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第38話:小アルカナを学ぼう その13 ナイト

むぎのタロット講座

第38話:小アルカナを学ぼう その13 ナイト

このお話で学べること

各カードのナイトのカードの意味を理解しよう

38 ナイトのカードを学ぼう

むぎのタロットのワンドのナイトです
むぎのタロットのカップのナイトです
むぎのタロットソードのナイト
むぎのタロットのペンタクルのナイトです
ホップ
今回はナイトのカードだね。ナイトのカードはセフィロトの樹ではティファレトに対応してるんだね
セフィロトの樹とコートカード
むぎ
ペイジはそのスートの道に足を踏み入れようとしている学生さんってかんじだけど。ナイトは実際にその道を進んでいってるんだ。
ただ、完全にマスターしてるわけじゃないから、会社に入って2、3年目の仕事のやりかたがわかってきて社員さんってイメージかなっておもうよ。
ホップ
なんか、僕のイメージだと、ナイトってソードのナイトみたいな闘う人のイメージがつよいんだけど、小アルカナのナイトたちは必ずしも戦ってるわけじゃないんだね
むぎ
むしろ、騎士っぽい行動してるのってソードのナイトぐらいだろうね
ペイジーナイトーキングはなんとなく僕は同じベクトルの上にいるっておもったほうがいいのかなっておもうから、ペイジがこのまま道を進めていったら何がおこるかってイメージしてもわかりやすいかもね。

38-1 ナイトのカードの概要

各カードのナイトは、そのスートを実際に進めていく段階でおこることがあらわされています。

むぎのタロットのワンドのナイトです
むぎのタロットのカップのナイトです
むぎのタロットソードのナイト
むぎのタロットのペンタクルのナイトです
ワンドがその道について学びはじめた学生であれば、ソードはそれを実際に実行しはじめた新入社員といったところでしょうか。
彼らはそのスートの道を邁進していますが、まだ道は半ばです。ただ、ペイジと違って実際に実行段階に移しているため、実行段階でおこることに直面している状況でもあります。
そのため、ナイトを理解するためにはペイジやその後のゴールであるキングを見通すことで理解しやすくなるのではないかと思います。

38-2 ワンドのナイト

スート×番号のもつ意味
  • ワンドの意味:活動、アクション、動き、冒険、挑戦
  •   

  • ナイト(ティフェレト:美):各スートを進めて行く過程でおこること
  • むぎのタロットのワンドのナイトです
    ホップ
    この人派手だよねえ
    むぎ
    ワンドは炎を象徴するけど、この人一番炎っぽいなあって僕は思うよ。
    ホップ
    見た目派手な割りには、手にもってるのはなんか、普通の棒なんだけど、この人っていったい何がしたい人なの?
    むぎ
    ちょっとまた、ウェイトの説明をみてみようか

    山もしくはピラミッドを通過中のこの騎士は、短いワンド1本で武装していて鎧も着用していて旅行中のようだが、戦場に向かうという風情ではない。
    馬の姿勢がその騎士の性格を読む鍵であり、むやみと急ぐ気分、またはもしくはそれに関する事柄をあらわす。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    ホップ
    馬の姿勢がその騎士を性格あらわしてて、「急ぐ気分」とかいわれても僕たちにはわからんわけだが
    むぎ
    アーサー・ウェイトは20世紀初めのロンドンの人だから、馬を日常的にみていたし、馬の振る舞いで気分が十分伝わるっておもったんだろうね。
    ただ、21世紀の日本にいる僕たちは解説をみないと、彼がえがきたかった「馬が急いでいる」っていうことはわかりにくいんじゃないかなぁとおもうよ。
    僕これ、最初みたときに落馬しそうになってんのかなって思ったもん。
    ホップ
    てかこの人、旅行中なんだね
    そんなん言われんとわからんしってなっちゃう。
    むぎ
    少なくともワンドは武器ではないみたいだね。
    ここでの旅行っていうのはひょっとしたら翻訳の問題かもしれないなっておもうんだけど、今から直接戦いにいくっていうよりは「新しい土地を開拓していく」途中だって考えるとワンドの特性も含めてしっくりくるかもしれないね。
    ホップ
    あ、プライベートの旅行とはちょっとイメージ違うんだね。
    なるほど。新しい土地をしってワクワクしながら急いでそっちに向かってる感じなんだ
    むぎ
    ワンドは開拓者で征服者だから、「僕が一番最初にそこにいく」ことにも喜びがあるんだとおもうよ。
    ホップ
    あ、だから急いでるのかな?
    そうするとこのカードってどう読んだらいいの?物事のはじまりっていうことだったらワンドのペイジもそうだったよね
    むぎ
    そうだね。始まりっていうイメージはペイジもナイトも共通してるね。でも、ペイジがまだ「実行を想定している」段階だったのに対して、ナイトは実際に行動を移してるってかんがえるとしっくりくるんじゃないかな。
    ペイジはまだ、「新しい場所」に対しての知らせをもたらす段階で、そこに移動ははじめていない。でも、ナイトはもうそこに対して実行を移しているんだ
    ホップ
    あ、まさにペイジの続きってかんじなんだね
    むぎ
    ワンドにかぎらず、ペイジとナイトはストーリーが連続してるって考えるとしっくりくるよ。
    そして、ペイジがそのまま進んだらどうなるか、って考えることでペイジへの理解もナイトへの理解も深まると思うんだ

    基本的な解釈

    短いワンドをもった、派手な服の騎士が騎乗しています。
    馬は勢いよく前足をあげ、どこかにむかっているようです。

    アーサー・ウェイトはこのカードに以下のような説明をつけています。

    山もしくはピラミッドを通過中のこの騎士は、短いワンド1本で武装していて鎧も着用していて旅行中のようだが、戦場に向かうという風情ではない。
    馬の姿勢がその騎士の性格を読む鍵であり、むやみと急ぐ気分、またはもしくはそれに関する事柄をあらわす。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    ナイトのカードはすべて馬にのっていますが、その馬の様子からも各スートのナイトの特徴がみてとれます。ワンドのナイトの馬は急いで動き出している様子をあらわしているようです。
    ペイジはそのスートに踏み出そうとしている状態ですが、ナイトは実行に移している段階です。
    エネルギーの拡大や発露をあらわすワンドの場合、ペイジは新天地への知らせをもたらし、ナイトは実際にその土地にむかって進み出している様子がうかがえます。このカードは物事が勢いよく動き出している状況をあらわしています。

    正位置

    正位置の場合は物事のスタートや積極性を意味します。ペイジでは望む方向にたいする良い知らせがもたらされた形でしたが、ナイトでは望む方向、決めた方向に対して実際に動き出している様子が描かれています。
    このカードがでてきたときは精力的に物事がすすんでいくことや、逆にあなたが積極的に物事を動かしていく必要があることが示唆されています。いずれにせよパワフルな前進が示唆されているカードです。

    逆位置

    逆位置の場合は、正位置で寓意されていたスタートや積極性が過剰や不足にはたらいていると考えます。不足の場合には、物事に対しての消極性や、うまくスタートがきれずもたもたしていることが警告されています。過剰の場合は端的には空回りです。いくら勢いがあったとしても、その力の向きが誤っていたり、うまく使えない状況ではエンストを起こしてしまいます。
    焦る気持ちを抑えて、冷静に自分の進む向きを考えた方がいいと警告してくれています。
    救いとしてこのカードがもたらされる場合には、スタートにはまだ時間があり、準備の時間が与えられていると考えることもできます。

    38-3 カップのナイト

    スート×番号のもつ意味
  • カップの意味:精神、閃きの受容、愛情、喜び、空想、受動性
  •  

  • ナイト(ティフェレト:美):各スートを進めて行く過程でおこること
  • むぎのタロットのカップのナイトです
    ホップ
    この人どうやって、水こぼさないで馬にのったんだろうね
    むぎ
    それな。
    完全に馬が静止しているペンタクルほどじゃないけど、ワンドやソードにくらべたら馬の足並みもゆっくりだし、どことなく佇まいも落ち着いてるよね。
    ウェイトはこのカードに対してこんな風に説明してるよ

    優美で、戦いとは無縁に見える騎士が描かれている。頭に羽根の生えた兜を被り、静かに馬を進める彼は、高度で優美な想像力をあらわす。彼は夢想家でもあるが、思慮分別をもった夢想家である。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」

    ホップ
    なんか、一昔前の少年漫画にいそうな優等生美形キャラ枠みたいな説明されてるね
    むぎ
    ボーボボ人気投票の3位みたいなやつね。
    ホップ
    何に配慮した結果そのたとえになったの?
    でもペイジのときもそうだったけど、カップはやっぱり自分の中の想像やインスピレーションを大切にしてるんだね。
    むぎ
    そうだね。あと、ここでウェイトはわざわざ「羽の生えた兜」って言及してる。羽のはえた兜といえばヘルメスを思い出すけど、ヘルメスは多様なものを司る神様なんだけど、彼が司ってるものはほとんどが知的な活動に集約される。
    そういう意味でも、このカップのナイトは実際的な力や権力というよりも、頭の中に湧き上がるインスピレーションや想像力を司ってることがわかる。
    ウェイトはこのカードの意味の中に「メッセンジャーの到着」っていうのも含めてるけど、まさにヘルメスは神々のメッセンジャーだからね。
    そういうところからもカップのナイトにはヘルメス的性格が反映されてることがわかるね
    ホップ
    んー、でもさ。カップのペイジも自分の内面からのわきあがるインスピレーションだったよね?今度のペイジもそうだったら同じじゃない??
    むぎ
    精神的・知的な活動っていう意味ではね。
    でも、ペイジの段階ではまだまだ構想にすぎなかったものが、ナイトになると、もっとリアリティをともなった設計にかわっていくんだ。
    例えるとしたら、ペイジが商品に対するアイデアがふと浮かんだ段階で、ナイトがその設計をはじめたかんじ。
    ホップ
    あ、だから説明でも「思慮分別をもった夢想家」ってかいてあるんだね
    むぎ
    そういうことなんだよ。
    新しいアイデアは発散と収束のフェーズがある。
    イノベーターと呼ばれる人たちは、まずは実現の可能性を考えないで思うがままにブレストをした後、実現可能性を考えつつアイデアを集約していく。ペイジの段階では実現可能性なんかは考慮しないで思うがままにどんどん考えていったことを、ナイトの段階まですすむと、本当に実現できる形に徐々に落とし込み始めてるイメージだとおもうよ
    ホップ
    なるほどねえ。漫画やアニメも構想があって、そのあと絵コンテとか実際に作っていってお話を確認したあとで最終的につくりあげていくもんね。
    むぎ
    そういうこと。
    このカードがでてきたときは、単なるインスピレーションというよりも、具体的な行動にむけたステップが示されているって考えたらいいんじゃないかなっておもうよ。
    ホップ
    なるほどね。実行フェーズの手前まできてるってことなんだね
    むぎ
    そういうことだね。
    ただし、このカードは手放しで喜べないところもある。アイデア作りの発散と収束でいうとこのカードは収束にあたるんだけど、収束の段階っていうのは時に新しいアイデアが生み出されにくい状況でもある。カップのコートカードには必ず水がえがかれていて、このカードにも描かれているんだけど、ナイトで描かれている水はどのコートカードよりも止まってしまっているんだ。
    ホップ
    あ、本当だね。
    むぎ
    ナイトはあくまで、道の途中なんだ。だから、彼が思い描いている「具体的なプラン」は最終的な完成じゃない。彼は今一つの形に絞り込もうとしてるんだけど、それは最終的なゴールではなく完成のためには、彼はまた発散の時を迎える必要があることもこのカードは告げているんじゃないかなとおもうよ

    基本的な解釈

    洗練された服装の若者が、カップをもって静かに馬をすすめています。
    勢いよく進んでいたワンドとちがって馬もナイト自身もとても落ち着きがあるように見えます。アーサー・ウェイトはこのカードにこのような説明を加えました。

    優美で、戦いとは無縁に見える騎士が描かれている。頭に羽根の生えた兜を被り、静かに馬を進める彼は、高度で優美な想像力をあらわす。彼は夢想家でもあるが、思慮分別をもった夢想家である。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」

    自由に自分のインスピレーションを膨らませていたカップのペイジから、カップのナイトはそのインスピレーションを具体的な一つのアイデアに落とし込んでいこうとしています。
    何か新しいアイデアを生み出すとき、私たちはアイデアの発散と収束を繰り返していくことになります。
    発散の段階で重要なのは実現可能性などは考慮せずにとにかくたくさんアイデアを生み出すことです。ですが、たくさん生み出したアイデアはすべてを採用するわけにはいかないので、どこかで実現可能性やその他様々なことを考慮にいれながら絞り込んでいく収束の段階にシフトします。
    カップのペイジが発散の段階なら、カップのナイトは収束の段階です。そのため、カップのナイトはアイデアが具体的な形でまとまっていく良い面と、可能性が限定されていく、時には望ましくない面の両面が混在することになります。
    コートカードはキングで完成を迎えますが、カップのキングはうねる大波の中にいます。
    むぎのタロットカップのキング
    すばらしいアイデアも、こだわり続けてしまえばすぐに陳腐化してしまいます。真のインスピレーションや考えというのは、実行しながらも柔軟に変更していく必要があるものなのです。水はカップの形におさまっている間は静かにとまっているものです。ナイトはペイジが自由に動かしていた水の流れを固定することを覚えました。しかし、彼が完成にいたるまでには、「動きながら安定している」「変化と安定を両存させる」ことを学んでいく必要があるのです。そのため、このカードはアイデアが具体的な形をとっていくという側面が前面に出ている一方で、ともすればそのアイデアは限定されたものであるということもまた表しています。

    正位置

    アイデアが実際に固まっていくこと、具体的な手段がみえてくることを示唆するカードです。ビジネスで出てきた場合には、具体的な対応策が浮かび、実行の糸口が見えてくるでしょう。人間関係の場合は困っている問題やアプローチしていきたい相手に対して具体的な対応策が見えていくことになります。
    しかしカップのナイトは根本的な最終解決を寓意するカードではありません。
    「今の問題」に対しての具体的なアドバイスや対策は提案されていきますが、最終的なゴールのためには今一度のグレードアップが求められることにもなりそうです。また、恋愛の場合にはロマンチックで理想的な相手との出会いを意味する場合もあります。

    逆位置

    逆位置の場合には正位置でのメッセージが過剰や不足で働いていると考えます。
    不足として働く場合には、構想ややりたいことはあれこれ広がっていくものの、実際の実行手段がみえてこず、実行の糸口がみえてこないことが示唆されます。
    過剰の場合は、焦って妥協点としての解決策を考えてしまっていることへの警告がなされています。
    もちろん、折に触れ、妥協策や落とし所を見つけていく必要はあるでしょう。
    ですが、交渉やプロジェクトのゴールは「落とし所」を見つけることとは限りません。カップのナイトの逆位置は端的な解決策に走ってしまっていないか、「安易に合意する」ことがゴールになってしまっていないか警告をしてくれています。救いをもたらす位置にこのカードが出てくる場合には、思ってもみなかったような意外なアイデアや解決策に気づくことが示唆されている場合もあります。

    38-4 ソードのナイト

    スート×番号のもつ意味
  • ソードの意味:知性、闘争、対立、怒り、感情の乱れ、知性の使用
  •  

  • ナイト(ティフェレト:美):各スートを進めて行く過程でおこること
  • むぎのタロットソードのナイト
    ホップ
    なんか、解説読んでるかぎり、アーサー・ウェイトはソードに対して否定的っぽいけど、ぼく正直、ソードのコートカードのデザイン格好良くてすきだなぁ。
    このソードのナイトも、一番騎士っぽいかんじでかっこいいよね
    むぎ
    そうだよね。持ち物の制約がでる関係で仕方ないのかもしれないけど、正直なところ騎士っぽい振る舞いをしてるナイトのカードってこのソードのナイトぐらいなんだよね。
    ウェイトはこのカードにこんな説明を加えてる

    敵を蹴散らすかのように全力で馬を駆る騎士。4枚のナイトの中ではこのソードのナイトがもっとも物語のヒーローとしての騎士のイメージに近い。彼はおそらくガラハッドであろう。彼の心はあくまで清く、そのため剣は速さと確実さで右に出るものがない。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    ホップ
    あ、ガラハッドなんだ。この人。
    珍しいね。固有名詞でずばっと指定されてるの。
    むぎ
    そうなんだよね。
    ガラハッドについてちょっとだけ説明すると、アーサー王伝説にでてくる騎士で、聖杯をみつけた騎士なんだよね。
    ホップ
    …ちなみに記事をかくためにガラハッドで画像検索したら、ゲームの影響で見事に美少女ばっかりでてきたよ…
    むぎ
    ネロでも同じような現象おきるよね。
    FGOで諸事情で「ガラハッド」単独の英霊がいないからいろんなゲームのガラハッドがひっかかるよね。
    とまぁ脱線はさておき、アーサー王伝説のガラハッドは円卓の騎士の一人でランスロット卿の息子だね。
    様々な試練を乗り越えて聖杯を手に入れて、円卓の騎士の中で「最も汚れのない騎士」と呼ばれてる。
    むぎ
    まぁ、ランスロットの本名もガラハッドだったりするし、ランスロット自身もめちゃくちゃ高潔だから余計ややこしいんだけどね。
    それはさておき、ここに描かれているのがガウェインだとすると、彼はまさにソードっていう感じの性格のところと、ちょっとソードっぽくないところが出てくる
    目的に対して力で打ち勝って行こうとするところはソードっぽいんだけど、ガラハッドはマジで完璧超人な上に、相手を出し抜いたりする振る舞いはしないんだよね。
    それがちょっとソードっぽくない気がする。
    でもだからこそ、ソードのナイトなんじゃないかなっておもうんだ
    ホップ
    どういうこと?
    むぎ
    まとめた通り、ガラハッドは円卓の騎士の中でもっとも高潔な騎士であり、最後は「自ら神のもとにいく」ことを選んで幕引きをする。
    ある意味、彼は「剣で生きる」ことの悲劇を知らずに最後まで生きていけた稀有な存在でもあるんだよ。
    ホップ
    あ、確かに。
    円卓の騎士ってだいたい悲惨な目にあってるけど、ガラハッドってマジで完璧超人だもんね。持ってるアイテムのデメリットも、ガラハッドにはなぜか発動してないし。
    むぎ
    ああ、選定の剣の「最も愛するものが死ぬ」的なやつとか?
    アーサー王伝説を完璧に理解できてるわけじゃないんだけど、ガラハッドって最後は殺されるでも死ぬでもなく、自ら「神のもとにいく」ことを選んでるから、ひょっとしたらそのデメリットが発動する前に逃げ切れてるのかもしれないんだよね
    ホップ
    まぁ。昔のお話だから今の小説みたいにシステマチックにルールが適応されるわけじゃないんだろうけどね
    ホップ
    いずれにせよ、ガラハッドは「剣の華々しい側面」を生きた騎士なんだよ。
    彼の出自には難があるけど、自分の不義を恥じ続けている彼の父親のランスロットと違って、彼自身はその出自をそこまで自分の負の側面だと考えていない。ナイトは各スートの途中段階だってことを考えると、ソードのナイトは、自分の力で運命を切り開いていくことへの喜びは感じているものの、その「戦い」の犠牲や、「戦いを選ぶ」ことそのものが生み出す悲劇にはまだ無自覚なんじゃないかなって思うんだ。

    基本的な解釈

    勢いよく走り出す馬に、剣を掲げた剣士が乗っています。
    アーサー・ウェイトはこのカードに以下のような説明を加えています。

    敵を蹴散らすかのように全力で馬を駆る騎士。4枚のナイトの中ではこのソードのナイトがもっとも物語のヒーローとしての騎士のイメージに近い。彼はおそらくガラハッドであろう。彼の心はあくまで清く、そのため剣は速さと確実さで右に出るものがない。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    ここでウェイトは「ガラハッド」という名前を出しています。ウェイトの解説において、カードに描かれた人物に対して、具体的な固有名詞がかかれることはあまりありません。このカードを理解するために、少しガラハッドについての情報をまとめます。
    ガウェインとは、アーサー王伝説に出てくる円卓の騎士の一人で、湖水の騎士、ランスロットの息子です。
    数々の試練を易々と乗り越えて円卓の騎士のいわくつきの13番目に列席した後、さらに数々の冒険を重ね、ついには聖杯を手にします。円卓の騎士の中でもっとも清廉である騎士といわれています。
    アーサー王伝説の円卓の騎士たちの多くは悲劇的な運命をたどりますが、ガラハッドはその中でも成功を重ね、清廉な生き様を全うします。そんなガラハッドに寓意されているソードのナイトは、自分の意思を形にして、勢いよく、のびのびと自分の道を進んでいきます。ソードは悲劇的な結末をむかえることも多いのですが、(悲劇的な結末をむかえることが多い円卓の騎士たちの中でガラハッドが完璧なヒーローとして進んでいけるように)ソードのナイトはソードの持つ負のの側面を知ることなく突き進んでいきます。
    ナイトは、それぞれのスートの道を歩み出してはいるものの、まだ完成には至らない姿です。彼もまた、ソードの「勝利して前に進んでいく」姿は体現していますが、「必ず敗者と痛みを生み出す」ソードの負の側面にはまだ無自覚な状態なのです。

    正位置

    正位置では目的に対して、勇敢に熱意をもって進んでいくことが示されています。ある意味で戦車とよくにたカードで、このカードが出てきた時には目的にむかって突き進むことが求められています。
    またそのような情熱的な人物との出会いが示唆されている場合もあります。このカードが出てきたときには目標としているものに対して、まさにこのソードのナイトのように勇しくつきすすんでいくことが求められています。

    逆位置

    逆位置では正位置でのメッセージが過剰や不足としてはたらきます。
    不足の場合には、前にすすむ自信のなさが示されています。クリエイティブアボイダンスという言葉があるとおり、人は「気が進まないことに対してできない理由」を探すのが脳科学的にもとても上手な生き物であるようです。ソードの逆位置は、あなたが考えている「できない」理由が「本当はそっちに進むのが怖い」と考えるあなたが生み出した幻想ではないかと警告してくれています。
    過剰の場合はやり口が強引で周囲に敵をつくってしまうことに対する警告です。
    また、向こう見ずに進んだ結果、ダメージを王可能性が示唆されている場合もあるでしょう。
    救いとしてこのカードがもたらされる場合には、過剰に力んで意気込んでいた状態からクールダウンできることを示唆している場合もあります。

    38-5 ペンタクルのナイト

    スート×番号のもつ意味
  • ペンタクルの意味:収穫、完成品。財産。自然が生み出すもの。家族。
  •  

  • ナイト(ティフェレト:美):各スートを進めて行く過程でおこること
  • むぎのタロットのペンタクルのナイトです
    ホップ
    あ、またこの人も金をむっちゃ凝視してるね
    むぎ
    だから言い方よ。
    各スートのペイジとナイトは連続して考えるといいんだけど、ペンタクルのペイジと同じようにペンタクルのナイトも自分の成果物に意識を集中させてるね。
    ホップ
    てか、この人だけ馬が真っ黒で、しかも動かないんだね。
    むぎ
    そう。実はタロットで黒い馬がでてくるのってこのカードだけなんだよね。
    ウェイトはこのカードに対してこんなふうな説明を加えてる

    歩みが遅く、辛抱づよく、重量感のある馬にのった騎士。馬の性質は彼自身の性格の反映でもある。彼はこのスートのシンボルであるペンタクルを手にしているが、その中を覗き込んではいない。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    ホップ
    え?本当何してんの?この人
    ペンタクル見てないって、あんまりペイジと区別つかないんだけど…
    てか、ペンタクルもって止まってる馬にのってるってこと?
    むぎ
    「歩みが遅い」って書いてるから止まってるわけじゃないんだよ。
    このカードはペンタクルが「成果物」を手に入れることを目的としてるカードだって考えるとわかりやすいんだ。
    ペンタクルではしばしば、こういう鍛錬や試行錯誤のカードがでてきたよね
    むぎ
    ペイジでは、成果物に憧れ、没頭する姿がえがかれてた。
    そしてナイトになったら、わざわざ「ペンタクルの中身はみてない」って言及されてる。そしてペンタクルでは成果物を得るためには鍛錬や修練が必要であることが示唆されていた。
    このことから何がわかるかっていうと、成果物を得るためには、鍛錬や修練に時間をかける必要があること、成果がすぐに得られないとしても、やめないでコツコツ積み上げていく必要があること。そんなことを示唆してるんだよ。
    ホップ
    あ、それは結構イメージしやすいかも。
    職人さんとかも長らく下働きしてそれで親方になっていくもんね。
    むぎ
    そんなかんじだね。まさに彼は徒弟の状態なんだとおもうよ。この馬はほぼ止まっているように見えるんだけど、ウェイトは「歩みが遅い」ってわざわざ書いてくれてる。成長っていうのは一朝一夕ですぐに感じられるものじゃないかもしれない。でもその歩みをやめなかったものだけが真の成果を手にすることができるって言ってくれてるんだと思うよ

    基本的な解釈

    黒い馬にのった騎士が、ペンタクルをもってたたずんでいます。ウェイトはこのカードに対してこのような説明を加えています。

    歩みが遅く、辛抱づよく、重量感のある馬にのった騎士。馬の性質は彼自身の性格の反映でもある。彼はこのスートのシンボルであるペンタクルを手にしているが、その中を覗き込んではいない。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    ここでわかるのは、この馬は止まっているのではなく、ゆっくりと進んでいるのだということ。
    そして彼はペンタクルをもってはいるものの、ペンタクルそのものに意識を集中させているのではないということです。
    また、「成果物」や「収穫」を寓意するペンタクルのカードでは、しばしば成果を得るためには「修練」「鍛錬」が必要であることが示唆されていました。
    そのことからも、このカードが成果を得るために修行を重ねている様子が描かれていることがわかります。
    「努力は人を裏切らない」という言葉がありますが、努力の過程ではなかなか成果が目に見えてすすまず(この馬がほぼ止まって見えるように)、また、ゴールが見えにくくなることもあるでしょう(この騎士がペンタクルの中をみていない、といわれているように)。それでも歩みをやめなかったものが、成果を収めるキングになれることがこのペンタクルのナイトでは描かれています。

    正位置

    正位置では、修練・勤勉・忍耐といったこのカードの持つキーワードが中庸にはたらくと考えます。
    このカードが出た場合、状況はすぐにはかわらないかもしれません。また、すぐに結果が望めるわけではなさそうです。ですが、地道な努力を重ねていくことで成果が必ず得られることが示唆されています。「見る鍋は煮えない」という言葉があります。人は毎日成長していくことを望みますが、その成長が目には見えなかったり、時には後ろに下がってしまったように感じることもあるのではないかとおもいます。それでも自分の道を信じてコツコツとつみあげていくことが勝利につながることを、このカードは教えてくれています。
    またこのカードは、勤勉で誠実な人との出会いを寓意している場合もあります。

    逆位置

    逆位置では正位置でのキーワードが過剰や不足として働いていると考えます。
    不足の場合には、地道な努力や勤勉さがたりないこと、怠惰になってしまっていることへの警告がなされます。
    大輪の薔薇がさくためには日々の世話が必要であるように、成果の刈り取りのフェーズと積み上げのフェースがあります。
    腰を据えて積み上げのフェーズに望むようにカードは告げてくれています。
    過剰の場合には努力に対して意識が過剰になってしまっており、ちょっとした失敗で心が折れてしまう脆さが警告されています。
    がんばることはとても重要ですが、精神が消耗するほどいれこんでしまったり、「これが達成できなければおしまいだ」とでもいうような、「過剰なプレッシャー」を感じながらやることは、(本人は心的な負担が大きいため「頑張ってる感」を強く感じることはできるでしょうが)いわばエネルギーの浪費をしながら進むことになるので思ったほどの成果にはつながらない可能性があったり、また、どこかで浅はかな手段に手を染めてしまう可能性があります。
    努力すること、勤勉であることに対して過剰な価値を見出さないようにと警告してくれています。
    また、救いとしてこのカードがもたらされる場合には、コツコツと積み上げていくフェーズから、成果をうけとるフェーズ、実行にうつしていくフェーズへと切り替わっていくことが示唆されている場合もあります。

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    yuki
    小学校の時にタロットに出会って以来、かれこれ20年以上タロットを取り扱っている。多くの人を占うだけではなく、自作のタロットを作るに至る。大学では分子生物学を専攻。趣味はイラストとゲーム作り。本業の傍ら、タロットを自由に楽しむ人が増えればいいなという思いからサイトを作る。