27-3 カップのエース
基本的な解釈
雲から伸びている手が水があふれる盃をもっています。
水のしずくはヨッドの形をしており、鳩は十字架の書かれたホスティア(聖餅)を盃にいれようとしていることから、これが神の祝福を受けた聖杯であることがわかります。
タロットにおいて水は感情や愛情をあらわしており、ホスティアは神からの霊的なはたらきかけを寓意しています。この絵は、神からの霊的な働きを受け取ることによって感情的・愛情面で満たされる様子があらわされています。
聖杯といえばアーサー王に代表されるような聖杯伝説がありますが、聖杯伝説は必ず聖杯に到達できずに終わります。それは、聖杯は「追い求めて」「制服」するものではなく、愛や喜びと同じように、感じて受け取るものだからなのではないでしょうか。
正位置
正位置ではカップのエースのもつ、受容・愛の喜びなどが中庸にはたらいていると解釈します。
世界には自分で勝ち取る喜びもありますが、誰かからの好意を受け取り、そしてそれを喜ぶことができることもとても大きな幸せです。このカードは愛や幸福を受け取ることができることを寓意しています。
また、カップは深い内面の精神もまた寓意します。そのため、受け取ることができるものがインスピレーションを示す場合もあります。愛とは奪うものではなく、感じるもの、受け取るものであることを教えてくれています。
逆位置
逆位置ではカップのエースのもつ、受容・愛の喜びなどが過剰や不足にはたらいていると解釈します。
過剰の場合には受け取りの期待が大きすぎて、今目の前にあるものがみえなくなってしまうことを寓意します。何の期待もなく、ただもたらされるものを受け取るのだといいのですが、過剰に期待をしすぎてしまうと、「なぜこんなものしか受け取れないのか」「私は不幸だ」と勝手な被害妄想に陥ってしまいます。過剰の場合には受け取りに対する期待がつよすぎることが警告されており、自らが行動することがもとめられています。
不足の場合には期待されている喜びやインスピレーションがもたらされないこと、精神面での不満や不足をあらわします
逆位置のこのカードが救いとしてもたらされるときには、愛情の問題でふりまわされていた状況から割り切れて前に進めることを示唆する場合もあります。
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