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第29話:小アルカナを学ぼう その4  3のカード

むぎのタロット講座

タロットの小アルカナのワンドの3・カップの3・ソードの3・ペンタクルの3の意味をまとめました。正位置・逆位置のほか、恋愛、仕事などそれぞれのシュチュエーション別の意味を学ぶこともできます。
(2023/07/04更新)

解説動画

1.各スートの3のカードの特徴

ホップ

今度は3のカードだね。3のカードは明るいカードが多いけど、ソードだけなんだか悲しそうだね

むぎのタロットソードの3です
むぎ

3のカードはそれぞれのカードの本質をあらわしてるんだ
必ず勝者と敗者を生み出してしまうソードには本質的に悲しみがつきまとうってことなんじゃないかな。

ホップ

なるほどねえ。勝ったほうもいつかは負けちゃうかもしれないからソードの道は基本的に悲しいんだね。
そういえば、各カードの1はそのカードの象徴っていったけど、今回の本質とは何が違うの?

むぎ

そうだねえ。1が象徴で3が本質だから、どちらもそのスートの性質がよくあらわれてるけど、3のカードのほうが、より具体的にそのスートの性質が表れてるっていえるかな。

ホップ

あ、たしかに。1のカードは全部謎の手が何かしてるっていう、よく見ないとわからないカードだったけど、今回はどの絵も何をあらわしてるのか、何をしてるのかがわかりやすいもんね。

むぎ

これは僕の持論だけど、各スートが何を表しているのかを理解するためには、1と3のカードをまず見てみるといいんじゃないかなと思うよ

「3」のカードがあらわすもの

小アルカナの各カードはセフィロトの木の各セフィラに対応しています。
3のカードは第3のセフィラである「ビナー」に対応しています。
ビナーは「理解」を表し、3のカードは、それぞれのスートの本質をよく描いたカードになっています。

セフィロトの樹とコートカード


そもそも、ビナーがあらわす「理解」とはここではどういう意味なのでしょうか。
エリファス・レヴィは以下のように説明しています。

完璧な言は、三つ組で成り立っている。聡明な原理、語りかける原理、そして語られる原理、この三つがそろってはじめて完璧な言葉となるからだ。(中略)
神は、この世を創造するにあたって、己自身に対して己自身のことを語りかけたわけである。
これが三つ組のいわれ「三位一体」協議の期限である。
人文書院 エリファス・レヴィ「高等魔術の教理と祭儀」教理篇より

ケテルによって創造され、コクマーによって認識された言は、「三つ組」で完成すると述べており、また、聡明な原理、語りかける原理、語られる原理という3つの原理にがここで出現しています。これはそれぞれどういう意味でしょうか?
ヴァルター・ベンヤミンは旧約聖書での神の創造について以下のように述べています。

自然の創造(『創世記』第1章に拠る)が行われるリズムが存在していて、それは、<在れー神は造られたー神は名付けられた>のリズムである。(中略)創造行為のはじめとおわりにある、この「在れ」と「神は名付けられた」のなかに、そのたびごとに、言語に対する創造行為の深い明確な関係が現れ出る。創造行為は言語の全能の創造力を開始し、最後に言語は創造されたものをいわば自身に同化する、つまりそれを名付ける。したがって、言語は創造するものであり、かつ完成するものである。言語は、言葉にして名なのである。名は言葉であるがゆえに、神のうちにおいて名は創造する力をもち、神の言葉は名であるがゆえに、この言は認識する力をもっている。「神はそれを見て、良しとされた。」と、それはつまり、神がそれを名を通して認識した、ということである。
ちくま学芸文庫 ヴァルター・ベンヤミン「ベンヤミンコレクション1 近代の意味」言語一般および人間の言語について より

ベンヤミンは神の創造について

  • 在れ(=原理の発現)
  • 神は造られた(=原理の認識)
  • 神は名付けられた(=原理の名付け)

という3つのステップを想定しています。そして「言語は創造するものであり、かつ完成するものである。言語は言葉にして名なのである」と述べています。つまり、言語による創造は名付けられることによって完成することを示唆しています。また、ベンヤミンは次のようにも述べています。

人間は神が創造者として発した言語を、まさにその言語こそを認識する者なのである。神はみずからのかたちに、人間を創造した。つまり、神は創造する者のかたちに、認識するものを創造した。それゆえ、人間の精神的本質は言語である。という命題は説明を必要とすることになる。人間の精神的本質とは、創造の媒質となった言葉なのだ。
ちくま学芸文庫 ヴァルター・ベンヤミン「ベンヤミンコレクション1 近代の意味」言語一般および人間の言語について より

聖書の中で、人間は「神の姿似」として神に創造され、そして神の息吹を吹き込まれた存在です。そして人間は神の創造したものに「名付け」をする存在として造られています。ここでもやはり神の創造は、

  • 在れ(=原理の発現)
  • ヒトが認識する(=原理の認識)
  • ヒトが名付ける(=原理の名付け)

という3段階を経て完成すると考えられています。
つまり、レヴィのいっている 「完璧な言は、三つ組で成り立っている。聡明な原理、語りかける原理、そして語られる原理、この三つがそろってはじめて完璧な言葉となるからだ」というのは

  • 聡明な原理(=原理の発現)
  • 語りかける原理(=原理の認識)
  • 語られる原理(=原理の名付け)

というものがそろって根源である言は完璧となるといいかえているのではないでしょうか。
そのため、各スートの3のカードはそのスートが深く理解されたときにおこることが表現されています。

2.各カードの一般的な意味

ホップ

1のカードに比べたら、3のカードはそれぞれの絵柄がわかりやすいけど、でもよくよくみたら何してるかよくわからないカードもあるね。特にワンドとカップは何してんの?

むぎのタロットソードの3です
むぎ

ワンドの3は、これは自分の事業を拡大している事業化の絵だね。
アーサー・ウェイトによると、奥の海にうかんでる船は彼の所有物で積荷を満載して、新たな商売に繰り出してるところみたいだよ。

ホップ

あ、出発を見守ってるんだね。
この人、服はつぎはぎであんまりお金持ちにみえないけど、大商人なんだね。

むぎ

その服がつぎはぎなところもちょっとポイントなんだよね。ワンドの2と比べてもらうとわかりやすいんだけど、ワンドの3の人物は明らかに粗末な服をきてる。でも、ワンドの2に対してアーサー・ウェイトは「旅で倒れるあれくだサンダー大王の憂鬱」ってコメントしてる。
つまり、ワンドにとっては豪華の衣装で身を飾って塀の中にいるより、ボロボロをきて限界のない世界を眺めていたいんだよ。

ホップ

ああ、なるほどねえ。ワンドは無限の拡大を望んでるから、自分の服にと投資するぐらいなら、その分も自分の力を拡大するのに全振りしちゃいたいって感じなんだね。

むぎ

そういうことだね。

ホップ

そうすると、カップの3って何を表す絵なの?パーティやってて楽しそうだなってのはわかるけどカードの意味としてはぱっと見分かりにくいね。

むぎ

カップの3はペンタクルの3と比べるとわかりやすいかもね。
前にホップが各スートの特徴上手にまとめてくれたよね。

ホップ

カップとペンタクルはどっちも受動的だけど、カップはより抽象的で、ペンタクルはより具体的だったよね。

むぎ

そうだね。カップもペンタクルも自分で何かを掴みにいく、というよりは恩恵を受け取るスートだ。だから3のカードではそれぞれの受け取り方が描かれてるんだよ。
ちょっとその観点でもう一度カップとペンタクルの3を見てみようか。

むぎ

恩恵っていうと、ちょっとわかりにくいけど、この2枚の絵、「何に対して喜んでる」ように見える?

ホップ

えーっと、カップの3は「みんなと一緒に喜べること」そのものが嬉しくて、ペンタクルの3は…、うーん、喜んでる塔はちょっと違うかもしれないけど、「作品の出来栄え」に満足してるように見えるね。

むぎ

そうなんだよ。カップでは喜びの中心が「人と喜びを分かち合うことそのもの」に置かれてる。つまりカップの3では「人間関係の喜び」を受け取ることに中心があるんだよね。でも、ペンタクルの3ではカップの3と同じように3人の人がいるのに、お互いはみてなくて成果物である3枚のペンタクルに意識が集中してる。つまり、ペンタクルでは「具体的な成果物」を仕上げることが中心になってくるんだよ。

各スートの3の一般的な意味

各スートの3は各スートが深く理解されたときに起こることが示唆されています。

むぎのタロットソードの3です

各スートの1で、やや抽象的に描かれていた各スートの本質が、3ではより具体的な形となって表れます。
ワンドの3では無限に勢力を拡大していくことを考えるワンドの本質が、積荷が満載の船を見送る野心的な事業家の姿でえがかれています。
カップの3では愛を受け取り、分かち合うことに価値を見出すカップの本質が、庭園で収穫を祝い、喜びを分かち合う乙女たちの姿で描かれています。
ソードの3では、「手段を選ばず相手に打ち勝つ」ソードの道は悲しみの道であり、その進む道には必ず心の痛みが伴うことが描かれています。
そしてペンタクルの3では綿密な計画と、卓越した技術と、長い時間が大きな成果を生み出すことが描かれており、ペンタクルが「形のある成果」を求めるスートであることがよくわかります。
このような形で、各スートの3はそれぞれのスートの本質が具体的な形となって表れています。そのため、各スートの特徴をしっかり理解することが3のカードの理解に直結するとともに、スートの本質の理解に3のカードの絵柄が使える形にもなっています。

エクササイズ1

正位置・逆位置の一般的な意味について、カードの絵をみて考えてみましょう。
いったん、自分の言葉でまとめてみてから次に読み進むことをお勧めします。

考えてみよう

それぞれのカードの意味を類推してみよう!

  • それぞれのスートのカードの正位置はどんな意味だと思いますか?カードの絵やここまでの説明を参考に自分の言葉で考えてみましょう。
  • それぞれのスートのカードの逆位置はどんな意味だと思いますか?カードの絵やここまでの説明を参考に自分の言葉で考えてみましょう。
    逆位置については、過剰・不足それぞれ考えましょう。
  • 逆位置が必ず悪い意味というわけではありません。逆位置のこのカードがいい意味や、アドバイスで出てきた場合どのように読めばいいでしょうか?考えてみましょう

ワンドの3 図柄の解説

広がる海を一人の男が見下ろしています。
海には船が見えますが、アーサーウェイトはその船について「絵の中の船は彼の所有物で、積荷を満載して海を越えていく。」と説明しています。彼はすでに成功しているにもかかわらず、そこからさらに拡大を目指しているのです。
成功者であるにも関わらず、彼の服はつぎはぎで質素なものになっています。これは彼が自分の勢力を拡大することにしか興味がなく、「所有すること」にはあまり興味がないことを表します。
ワンドの本質は力の拡大であり、得たものをさらに投資につかって拡大をしていくことがワンドに特有な動きであることを示唆しているカードです。

キーワード

挑戦・開拓

正位置

正位置ではここまでに得たものをさらに次の冒険へとつかっていく、向上心を示唆しています。現状もっているものに満足するのではなく現状もっているものから、さらに拡大していくことが求められています。人間関係に関することの場合には、関係を発展させていくために、あなたが行動することが求められています。いずれにせよ、わくわくする冒険や成長が示唆されているカードです。

逆位置

逆位置の場合にはワンドの3がもつ挑戦、探求、冒険といったキーワードが過剰や不足にはたらいていると考えます。
過剰にはたらいているときには挑戦や探求が思っている以上に困難なもので、逆境に立たされる可能性があることが示唆されています。不足の場合には、前に進むことに臆病になってしまっていること、あるいは意欲やモチベーションをうしなってしまっていることを示唆しています。

逆位置を不足として読む場合

不足で働く場合には、新しいことにチャレンジする熱意が失われていること、保守的になってしまっていることへの警告がなされています。また、新しいことにチャレンジするのを今は避けたほうがいいと教えてくれている場合もあります。

逆位置を過剰として読む場合

過剰で働く場合には先のことに囚われすぎて今やるべきことが疎かになっていることへの警告がなされています。また、無軌道にやることを広げすぎた結果疲弊してしまう状態をあらわすこともあります。

逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合

今は新しいことにチャレンジするよりも、今やっていることや、これまでやったことに留まる方がいいことを教えてくれています。恋愛などでは新しい出会いを探すよりも、今ある関係性を大切にするほうがいいことを伝えている場合もあります。

カップの3 図柄の解説・一般的な意味

庭園のようなところで3人の女性がお互いの腕をからめながら杯を掲げています。アーサー・ウェイトはこの絵に対して「庭園に3人の乙女がいて、カップを差し上げ、お互いに誓いをのべているような風情である。」と説明しています。
彼女らはその収穫物を傍らにお互いに喜びあっています。ワンドにとっては全ての成果は「拡大」のためにありましたが、カップにとって全ての成果は「愛」のためにあるのです。
人生の喜びは他者の分かち合いにあることを表現しています。これまでの成果が実る風景であるとともに、喜びを周りと共有すること。周囲に愛と感謝をもって接していくことで喜びがさらに大きくなっていくことが示唆されています。 ‎

キーワード

歓楽・協同

正位置

正位置ではこのカードのもつ「喜び」や「分かち合い」が中庸に働いていると解釈します。これまでの成果が実ること、そしてそれを周囲に愛と感謝の形でわかちあうことでその幸せがより大きくなることを示唆しています。

逆位置

逆位置ではこのカードのもつ「喜び」や「分かち合い」が過剰や不足にはたらいていると解釈します。
過剰の場合には享楽に溺れてしまっていることを示唆します。不足の場合には、喜びや幸せの喪失、関係や友情の破綻を示唆します。

逆位置を不足として読む場合

不足で働く場合は関係性の問題を表します。人と人とのつながりに問題があったり、周囲への感謝を忘れてしまっていたり、利己的になって周囲への分かち合いを忘れてしまったりといった、周囲との関係に対しての問題を表すカードです。

逆位置を過剰として読む場合

過剰で働く場合には一時的な享楽に溺れてしまったり、人間関係の喜びに返って囚われてしまうことをあらわします。仕事でもプライベートでも人間関係や、享楽の優先順位が上がりすぎて大切なことに身が入っていない状況をあらわします

逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合

カップの3の逆位置がいい意味やアドバイスとして出てくる場合には、今は人間関係や娯楽の優先順位を下げた方がいいことを教えてくれています。華々しく見える成功者も地味な仕事や努力に打ち込む瞬間はあります。刹那的・享楽的になっていないか警告されています。

ソードの3 図柄の解説・一般的な意味

3本の剣が心臓を貫いていて、背景には雲がたちこめ、雨がふっています。
黄金の夜明け団はこのカードに「悲しみ」とタイトルをつけています。なぜソードではこのような悲しみが表現されているのでしょうか?
叡智で勝ち取る勝利を寓意するソードは、必ず敗者を生み出します。痛みのない勝利などなく、仮に自分が勝ったとしても、それが永遠につづくわけではありません。
「戦い」を選んでしまった時点で無限の戦いの連鎖、悲しみを生み出す連鎖にまきこまれてしまうのです。そのため、ソードの3は他のどのカードよりもシンプルに悲しみ、悲痛さを表しています。 ‎

キーワード

悲嘆・失意

正位置

正位置の場合は、ソードの3が寓意する悲しみや心の痛みをそのまま解釈します。
このカードが出てきた時に私たちができることはその悲しみを受け取り、自分の気持ちを感じきって昇華することだけです。このカードそのものは悲しみや心の痛みをあらわしますが、その痛みを自分の中で受け止めて、感じきることを求められているカードでもあります。

逆位置

逆位置では、ソードの3が寓意する悲しみや心の痛みが過剰や不足にはたらいていると解釈します。
ウェイトはこのカードの逆位置に対して「疎外感。失敗。損失。乱心。混乱」という共通点がつかみにくい注釈をつけています。これは、悲しみや痛みに向き合うことがなければ真の自分との対話がなされず(疎外感)、また失敗を繰り返してしまったり悲しみや痛みに向き合っていないがために根本的な原因に気づかず、ただただ心が乱れてしまうことが示唆されているのかもしれません。救いとしてこのカードがもたらされる場合には、悲しみや痛みからの脱出を示唆している場合もあります。

逆位置を不足として読む場合

不足で働く場合には、悲しみからの解放、癒しがもたらされることを表します。また、悲しみに蓋をしてしまってしっかりその悲しみに向き合えていないことを表す場合もあります。

逆位置を過剰として読む場合

過剰で働く場合には、精神的なダメージに過剰に反応しており、問題を現実以上に大きく見てしまっていることへの警告がなされています。生きていたらどうしても悲しいこと、ショッキングなことは起きます。ただ、それに対してどう受け止めて行動するかは自分で選ぶことができるのです

逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合

悲しみやつらさを手放すタイミングがきていることを教えてくれています。辛いこと、悲しいことが起こるのは避けられないかもしれません。ですが、生きていく間にそのつらさや悲しみを癒して手放すことはできます。あなたを意識的・無意識的に苦しめていた悲しみや葛藤から解放されるタイミングがきていることを教えてくれています

ペンタクルの3 図柄の解説・一般的な意味

彫刻家が修道院でペンタクル型の装飾をつくっています。アーサー・ウェイトはこのペンタクルの3に対して「この図柄と「ペンタクルの8」を比較対象してほしい。そこでは徒弟であった者が、今や専門家になっている。」とのべています。
レイチェル・ポラックは、ここで描かれている3名の人物はそれぞれ、『形にしたいという熱い情熱(=設計士=火=ワンド)』『熱意を理解し、受け止め、支援する(=修道士=水=カップ)』『叡智をつくして作り上げる(=彫刻家=空気=ソード)』が組み合わさることで、収穫(=ペンタクル型の装飾=地=ペンタクル)が手に入ることを表していると解釈しました。このカードはそれまでの努力の成果が実り、収穫や名声がえられることを寓意しています ‎

キーワード

研鑽・構築

正位置

正位置では、これまでの努力の成果が実り、十分な成果や栄誉がえられることを寓意します。また、物質的な成功だけではなく栄光や権威といった人々の尊敬につながるものも得られることが示唆されています

逆位置

逆位置の場合は、正位置で寓意されていた努力の成果が実り、栄誉や成果が得られることが過剰や不足ではたらくと解釈します。過剰の場合には、成果や栄誉にこだわりすぎるあまり、足下がおろそかになっていること示唆されています。不足の場合には得られる成果が凡庸であることが示唆されます。

逆位置を不足として読む場合

思ったような成果が得られない、これまでの努力に対してえられるものが少ないことを表します。全く成果が得られないわけではないのですが、期待はずれなことをあらわします。また、今はまだ収穫の時期ではないことを表す場合もあります。

逆位置を過剰として読む場合

成功にこだわりすぎて、かえって大切なものを見失ってしまうことに対する警告です。成功を収めることは誰にとっても幸せなことですが、手段を選ばずに動いてしまったり、「成功しなければダメだ」と追い込んでしまっては本末転倒です。過程そのものも楽しむことが大切だと教えてくれている場合もあります。

逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合

今はまだ成果が得られる状態ではないこと、重ねての研鑽が必要なこと、やりかたや努力する項目の見直しをしたほうがいいことなどが警告されています。また、成果だけでなくその過程も楽しむことでより豊かな実りが得られることを教えてくれている場合もあります。

3.各カードの状況別の意味

ホップ

3のカードはそれぞれのスートの特徴がよく出てるのはわかったよ。でもだからこそ、状況によっては読みにくいカードがあるんじゃないかな?

むぎ

どういうこと?

ホップ

例えば、カップの3って人間関係については読みやすそうだけど、お仕事のことで出てきちゃうと読みにくそうだし、逆にワンドの3やペンタくるの3はお仕事だと読みやすそうだけどプライベートだと読みにくそうな気がするなあ

むぎ

モチーフとしては、それぞれ関係性だったり成果だったりにフォーカスしてるからそう感じるかもしれないね。
だけど、モチーフにとらわれずに何をやっているのか、にシンプルにフォーカスしたら読みやすいきがするよ。
例えば、カップの3は喜びを分かち合っているシーンだと思うけど、仕事だって関わってくれる人たちがいるわけだから仕事上での人間関係や同僚・取引先との関係って読んだら理解できそうだよね。

ホップ

あ、なるほどね。ペンタクルの3も職人さんが頑張ってつくった!みたいな解釈しちゃうとしんどいけど、「これまで頑張ってきたことが完成しようとしてる」って解釈したら人間関係でも適応できそうだね。

エクササイズ2:恋愛・仕事などそれぞれの状況ごとの意味をまとめてみよう

カードの仕事・恋愛・家庭生活など状況ごとの意味をそれぞれのカードの絵をみながら考えてみましょう。
いったん、自分の言葉でまとめてみてから次に読み進むことをお勧めします。

考えてみよう
  • それぞれのカードが仕事に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
  • それぞれのカードが恋愛に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
  • それぞれのカードが結婚生活・家庭に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう

ワンドの3の状況別の意味

ワンドの3の仕事での意味

正位置

  • 事業を拡大していける。仕事の規模を成長させていける
  • 新しい分野・顧客の開拓
  • 今は拡大のとき

逆位置

逆位置を不足として読む場合
  • 新しいことにチャレンジできない
  • 事業を拡大すべきタイミングではない
  • 行き詰まり、手詰まりを感じている
逆位置を過剰として読む場合
  • 事業を広げすぎて人手がたりていない
  • 拡大すること、先のことばかり考えて足元が疎かになっている
  • 仕事の取捨選択ができていない
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
  • 今は新規拡大よりも手元の仕事を堅実にこなすべき
  • あまりなんでも手を伸ばしすぎないようにする
  • 新事業の開始よりもすでにやっていることの見直しを優先すべき

ワンドの3の恋愛での意味

正位置

  • 新しい恋愛をスタートさせるとき
  • 関係性を順調に発展させていける
  • これから大いに発展していける展望がみえる

逆位置

逆位置を不足として読む場合
  • 新しい相手を探すタイミングではない
  • 出会いに恵まれない
  • 発展させるには時間がかかる
逆位置を過剰として読む場合
  • 新しい出会いを探しすぎて絞り込めていない
  • 多くの相手に目を向けすぎて一人一人に向き合うことができていない
  • 出会いのコミュニティを増やしすぎている
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
  • 今は新しい相手に向かうより、今すでにいる相手を大切にしたほうがいい
  • 新しい出会いよりも、今の自分の思いを優先させる
  • 今は積極的に出会いを探すタイミングではない

ワンドの3の家庭・結婚での意味

正位置

  • 明るく、希望に満ちた結婚生活へとすすんでいける
  • お互いの夢ややりたいことの実現に貢献できる家族関係
  • 将来のことを前向きに考えることができる状況

逆位置

逆位置を不足として読む場合
  • 前途に不安がある結婚生活
  • 家族の存在が自己実現の妨げになってしまっている
  • 将来の明るい展望を持つことが難しい状況の家族
逆位置を過剰として読む場合
  • 先のことに目がいきすぎて、今現在のことが疎かになっている
  • お互いへの期待が大きすぎる結婚・家庭生活
  • お互いの自己実現によって家族の生活が犠牲になっている
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
  • 今は結婚への話をすすめるよりも、今抱えている問題に丁寧に向き合う
  • 家族がゆっくりできる時間を大切に
  • ありのままのお互いの存在を改めて尊重すべき

カップの3の状況別の意味

カップの3の仕事での意味

正位置

  • 同僚、取引先などと良好な関係をつくっていける
  • 成果や喜びを分かち合うことで、より大きな価値を生み出すことができる
  • 周囲の協力が得られて順調に物事がすすむ

逆位置

逆位置を不足として読む場合
  • 成果はでているが同僚、取引先とうまく関係性をつくれていない
  • お互いへの感謝の気持ちがたりない
  • 周囲の協力や信頼が不足している
逆位置を過剰として読む場合
  • お互いの顔色を伺いすぎてビジネスライクになれていない
  • ビジネス上の利益よりも、社内の人間関係を優先してしまっている
  • 取引先に気を使いすぎて、利益を損ねてしまっている
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
  • 関係性に気をつかいすぎるよりも、合理的・ビジネスライクな思考を今は優先させる
  • お互いに気を使いすぎないことが大切
  • 相手からどう思われるかを気にしすぎない

カップの3の恋愛での意味

正位置

  • 楽しい時間を過ごすことができる幸せな恋愛
  • 恋愛感情だけでなく、友情や信頼関係も育んでいける
  • 友人・家族ぐるみのにぎやかな関係

逆位置

逆位置を不足として読む場合
  • 楽しみや喜びに欠ける関係性
  • お互いのことしか見えなくなってしまっている
  • 恋愛そのものを楽しむことができなくなってしまっている
逆位置を過剰として読む場合
  • 友達として仲良くなりすぎて、恋愛対象として意識しにくい
  • 享楽的になりすぎており、お互いの本当の気持ちがさぐれない
  • 周囲や友人の目を気にしすぎて関係がすすめにくい
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
  • 周囲や人の目を気にせず、自分に素直に行動する
  • 恋愛的なムードを出すことを恥ずかしがらない
  • 人と仲良くなっていくことそのものを無邪気に楽しむ

カップの3の家庭・結婚での意味

正位置

  • 周囲に祝福される幸せな結婚に向かっていける
  • 喜びや笑いの絶えない幸せな家庭生活
  • 喜びや楽しみを分かち合うことで家族の絆が深まる

逆位置

逆位置を不足として読む場合
  • 周囲からの理解・祝福が感じにくい結婚生活
  • 家族の喜びを分かち合う体験が不足している
  • 幸せや喜びを感じる余裕がなくなってしまっている
逆位置を過剰として読む場合
  • 周囲からの目や評価を気にしすぎて結婚に向かいにくくなっている
  • 享楽的になってしまっており、堅実な家庭生活がおくれていない
  • 問題を先送りにしてしまっている
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
  • 今は一時の喜びよりも、問題の本質や悲しみにしっかりと向き合うべき
  • 周囲からの祝福よりも自分たちの気持ちに気持ちを向き合う
  • お互いに向き合うことの恐怖から問題を先送りにしない

ソードの3の状況別の意味

ソードの3の仕事での意味

正位置

  • ビジネスにおける大きな悲しみ・痛み
  • 仕事そのものの失敗というよりも、それに伴う人間関係や信頼を失うことへの痛み
  • 失敗や痛みに向き合うタイミングがきている

逆位置

逆位置を不足として読む場合
  • 手痛い失敗やダメージから回復することができる
  • 過去に失った信頼を回復することができる
  • 過去の失敗や痛みの経験にしっかりと向き合う必要がある
逆位置を過剰として読む場合
  • 小さな失敗に過剰反応しすぎている
  • 失敗すること、あるいは過去の失敗に対してナーバスになりすぎている
  • 痛みを恐れすぎることそのものが停滞を招いている
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
  • 失敗やトラブルから学んだことをどう生かすか考える
  • 過去の失敗や絶望に十分向き合うことが大切
  • 失敗やトラブルに過剰反応しすぎないようにする

ソードの3の恋愛での意味

正位置

  • うまくいかない恋愛への悲しみ
  • 痛みを伴う失恋
  • 過去にうけた恋愛上の悲しみから大きな影響をうけている

逆位置

逆位置を不足として読む場合
  • 失恋の痛みや苦しみから解放される
  • 過去の恋愛のトラウマを乗り越えることができる
  • 過去の悲しみや痛みにしっかりと向き合うべき
逆位置を過剰として読む場合
  • 失恋や悲しみを恐れて行動することができない
  • 過去の恋愛の痛みを引きずりすぎている
  • 過去の経験から自己評価や自己肯定感が下がりすぎている状況
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
  • 恋愛に関する過去の痛みから癒やされ、解放される時が来ている
  • 自分の痛みにしっかりと向き合い、癒すことが求められている
  • 過去の経験を引きずりすぎないようにすることが大切

ソードの3の家庭・結婚での意味

正位置

  • 結婚の話がまとまらない。破談の危険性。
  • 家族にもたらされる大きな悲しみ
  • お互いがわかりあうことができない悲しみ・痛み

逆位置

逆位置を不足として読む場合
  • 破談の危険性を乗り越えてゴールインできる
  • 過去の痛みや苦しみから家族が解放されていく
  • お互いの良くない点・絶え難い痛みから目を背けずに向き合うことが問題解決につながる
逆位置を過剰として読む場合
  • 小さな問題や悲しみに動揺しすぎて結婚にふみきれていない
  • 過去の出来事や痛みを過大評価しすぎない
  • 憎むこと、悲しむことで過去にとらわれてしまっている
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
  • 家族・結婚の進行を妨げていた悲しみ・痛みから解放される
  • 悲しみ・痛みに恐れずに向き合うことで家族の絆が深まる
  • 過去におこったこと、痛み・悲しみに囚われすぎないことが大切

ペンタクルの3の状況別の意味

ペンタクルの3の仕事での意味

正位置

  • コツコツ積み上げてきた成果を受け取ることができる
  • 望んだ形での完全な成果が得られる
  • その分野において一目置かれる存在となる

逆位置

逆位置を不足として読む場合
  • スキルが不足しており、仕事をうまく進めることができない
  • 計画・見通しが甘く完成させることができない
  • 経験不足・スキル不足が問題視されている
逆位置を過剰として読む場合
  • これまでの積み上げが、かえって新しい発想が生まれることを阻害している
  • 過去の功績がかえって足枷になっている
  • 当初の計画に頑なにこだわりすぎている
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
  • プロジェクトの実行に欠けているスキルを積み上げる必要がある
  • 過去の功績にとらわれずにゼロベースで考える
  • 計画の見直しが求められている

ペンタクルの3の恋愛での意味

正位置

  • これまでの努力が報われて思いを実らせることができる
  • 順調に恋愛を発展させていって、成果をうけとることができる
  • 完全な形で望みを叶えることができる

逆位置

逆位置を不足として読む場合
  • 未だ成果を受け取ることができない恋愛
  • 相手にとって今一つ魅力的にみえていない
  • 十分な信頼関係を築くことができていない
逆位置を過剰として読む場合
  • 慎重になりすぎている恋愛
  • これまでの経験やとりくみがかえって足枷になっている
  • あなたの中の恋愛の「ルール」が進行を妨げている
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
  • これまでのことにとらわれず、自由なアプローチを。
  • 恋愛関係に進める前にお互いの信頼を大切にする
  • 恋愛や相手に対する思い込みにとらわれすぎない

ペンタクルの3の家庭・結婚での意味

正位置

  • 堅実に結婚への道を歩み、幸せな結婚をすることができる
  • 理想の家族に対してお互いが努力をすることができる
  • 硬い信頼と愛情で結びついた家族

逆位置

逆位置を不足として読む場合
  • 幸せな結婚のための具体的な準備が不足している
  • 将来に向けての備えが十分ではない家族
  • お互いへの信頼やリスペクトが不足している家族
逆位置を過剰として読む場合
  • 万全な体制へのこだわりがかえって結婚の成就を妨げてしまっている
  • 将来への備えを緻密に組み上げすぎてしまっていることがお互いの窮屈さにつながってしまっている
  • これまでの成功や幸せが、かえって家族の形が成長していくことの妨げになっている
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
  • 完璧を求めるよりも、自分たちのタイミングを優先して結婚をすすめる
  • 将来のことを考えすぎるよりも、今の喜びを大切にする
  • これまでの成功や経験にこだわりすぎずに柔軟な判断を

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