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第39話:小アルカナを学ぼう その13 クイーン

むぎのタロット講座

第39話:小アルカナを学ぼう その13 クイーン

このお話で学べること

各カードのクイーンのカードの意味を理解しよう

39 クイーンのカードを学ぼう

むぎのタロットのワンドのクイーンです
むぎのタロットのカップのクイーンです
むぎのタロットソードのクイーン
むぎのタロットのペンタクルのクイーンです
ホップ
今回はクイーンだね。
クイーンってどんな特徴があるカードなの?
むぎ
クイーンは、第3セフィラのビナーに対応していて、そのスートを深く理解したときにもたらされることが描かれているんだよ
セフィロトの樹とコートカード
ホップ
深く理解…?なんかわかるようなわからないような。
むぎ
そうだねぇ。クイーンのカードを理解するためのポイントは、ペイジやナイトはキングにはなれてもクイーンにはなれないってことなんだ。
ホップ
どういうこと?
むぎ
ペイジはそのスートの道を歩むことを決める時におこることに。ナイトはその道を進めたときにおこることに。キングはその道を極めたときにおこることがあらわされてる。
ホップ
ペイジが学生さんで、ナイトが新入社員で、キングが社長みたいな説明してたよね。
むぎ
そう。ペイジーナイトーキングっていうのは同じベクトル上にならんでる。
実際、ペイジは長じたらナイトになれるかもしれないし、ナイトもうまくいけばキングになれるかもしれない。
でもペイジやナイトはクイーンにはなれないでしょ?
ホップ
そうだねぇ。クイーンはペイジやナイトからなれるものじゃないだろうね
むぎ
タロットによってはナイトのかわりにプリンセスをおいて、クイーンにつながるラインを作ったりすることもあるみたいだけど、少なくともウェイト版に関しては、ペイジーナイトーキングのラインと、クイーンは独立してるって考えたほうがいい。
ホップ
なんでクイーンだけ独立してるの?
むぎ
なんで、っていうのには実は理由はないんじゃないかなぁっていう気もするんだけど、「4」のところで説明した、「三つ組で概念が完成して、そしてそれを統合する概念で安定する」っていう考え方が当てはまるんじゃないかなっておもうよ。
「父」「子」「聖霊」この三つを聖書では「三位一体」として一つのものとして取り扱うんだけど、この三つを統合すると「神」という一つの概念になる。概念そのものは「父」「子」「聖霊」の三つ組だけど、それに包括した名前をつける「神」という概念があることで、僕たちはこの三位一体である神っていう概念を安定して認識することができるんだよね。
ホップ
あ、なるほどね。
つまりクイーンは、ペイジーナイトーキングの1本線を外からながめて、それになんて名前がつくのかを見てる人ってことなんだ
むぎ
そんなイメージだね。
自分が客観的に何ものなのか、っていうのは外からみないとわからない。それぞれのクイーンはナイト・ペイジ・キングにあらわされる各スートの流れを深く理解して、包括したものなんだ。だから、クイーンはナイト・ペイジ・キングから独立しているんだけど、クイーンを理解することでナイトやペイジやキングのことも見えてくるんだよ

39-1 クイーンのカードの概要

各カードのクイーンは、第三セフィラのビナーに対応しており、それぞれのスートをより深く理解したときにおこることが描かれています。
セフィロトの樹とコートカード
ペイジーナイトーキングは、1つのラインの成長過程として理解することができますが、クイーンはそれとは独立しています。そのスートをはじめたとき、進めて行ったとき、成し遂げたとき、どのようなことがおこるかはペイジーナイトーキングの流れから理解ができます。
なのになぜ、わざわざクイーンが存在しているのでしょうか?
一つの答えが「4」のカードのときに説明した「三つ組+1で概念が安定する」という構造でしょう。
聖書では信仰対象として「父」「子」「聖霊」という三つのものがでてきますが、これらを「三位一体」として一つのものであると取り扱います。そして、この「三位一体」である「三つ組」を統合したものを「神」と読んでいます。ということで、ある概念が創出されるときには「概念の発現」「概念の認識」「概念の名付け」という三つのプロセスが必要になりますが、その上に、その三つのプロセスを統合する概念があることによって、私たちはその三つ組を安定した一つのものとして取り扱うことができます。
このように、様々な概念は存在するための三つ組と、それを統合して名付けるためのもう一つの名前・概念が必要となるのです。クイーンのカードはペイジーナイトーキングというラインが表すもの全体を理解したもの、そしてペイジーナイトーキングが表すものを包括的にとらえたものと考えると理解がしやすいとおもいます。

39-2 ワンドのクイーン

スート×番号のもつ意味
  • ワンドの意味:活動、アクション、動き、冒険、挑戦
  • クイーン(ビナー:理解):各スートの深い理解がもたらすもの。
  • むぎのタロットのワンドのクイーンです
    ホップ
    このカード、猫がいて可愛いよね
    むぎ
    ネズミである僕たちがいうとすごい変な発現だけどね
    ホップ
    でも実際問題、このカード、ひまわりのお花だったり、なんか可愛いモチーフ多いよね。これ、どう読むカードなの?
    むぎ
    ウェイトはこんな風に説明してるね

    ワンドは生命と活力のスートであるから、このスートを通じて登場するワンドには葉がついている。このクイーンはキングと同じ性格をもっているが、より魅力的である。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    ホップ
    キングと同じ性格、ってキングはどう書いてあるの?
    むぎ
    キングはこんなかんじだよ

    このカードに登場する王は、熱意があり、柔軟で活力も気品もある。手には花のさいたワンドをもち、他のスートの王と同様王冠の下には棒状の指揮棒を被っている。王座にはライオンのシンボルが描かれている。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」

    ホップ
    なんだろう。この島耕作みたいなやつ
    むぎ
    熱意はあるけど、柔軟ってところがワンドらしいよね。
    ワンドはエネルギーの拡大を意図するスートだから、熱意や活気はあるけどソードのような厳しさはないんだ。
    ホップ
    ワンドのキングも十分魅力的っぽいんだけど、それが「より魅力的」ってどういうこと?
    むぎ
    それこそ、猫ちゃんとライオン比べたらわかるんじゃない?
    ホップ
    へ?
    むぎ
    キングのカードはライオンについて言及されてる。クイーンのカードにも、ライオンはかかれてるのに、キングだけ説明がついてるんだ。
    そしてクイーンのカードには黒猫が彼女を守ように立っている
    ライオンと猫はどっちもネコ科の生き物でなおかつ肉食だ。
    でも猫のほうがライオンより可愛いっていう人は多いんじゃないかなっておもうんだけど、それはなんで?
    ホップ
    …ええ…?またネズミである僕たちがいうのも変な話になっちゃうけど、猫のほうがちっちゃいし、手に終えるし、甘えてくるからじゃないの??
    むぎ
    そういうことなんだよ。猫のほうがライオンより安心して接していられるから「可愛い」って僕たちはおもうんだよね。
    ワンドのクイーンも、活力があって陽気なところはワンドのキングと共通している。でもキングの活力は「勢力の拡大」や「外に向かっての生命力の発露」につかわれるんだけど、クイーンはそれを「魅力」として使っているんだ
    ホップ
    どういうこと?
    むぎ
    もちろん、いろんな好みはあるけど、いつも元気で陽気な人ってみんなを幸せにするでしょ?
    そんな感じで、彼女は自分がもっているエネルギーを、自分が幸せでいること、そしてその幸せを周囲に放出していくことにつかってるんだよ。だから彼女のもっているひまわりのお花は大輪なんだ。
    ホップ
    ああ、なるほどね。だから「魅力」なんだね。
    むぎ
    そう。ワンドのエネルギーは勢力を拡大することに使われるんだけど、そもそも僕たちは本能的に子孫を残したいと思っていたり、仲間を増やしたいっておもってる。つまり、ワンドの生命力の源泉は「生きる喜び」や「楽しみ」なんだよ。ワンドのクイーンは、ワンドの本質にある生きることそのものの喜びやエネルギーを教えてくれてるカードなんだとおもうよ。

    基本的な解釈

    親しみやすそうな女性が王座にすわっています。手には大輪のひまわりの花をもち、手前には彼女を守るように1匹の黒猫がすわっています。ウェイトはこのカードにこのような説明を加えています。

    ワンドは生命と活力のスートであるから、このスートを通じて登場するワンドには葉がついている。このクイーンはキングと同じ性格をもっているが、より魅力的である。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    そしてキングにはこのような説明をつけています。

    このカードに登場する王は、熱意があり、柔軟で活力も気品もある。手には花のさいたワンドをもち、他のスートの王と同様王冠の下には棒状の指揮棒を被っている。王座にはライオンのシンボルが描かれている。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」

    つまり、彼女はキングと同様に「熱意があり、柔軟で活力も気品もある」状態で、キングよりもより魅力的であると説明されています。これはどういうことなのでしょうか?
    クイーンのカードは各スートを深く理解したときにもたらされるものが描かれています。
    ワンドのカードはウェイトが説明しているとおり、「生命」と「活力」のスートです。数字のカードや他のコートカード では、その活力をつかって自らの勢力を拡大しようとしていく様子がえがかれていました。
    でもそもそも、この「活力」の源泉とは何なのでしょうか?
    活力の源泉はいうなれば、私たちの「命の炎」そのものです。
    私たちが生きることを喜び、今ここに命があることの恩恵を受け取ることができたとき、私たちのエネルギーは喜びとともに拡大をはじめます。つまり、ワンドの活力の源泉とは「命そのもの」であり、そしてその命がもたらす喜びそのものなのです。
    ワンドのエネルギーを外側に拡大していくことに使う他のカードとちがって、ワンドのクイーンを勢力の拡大にはつかいません。今ここに生きる喜び、人生を謳歌することに彼女のエネルギーは使われており、そしてそれが彼女を魅力的に輝かせているのです。

    正位置

    正位置では、活力や生きる喜びといったこのカードがもつキーワードが中庸にはたらいていると考えます。このカードが出てきた時にはあなたは、前に進むための活力や、問題を乗り越えていく力がうちから湧き上がるのを感じることができるようになるでしょう。エーリッヒ・フロムは「愛」というは「愛されるべき対象」があるから引出されるのではなく、「愛する」という能動的な心の働きによって生み出されると説明しました。ワンドのクイーンの「愛」もそうしたものです。前向きに人生を喜び、楽しむ姿勢こそが問題を解決すると教えてくれるカードです。

    逆位置

    逆位置の場合は、正位置のキーワードが過剰や不足ではたらいていると考えます。
    不足の場合には、エネルギーの減退やモチベーションや気力の低下について警告がされています。端的にエネルギー不足の状態です。過剰の場合には、善意にみちたお節介や余計なことを相手にしてしまうことに対する警告です。明るく周囲を元気付けてくれる振る舞いはとても素敵なことですが、何事にも限度があります。行き過ぎた干渉や励ましは、時に相手にとってマイナスになることもあります。少し落ちついて状況を眺める必要があることを教えてくれています。
    救いとしてこのカードがもたらされる場合には、穏やかで静かな時間がとれるようになることを表す場合もあります。

    39-3 カップのクイーン

    スート×番号のもつ意味
  • カップの意味:精神、閃きの受容、愛情、喜び、空想、受動性
  • クイーン(ビナー:理解):各スートの深い理解がもたらすもの。
  • むぎのタロットのカップのクイーンです
    ホップ
    カップのクイーンはすごい優しそうだね。
    てか、この人だけカップやたらごっついね。
    むぎ
    クイーンの持ってる割賦は彼女が作ったものらしいよ
    ホップ
    え?クイーン器用すぎじゃない?
    なんかコツコツ作り上げるのってペンタクルのイメージなんだけど、この人ってどんな人なの?
    むぎ
    ウェイトはこのカードにこんな説明を加えてるね

    美しく、色白で夢見がちな女性。彼女は、まるでカップの中に幻想をみているような風情である。だが、それはあくまでも彼女の一面の性格に過ぎない。彼女は夢見がちでありながらも同時にまた行動的でもあり、その行動がまた彼女の夢をふくらませる。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    ホップ
    潜在意識とか精神とか愛情とか、形のないものを司るカップだけど、クイーンは夢見るだけじゃなくて、それを形にすることも考えてる人なんだね
    むぎ
    各スートのクイーンは、そのスートが深く理解されたときにおこることをあらわしてるけど、カップのクイーンが教えてくれているのは、カップが司る感情とか愛情は、実際に形にしていくことでより深い恩恵をもたらすってことだとおもうんだよね。
    僕の好きな漫画の中に「夢をみることは罪だ。その罪は実現することでしか贖えない」みたいなセリフがどっかであった気がするんだけど、
    まさに彼女は頭の中に美しいものがあるだけじゃなくて、それを形にしてる。彼女は美しいものを愛するだけじゃなくて、それを行動で形にしていくこともまた具現化してるんだよ。
    この話はエーリッヒ・フロムの「愛するということ」も思い起こさせるね
    ホップ
    それ思い起こすネズミは君だけかもしれないけどね
    むぎ
    この本の中でフロムは、愛するっていうのは愛すべき対象が存在することで自然とわきあがる感情なんじゃなくて、「自分」が対象を「愛する」と能動的になることによって発現するものだって考えてる。
    そういう意味で「愛は技術である」っていってる。これは冷めた意味ではなくて、「技術と同じでトレーニングをしていくことで愛することを学ぶことができる」っていう前向きな意味で書いてる。
    カップが寓意する愛っていうのは自然とわきあがるものでありながら、それを意識的に働かせることによって、より素晴らしいものを生み出すものでもあると思うんだよね
    ホップ
    きれいごとだけじゃ、動かないかもしれないけど、きれいごとがないと動けないってことだね
    むぎ
    そういうことだね。彼女があらわしているのは、知性や行動力は愛と結びつくことで最も素晴らしい物を生み出すっていうことなんだとおもうよ

    基本的な解釈

    優美な女性が精巧につくりこまれたカップを見つめています。彼女の足下にはおだやかな海がひろがっており、きれいな石がしきつめられています。
    ウェイトはこのカードに対してこのような説明を加えています。

    美しく、色白で夢見がちな女性。彼女は、まるでカップの中に幻想をみているような風情である。だが、それはあくまでも彼女の一面の性格に過ぎない。彼女は夢見がちでありながらも同時にまた行動的でもあり、その行動がまた彼女の夢をふくらませる。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    各カップのクイーンはそのスートが深く理解されたときにおこることが描かれています。精神、閃きの受容、愛情、喜びなどをあらわすカップのクイーンでは、そういったものがどのようなものかという本質が描かれています。
    このカードは少し女帝にも似ていますが、生産・豊穣の象徴で、ただただ命に満ち溢れた中にいたのに対して、カップのクイーンは、作り込まれた人工物であるカップを手にしています。
    それは、愛情や感情は意図や知性と結びつくことによって確かな形を得ることができることを示唆しています。
    カップが象徴する水は器によって形を変えます。荒れ狂う波になることもできれば、穏やかで美しい海原をつくることもできます。それはまさに、感情の動きにも似ているのではないでしょうか?
    感情や愛情は世界で最も美しいものも、もっとも残酷なものも作り上げることができます。
    愛情の素晴らしさはいうまでもありませんが、愛情がもつれた結果生み出された憎悪での殺人現場と、単なる物取り目的の殺人現場では、前者のほうが凄惨を極めることからもそれは窺い知れます。
    カップのクイーンは正しい意図と知性と組み合わせることによって愛情や感情は世界で最も美しいものを作り上げられることを教えてくれています。
    そのため、このカードは愛と知性が結びつくことによってもたらされる恩恵をあらわしています。慎重さと愛情深さをあわせもったクイーンのカップは、いわば、女帝の愛情と女教皇の慎重さをあわせもった存在といえるかもしれません。

    正位置

    このカードが出たときには愛情や優しさを深い知性とともに行使することが求められています。ただ、感情的に本能的に愛情をばらまくのではなく、その人のことを思いやり、深く考え、行動することが求められています。そのため、このカードがでてきたときにはまずあなた自身が対象について深く知り、そして考えることがもとめられています。その対象が具体的な人の場合には、その人のことをよく考えて、あなたの愛情を行使していくことが求められています。また、その対象がプロジェクトであったりモノ出会ったりする場合には、その対象について深く考えた上で、あなたにとっても関わる人にとっても一番幸せになるような提案をする必要があると述べられています。
    具体的な事象がない場合には、あなたの中で愛情を心の底から感じられるような素晴らしい恩恵がもたらされることを示唆します。いずれにせよ深い愛情からもたらされるギフトがあなたの手元にとどくことになりそうです。

    逆位置

    知性と愛情の両立を寓意するカップのクイーンでは、知性・愛情のどちらか、あるいはどちらもが不足しているとどうなるかを想定するとわかりやすいです。知性に愛情がともなわなければ、それは柔軟性をともなった考えになるでしょうし、愛情に知性がともなわなければ、不安定な行動であったり、嫉みや妬みなどの愛情のネガティブな側面の発露となるでしょう。どちらも不足している場合には生きる意欲そのものの減衰につながります。
    様々な側面をもったカードなので、状況に応じて読み替えていくことが大切になってきます。

    39-4 ソードのクイーン

    スート×番号のもつ意味
  • ソードの意味:知性、闘争、対立、怒り、感情の乱れ、知性の使用
  • クイーン(ビナー:理解):各スートの深い理解がもたらすもの。
  • ホップ
    ソードはクイーンになっても格好いいね。
    キリッとしてる気がするなぁ
    むぎ
    そうだね。
    ウェイトはソードのスートはいい意味をもたらさないって書いてるけど、僕もカードのデザイン的にはすごくいいカードが多いスートじゃないかなぁって思うよ
    ホップ
    かっこいいのはかっこいいんだけど、これ、何してるところの絵なの?
    むぎ
    ウェイトはこのカードにこんな解説を加えてるね

    女王は柄を王座にあてた剣を垂直に構え、左手は歓迎するような仕草で前にのばしている。表情は厳しいが、貞淑で、悲しみ多き女性。慈悲を示すカードではないが、その剣は力のシンボルではない。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト 「タロット公式テキストブック」

    ホップ
    本当、ウェイトはソードに親でも殺されたの?
    なんかカップのクイーンとかに比べて可哀想すぎない??
    むぎ
    クイーンは各スートが深く理解されたときに起こるものだからね。
    彼女はソードがもたらす「全て」を知ってしまってる。だから無邪気にナイトみたいに前に突き進むことはもうできなくなってるんだ。
    そして、各カードのクイーンは受動性も寓意する。ソードがもたらすものを「受動」するということは、剣をとるという手段を選ぶってことは、そこでもたらされる悲しみもまた受け入れることを意味するんだ
    ホップ
    ああ…覚悟はできてるんだね。この人
    むぎ
    そういうことになるね。
    そしてウェイトはわざわざ、彼女がもっている剣に対して「力の象徴ではない」っていってる。
    これをどうとるかは難しいけど、これがソードが寓意する「叡智」というもう一つの面をあらわしていると考えたら、彼女は自分が選んだ手段によってもたらされる悲劇も十分理解しながら、それでもその手段をとることを選んでるってとることができるね
    ホップ
    ああ…ますます覚悟完了してるんだねえ。
    なんとなくカードの雰囲気はわかったんだけど、このカード、占いにでてきたらどう読んだらいいの?
    むぎ
    このカードは正直ちょっと読むのが難しい。
    ウェイトもこのカードの正位置にはこんな意味をだしてる

    未亡人。女性の悲しみと困惑。不在。不妊。喪。喪失。分離。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    ホップ
    ああ…わかっちゃいたけど、どれも決していいニュースじゃないね
    でも女性に限定される話が多いとおもうし、お仕事とかででてきたら読みにくそうだけどどう解釈したらいいの?
    むぎ
    一つのポイントは「痛みをともなう分離・別離」だとおもうんだ。
    ソードの9を思い出してほしいんだけど、ソードのカードにおいて、一番の悲しみは自分が剣で傷つくことじゃなくて、剣を持つことを選ぶことで大切な人が失われてしまうことなんだよね

    むぎ
    だからこのカードは、何か痛みを伴う分離や別れがもたらされるって考えたらいいとおもうんだよね。
    それがモノのこともあれば、ヒトのこともあるとおもう。
    ひょっとしたら考え方かもしれない。ただ「何かから分離してそれが痛む」っていう現象だとおもったらいろんな案件に適応できるんじゃないかな

    基本的な解釈

    まっすぐと剣をもった女性が前をみつめています。
    歓迎する手をかかげながらも、その剣は進入を拒むように突き立てられています。
    このカードはどう解釈すればいいのでしょうか?
    ウェイトはこのようにこのカードを説明しています。

    女王は柄を王座にあてた剣を垂直に構え、左手は歓迎するような仕草で前にのばしている。表情は厳しいが、貞淑で、悲しみ多き女性。慈悲を示すカードではないが、その剣は力のシンボルではない。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト 「タロット公式テキストブック」

    各スートのクイーンのカードはそのスートが深く理解されたときにもたらされることを描いています。ソードの場合には、ソードのクイーンはソードがもたらす結果「剣(誰かを倒して目的を達成する)という手段をとるものは必ず傷つくもの、喪うものをもたらす」を深く理解していることになります。
    そのためこのカードは痛みをともなう分離や別離をあらわします。
    別離や分離の対象をヒト・モノ・概念などに拡張していくことで、このカードは様々な場面でリーディングができるのではないかと思います。

    正位置

    痛みをともなう別離、分離をあらわします。
    その対象が人であれば痛みをともなう別れとなり、仕事であればそこから離れることを意味するでしょう。また、あなたが愛着をもっている考え方やこれまで馴染んだ方法を手放すことをもとめられているのかもしれません。いずれにせよ、痛みをともなうとわかりながらも、その道を選ぶ必要があることをこのカードは意味しています。

    逆位置

    逆位置の場合には、正位置で意味されていた「痛みをともなう分離・別離」を受け入れることができず、問題を先延ばしにしてしまっている状態や、現実を直視することができない状況が示唆されています。
    先に進むことには痛みをともなうこともるかもしれません。けれども臭いモノに蓋をしたり、傷口を隠してしまうと、それは膿んでより状況が悪化します。思い切って手放す必要がでていることをこのカードの逆位置は示唆しています。

    39-5 ペンタクルのクイーン

    スート×番号のもつ意味
  • ペンタクルの意味:収穫、完成品。財産。自然が生み出すもの。家族。
  • クイーン(ビナー:理解):各スートの深い理解がもたらすもの。
  • ホップ
    きれいなカードなんだけど、正直一番何してるのかわかんないカードだね。
    女王様なのに、なんか森の奥にいるんだね
    むぎ
    ウェイトもこのカードにはちょっとよくわからない説明をつけてるね

    暗い表情の女性。哲学的な思考を好む性格で、深い学識を持っている。ペンタクルを凝視し、その中の世界を、見いだそうとするかのようだ。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    ホップ
    ん?要するになんか考え込んでる人ってこと?じゃあこのカードあんまりよくないの?
    むぎ
    って思うじゃん?でもこのカードの正位置にはこんな解説をつけてるんだよ

    富。寛大。荘厳。安全。自由
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    ホップ
    わ け が わ か ら な い よ
    なんか他のクイーンの説明とちがくない??なかこの人だけ単語の羅列なの何??しかもクイーンそのものの説明とこれがどうつながってるのか全然わかんないよ
    むぎ
    そうだよねぇ…。他のカードってざっくり前向きな意味なのか、そうじゃないのかってわかるんだけど、正直ウェイトの説明だけだったらこのカードの本質はちょっとわかりにくい。
    なので、このカードがペンタクルの本質を深く理解したときに起こることって考えて、少し捉え直したほうがいいとおもうんだ
    ホップ
    ペンタクルの本質ねえ…コツコツ財産を作り上げていって、形になるものを作り上げていくイメージだよねぇ?
    うーん、イメージったって、なんか、頑張っててえらいなーってかんじ?
    むぎ
    そう。
    ペンタクルのもたらすものって、自分の心にその源泉があるカップと違って、必ず外の世界にあるものを自分の手で作り上げていくっていう作業がはいるんだ。
    そしてペンタクルの女王は自然豊かな場所にいる。結局ペンタクルがあらわす「収穫」っていうのは人間の力だけでは不可能で、自然がもたらすものを、人間が長い時間手をかけてつくりあげていくものなんだよね。
    ホップ
    なるほどねえ。ぼくたちが毎日あたりまえのようにおうちでご飯たべたり生活したりしてるのも、それまでの人間の努力と叡智の結晶だもんね。
    むぎ
    そうなんだよね。
    だからクイーンは自然にかこまれた状況にいながらペンタクルをじっとみつめたまま深く哲学的思想をめぐらせている。
    自然が与えてくれるものと、人間の努力や知性、それがどちらもあることでペンタクルが寓意する財産や収穫は得られるんだよ。
    クイーンを女王=女帝と考えたら大アルカナの女帝が思い起こされるんだけど、
    実際どのクイーンの中にも女帝的な性格があって、女帝と他のカードの組み合わせで考えるとクイーンのカードの意味って掴みやすいとおもうんだ。
    例えば、カップのクイーンは女帝のもつ愛情と、女教皇の深い精神世界への理解が組み合わさったカードだとおもうとわかりやすい。
    ホップ
    ああ、なるほどねえ。
    それでいうと、ペンタクルのクイーンは何とくみあわせるとわかりやすいの?
    むぎ
    ぼくは魔術師と女帝を組み合わせるといいのかなーと思ってるよ。
    魔術師にとってはすべては彼が万物をつくりだすための道具だけど、そこに女帝の愛情が加わってるとおもうとわかりやすいんじゃないかな。
    ペンタクルのクイーンは、素晴らしい価値を地道に作り上げていく人であるとともに、自分たちが何かを作り出す「材料」である「自然」に対して女帝のような深い愛情や理解がもてる人なんだよ。
    彼女はコツコツと万物をつくりあげていく人であると同時に、世界にもたらされる恩恵に気づき、感謝ができる人でもあるんだよ

    基本的な解釈

    豊かな自然の中で、ペンタクルをじっとみつめる女性が座っています。このカードにウェイトは以下のような解説を加えています。

    暗い表情の女性。哲学的な思考を好む性格で、深い学識を持っている。ペンタクルを凝視し、その中の世界を、見いだそうとするかのようだ。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    「暗い表情」ということで、このカードにはネガティブな意味があるのではないかと予想されますが、このカードの正位置に対してウェイトは以下のような説明を加えています。

    富。寛大。荘厳。安全。自由
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    この一見矛盾するような説明をどのように考えればいいのでしょうか?
    各スートのクイーンは、そのスートが深く理解されたときに起こることを寓意しています。
    収穫・財産を意味するペンタクルの場合はどのようになるのでしょうか?
    そもそも我々にとって収穫・財産とは何なのでしょうか?
    そのヒントになるのが、ハンナ・アーレントの「人間の条件」に書かれた「仕事=WORK」の定義ではないかと思います。
    アーレントはこの本の中で人間の行動を、

    • 労働(labor):人間の肉体の生物学的過程に対する活動力
    • 仕事(work):人間存在の非自然性に対応する活動力
    • 活動(action):物あるいは事柄の介入なしに直接人と人との間で行われる活動力

    の3つに分類しました。laborとは生きるために必要な働きです。食べるためのパンを作る、といった、生存のために必要な「消費財」を作る活動です。actionとは人と人との関わりで生じる行動です。誰かと議論する、争う、絆を結ぶといった人と人との関わりに関する行動です。そして、ペンタクルが寓意する「財産」や「収穫」というのはworkの産物であると言えるのではないでしょうか。workを行う工作人対してアーレントは次のように説明しています。

    <工作人>は支配者であり、主人である。それは、彼がすべての自然の主人であり、またすべての自然の主人として自分を打ち立てられるからである。しかし、そればかりでなく、彼が自分自身と自分の行為の主人であるからである。
    ちくま書房 ハンナ・アーレント「人間の条件」より

    つまりworkとは、「自然」の一部を「破壊」し、そして自らの手によって作り替える行為です。そして人間が死んだあとも、workによる産物は残されていきます。工作人としてのイメージはペンタクルのカードの中でしばしば描かれています。

    タロットの中で「工作人」(=自らのてで何かを作り上げる)のイメージに一番近いのは魔術師のカードですが、彼にとって万物は彼が望む物を作り上げるための「材料」にすぎませんでした。実際、彼は机の上におかれた万物に注意を払っている様子はありません。
    ですが、深い理解をあらわわすペンタクルのクイーンでは、「収穫」「財産」は一人では作ることができず、かならず材料となる「自然からもたらされるものがあること」を理解しており、なおかつ、それに対する深い感謝や思いがあることがこのカードには描かれています。
    このカードは、今ここにあるものを深く理解し、そして感謝をしていくことと、じっくりと時間をかけて取り組んでいくことが他にはない素晴らしい成果をあげることにつながることを寓意しています。

    正位置

    正位置では、これまでの努力が実り、成果が受け取れることを意味します。
    また、新しいものに手を出してそこの利益を広げていくよりも、今自分がもっているもの、自分ができることを深く理解し、それをつみあげていくことが大きな利益をもたらすことも意味します。
    人間関係の場合には、何か新しい魅力や工夫をこらして関係をつくりあげていくよりも、自分の持ち味を理解し、受け止めて生かしていくことで結果が得られることを寓意しています。いずれにせよ、今もっているもの、そして何より自分自身をしっかりと評価して、それに対して手をかけていくことが結果につながることを寓意するカードです。

    逆位置

    逆位置では正位置でのメッセージが過剰や不足ではたらいていると考えます。
    不足の場合には、自分の今もっているものや自分自身に対して過小評価をしてしまっており、その結果、じっくりと物事にとりくめなくなってしまっていることが示唆されています。
    過剰の場合には、今あるものや自分自身が何者であるかということにこだわりすぎてしまって柔軟性を失っていることを寓意します。

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    むぎのタロット講座
    2022年12月17日@神戸・2023年1月21日・22日@東京個展開催

    むぎのタロットの個展を開催します!


    ・神戸会場:2022年12月17日
    ・東京海上:2023年1月21日・22日
    ・新作イラスト、グッズの展示
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    yuki
    小学校の時にタロットに出会って以来、かれこれ20年以上タロットを取り扱っている。多くの人を占うだけではなく、自作のタロットを作るに至る。大学では分子生物学を専攻。趣味はイラストとゲーム作り。本業の傍ら、タロットを自由に楽しむ人が増えればいいなという思いからサイトを作る。