔からは意味ありげな王冠と、身分の高そうなひとびとが落下しています。この絵を見て「バベルの塔」を想起する人も多いでしょう。「タロットカードが何だか恐ろしい」とおっしゃる人は、きっとこの塔のようなカードが出てしまうのを恐れているのではないでしょうか?しかし、このカードのマルセイユ版に書かれた文字は「LA MAISON DIEU」=神の家です。これは「La Maison De Feu」=火事の家の誤写という説もあるそうですが、どちらにしろ、これは本来Maison=家であり、TourないしTorre=塔ではないのです。また、マルセイユ板では天から降り注ぐものは、雷と言うより、水かなにか、もっと柔らかいものに見えます。であるにもかかわらず、ウェイト版ではこのカードに描かれているものは「THE TOWER」であると言い切り、また、建造物の頂に降り注ぐ雷は鋭利な矢印の形をしており、この建造物に対してより、破壊的な力をもたらしている印象を与えます。「外的な力により破壊される建造物と、その被害を被る権力と人々」というモチーフを、マルセイユ版では「固定概念を打ち破る神からの恩寵」として描き、ウェイト版では「いかなる強固な権力も、一瞬の天災で崩れ落ちるドラマ」として描いているような印象を受けます。

1つ前の「悪魔」のカードが人の心の弱さがもたらす「人災」を表していたのに対し、「塔」は人の力ではどうしようもない、いわば、「事故」を表しています。さて、旧約聖書のヨハネ黙示録には地上のありとあらゆる富と権力を集めながら、一日のうちに神によって滅ぼされてしまう「大淫婦」が登場します。「大淫婦」は大都市バビロンの寓意ですが、地上ではかつて、様々な国が生まれ、栄華を極め、滅びていきました。

暴君や政策の不備のような、「人災」で滅びた国もあったでしょうが、しかし、理想的な統治が行われていたとしても、「不滅の国」などは存在しません。この地球で、数多くの繁栄を極めた生物が絶滅したように。

このカードが表現しているのは、そう言った「避けることのできない災害」です。

しかし、雷を受けて倒れた木の足元から、それまでその木に遮られて成長できなかった新たな植物が芽を出すように、それがいかに人間の側から見たら不条理なものであったとしても、破壊による撹乱もまた、恩恵たり得るものなのです。

人事を尽くしても、それをあざ笑うかのように降り注ぐ災いに対して、悲嘆にくれたり、それを理由に積み上げることをやめてしまうのではなく、その破壊を変化を齎す「撹乱」と解釈して、傷が癒えたら歩き出すことができるか。このカードはそう言った種類のレベルアップを即しているのではないでしょうか。

逆位置の塔「ダメだよ!!まだ大丈夫そうに見えても、崩れちゃうよ!」

人類史を紐解くと、新たな技術が生まれるのは、幸せな時代と言うよりも、政情が不安定で、何もかも信じられなくなった不安定な状態でした。例えば、古代ギリシャで「哲学」が生まれたのはポリスの衰退期で、ガリレオが近代科学の方法論に依った実験を行い始めたのは、ルターによる宗教改革で、これまで無邪気に人々が信じてきた「聖書」や「神」の恩寵が信じられなくなった時代でした。大きな「変化」がもたらされた時、人のとる行動は2つ。
変化を受け入れて、自らも変わっていくことを選択するか、変化に目を瞑り、旧態依然とした態度をとり続けるか、です。

「だから、ダメな時はダメなんだってば!!!逃げないと、その辺りも崩れちゃうよ!!」

逆位置の塔が出る時、「災害が小さくて済む」という解釈も成立しますが、破壊による影響をネガティブに考えるとき、私には変化に対する後者の姿勢、変化や現実から目を背け、元からあったものにしがみつき続ける態度への警鐘という意図が大きいのではないかと感じます。

立派なお城やタワーであっても、そこに立ち続けるためには、古い部分を破壊して、少しずつ更新していく必要があります。破壊は、嘆き続ければ災難ですが、現実をきちんと見つめて、その破壊を受け止めることができれば、「アップデート」のチャンスです。

「君がしがみついてるその『塔』と、君の大切な時間、どっちが大切なんだい?!『君の幸せ』は本当にその形しかないのかい?!」

何かがなくなってしまうこと。変わってしまうこと。壊れてしまうことはとても悲しいことです。しかし、あなたが前に進むことを選び続ける限り、あなたはいつでもあなたの幸せを選択することができます。

破壊や危機から目をそらさずに、対処をしていくこと。逆位置の塔はそんなことを求めています。

このカードからのアドバイス

一般的なアドバイス

危機的状況に目を背けるのをやめましょう。状況が芳しくなく、考えるだけで身がすくむような思いをすることもあるでしょう。しかし、あなたがきちんと向き合って対応すれば、そこから新しいことを始めることができます。
一時的な痛みや、恐怖に惑わされず、しっかりと自分の状況に目を向けましょう。そこから、あなたの新しい幸せを始めることができます。

恋愛向けのアドバイス

自棄にならず、しっかりと状況に向き合いましょう。恋愛はとても幸せな時間をもたらす一方で、疑惑や独占欲や不安を伴った瞬間、超弩級の悩みのタネに変わります。ですが、どのような危機的な状況であっても、あなたが受け止める勇気さえ持てば、新しい道は必ず開けるはずです。自棄になったり、誰かのアドバイスにすがったりする前に、まずは状況にしっかりと目を向けましょう。あなたが自力でその状況を乗り越えた時、あなたの中にはそれまでになかった新しい美しさや強さが生まれてくるはずです。

お仕事・転機に向けてのアドバイス

一度自分の状況を冷静に眺めてみましょう。突発的なトラブルや発作的な嫌悪感で、職場を変えようとしたり、自暴自棄な行動に走ってしまっていませんか?問題はトラブルそのものではなく、トラブルに対して反応してしまっているあなた自身にあるかもしれません。「ここではないどこか」に幸せがあると思っているうちは、ジプシーのようにさまよい続けることになるかもしれません。今は遠くではなく、あなたの足元を見つめて、状況を受け入れましょう。絶望的な状況であったとしても、客観的に、冷静に、あなたの心と状況と一度向き合ってみましょう。何かを決めるのはそのあとでも構わないはずです。