タロットの小アルカナのワンドのエース・カップのエース・ソードのエース・ペンタクルのエースの意味をまとめました。正位置・逆位置のほか、恋愛、仕事などそれぞれのシュチュエーション別の意味を学ぶこともできます。
(2023/04/05更新)
解説動画
1.各スートの1のカードの特徴
さていよいよ小アルカナもスタートだね。
小アルカナは、番号の持ってる意味とスートの意味を合わせて考えるといいんだよね。
そうだね。1のカードはそのスートの基本的な性質をあらわしているよ。
あとは、ウェイト版タロットの場合は小アルカナにもすべて挿絵がついてるからカードの絵もヒントになるね
っていっても、1のカードは全部同じようなカードで絵だけだったらよくわかんないよ?
そうだね。確かにどのカードも雲からでてきたよくわからない手がそれぞれのスートのモチーフをもってるだけのよくわからない絵だね。
でもね、このシンプルな絵の中にもとてもたくさん情報がふくまれてる。
例えば手の形に注目してみてほしい
手の形?
うーん…ワンドとソードは棒だから握ってるけどカップとペンタクルは支えるような形になってるね。
そうなんだ。自ら何かを獲得していく、発していく、そんな能動的な性質をもっているワンドやソードはつかむような手の形をしてる。でもそれに対して、受け取る性質の強い受動的なペンタクルやカップは受け取る手の形をしているんだ。
なるほどね。それぞれのスートの特徴が手の形にも現れてるんだね。
「1」のカードがあらわすもの
小アルカナの各カードはセフィロトの木の各セフィラに対応しています。
1のカードは第1のセフィラである「ケテル」に対応しています。
1のカードは、各スートの最も基本的な性質をあらわします。
ケテルは全知全能の神に対応しています。宇宙のすべてであり、すべての「存在」のスタートであるものを表しています。
「1」という数字に対してエリファス・レヴィは以下のように語っています。
初めてとはなにか?言葉の基礎であり、言語の存在理由である。言語の本質は原理の中にある。すなわち原理とは存在するところのものでり、知能とは言葉となって現れる原理である。
人文書院 エリファス・レヴィ「高等魔術の教理と祭儀」より
知能の発する光とは何か?言葉である。啓示とはなにか?言葉である。存在が原理で、言葉が手段、そして存在の充実、或いは発展・達成、それが目標である。すなわち話すことは、創り出すことである。(中略)
啓示とは「言」である。けだし、言、すなわち言葉は、存在の衣であり、生命の特徴的しるしである。すべての形態は「言」の覆いである。なぜなら「言」という母観念が諸々の形態を産み出す唯一の存在動機であるからだ。すべての形姿は一つの性格であり、すべての性格は一つの「言」に属し、「言」に帰する。
エリファス・レヴィは「初めて(1)とは、言葉の基礎であり、言語の存在理由である」と述べています。これは聖書の「ヨハネによる福音書」の冒頭の「はじめに言葉ありき」にもつながります。「ヨハネによる福音書」はギリシャ語で書かれており、「はじめに言葉ありき」の一説は元の言語では以下のように記述されます。
Ἐν ἀρχῇ ἦν ὁ Λόγος, καὶ ὁ Λόγος ἦν πρὸς τὸν Θεόν, καὶ Θεὸς ἦν ὁ Λόγος.
「ヨハネに夜福音書」より
ここでの、「はじめに」とは「ἀρχῇ」=アルケーを。「言葉」とは「Λόγος,」=ロゴスをさします。アルケーとは、「万物の根源」を表すものであり、ロゴスとは、(日本語、英語といった言語であったり特定の言葉をさすというよりは)「論理で表すことができる概念そのもの」を表します。
そのため、「はじめに言葉ありき」というこの文章は「万物の根源は論理で表されることができる概念が誕生することにあった」と言い換えることができるのかなと思います。
つまり、ここでの1=ケテルは、「論理的に表すことができる概念の誕生」ということができるのかなと思います。
2.各カードの一般的な意味
なるほどねえ。それぞれの1のカードはそれぞれのスートの特徴がしっかりあらわれてくるんだね。
そうだね。だから、1のカードをみたらそのスーとの性質がよくわかるし、逆にそのスートの性質がよくわかっていれば1のカードは理解されやすくなるとおもうよ。1つ前の記事でも、各スートの特徴を話したけど、ちょっと改めて絵柄から性質を眺めてみようか。
ワンド・ソードは掴み取る手の形をしてるから、積極的で
カップ・ペンタクルは受け取る手の形をしているから能動的だって話をしたよね。じゃあそれぞれ何を掴んでいたり、受け取ってたりするの?
えーっと…ワンドは葉っぱがいっぱい生えた枝を掴んでて、ソードは掴んでるのはソードなんだけど、てっぺんに冠が刺さってるね。
そうだね。ワンドはエネルギーがみなぎっている枝そのものを掴むことが目的で、ソードは剣で勝利の栄冠を掴むことが目的なんだ。
なるほど。ソードは「勝利」っていう目的のためにソードを掴んでるけど、ワンドはただただ「ワンドそのもの」が目的なんだね。
そうなるね。カップとペンタクルはどんな感じ?
えーっと、カップは水そのものじゃなくて水が注がれてる器を持ってるけど、ペンタクルはペンタクルそのものを持ってるね。あと、ペンタクルはカップや他のカードみたいに、キラキラ降ってくるものがないね。
そうなんだ。ペンタクルでは受け取っているものは「直接触れる、形のあるもの」なんだけど、カップは最初から手にもっている「器」に間接的に水が注がれてる。そして、ペンタクルには他のカードでみられた、神のパワーを表すヨッドがない。つまり、「自分の力でつくりあげていくことができるもの」を恩恵として受け取ってるってことなんだ。
ああ、なるほどね。ペンタクルが受け取るのは具体的な成果物で、カップが受け取るのは形のない精神的な恩恵なんだね。そうすると、
・積極的ー受動的
・具体的ー抽象的 の2つの軸でそれぞれのカードやスートをこんな感じで分類できる気がするな。
いいね!すごくわかりやすいね。
そうなんだ。一見抽象的なエースのカードも「番号とスートの組み合わせ」と「カードの絵」を関連しながらみていくことで理解ができるようになるんだよ。
各スートの1の一般的な意味
4枚の1のカードは、どのカードもちょっと抽象的でイメージが湧きにくいのではないかと思います。
これらのカードを「4つのスートの概念を説明した絵」だと捉えると少しイメージしやすくなるのではないかと思います。
抽象的でわかりにくい絵ですが、よく見てみると4つのカードに描かれている手の形は
・ワンド、ソード=掴み取る手(=能動的な動き)
・カップ、ペンタクル=受け取る手(=受動的な動き)
をしています。このことから、ワンド・ソードは「積極的に何かを獲得する働き」を表しているのに対して、カップ・ペンタクルは「受動的に何かを受け取る働き」を表していることがわかります。
「積極的に獲得する」ワンド・ソードを比べてみます。ワンドの絵をみると、木の枝からは青々とした葉が実っており、ワンドそのものが持っている「エネルギー、勢い」を手に入れることが目的であるのに対して、ソードの絵では剣は王冠を貫いており、ソードは手段に過ぎず、手に入れたいものは「勝利の栄光」であることがわかります。どちらもパワフルなスートではあるのですが、ワンドがパワーそのものを目的としているのに対して、ソードはあくまで勝利のための手段としてソードを使っていることがわかります。
また、「受動的に受け取る」カップとペンタクルについても、ペンタクルは直接ペンタクルを持っていることから、受け取るものが「はっきりとした形で見える成果物」であることを表しています。それに対してカップでは「水」そのものは受け取ることができず、「聖杯」に「水」が注がれることで間接的に恩恵を受け取ることができています。このことから、カップで受け取るものは「具体的な成果物」ではなく「精神的な恩恵」であることがわかります。
小アルカナはウェイと版タロットではじめて全てのカードに絵柄がつきました。
絵柄だけ見ても意味は類推できると思うのですが、「スートと番号の組み合わせの考え方」とカードの絵柄を組み合わせて考えることで、より意味が理解しやすくなります。
エクササイズ1
正位置・逆位置の一般的な意味について、カードの絵をみて考えてみましょう。
いったん、自分の言葉でまとめてみてから次に読み進むことをお勧めします。
それぞれのカードの意味を類推してみよう!
- それぞれのスートのカードの正位置はどんな意味だと思いますか?カードの絵やここまでの説明を参考に自分の言葉で考えてみましょう。
- それぞれのスートのカードの逆位置はどんな意味だと思いますか?カードの絵やここまでの説明を参考に自分の言葉で考えてみましょう。
逆位置については、過剰・不足それぞれ考えましょう。 - 逆位置が必ず悪い意味というわけではありません。逆位置のこのカードがいい意味や、アドバイスで出てきた場合どのように読めばいいでしょうか?考えてみましょう
ワンドの1 図柄の解説
緑の葉がついた天にむかうような まっすぐな枝はワンドのエネルギー を象徴しています。幸先のいいス タートや、行動力にみちあふれた状 態になることを暗示しています。
また、枝から落ちている葉は神の炎をあらわす「ヨッド」の形をしており、全ての物事の始まりは、神から降り注いだエネルギーがスタートであることをあらわしています。
雲から伸びた手はワンドを掴むような形になっています。これはワンドが能動的なエネルギーに満ちており、自らのエネルギーを拡大していくことをテーマにしていることを表しています。幸先の良いスタート、エネルギーの拡大などを表すカードです。
キーワード
開始・活動
正位置
正位置ではエネルギーの高まり、物事のスタートが中庸にはたらいていると解釈します。
いいスタートがきれること、モチベーションがあがっていくこと、エネルギーが満ちていくことをさします。生命の誕生の瞬間のような、ゼロから1が生まれてくる瞬間のエネルギーの発露を表すカードです。
逆位置
逆位置では、ワンドのエースのもつエネルギーの高まりや始まりのエネルギーが過剰や不足に働いていると考えます。ワンドのエースは宇宙のビッグバンのような全てのスタートを表すカードであり、エネルギーの発露を表すカードです。物事の始まりにおいてもそのエネルギーは「中庸」に働くことはとても大切です。大きすぎるエネルギーは制御不可能な混乱を招きますが、エネルギーが不足している場合には物事をスタートすることはできません。何れにせよ発露するエネルギーに何らかの量的異常が現れることを逆位置では表しています。
逆位置を不足として読む場合
モチベーションの低下、エネルギー不足、陰りの見える喜びなど、全体的にエネルギーが不足している状態を表します。出鼻がくじ枯れることを示すとともに、いい活動のために充電が必要であることを表す場合もあります。
逆位置を過剰として読む場合
空回りする自らのエネルギーや、意欲だけからまわりして置き場がなくなっている状況や、多すぎるエネルギーが自己破壊につながることをあらわします。物事に入れ込みすぎていて破壊的な結果を招くことをあらわすカードです。
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
はやっていた気持ちが落ち着きを取り戻すことができる、いい意味で肩の力がぬけてゆっくりと物事を進めることができる、準備に十分力をつかえることなどをあらわす場合もあります。
カップの1 図柄の解説・一般的な意味
ハトと聖餅がえがかれているこの 杯は「聖杯」を表しています。愛、 喜び、優れたインスピレーションな どを受け取ることを示唆するカード です。ワンドのエースがエネルギーの発露を表すのに対して、カップのエースはそのエネルギーを受け止め、愛として世界、そして自らの中に取り込む様子を示していますカップを支える手は「受け取る」形をしています。これはカップが自らエネルギーを作り出すのではなく、注がれた愛・インスピレーションを「受け取る」受動的な性質があることをあらわします。火が放っておくとやがて消えてしまうように、ワンドで放出されたエネルギーはそのままでは形をもちません。カップに受け取られることによって、ワンドのエネルギーは愛やインスピレーションとして形をなすことになります。
キーワード
愛情・恩寵
正位置
正位置ではカップのエースのもつ、受容・愛の喜びなどが中庸にはたらいていると解釈します。愛や幸福を受け取ることができることを寓意しています。また、受け取ることができるものがインスピレーションを示す場合もあります。いずれにせよ精神的な喜びを「受け取る」ことを意味するカードです。
逆位置
逆位置ではカップのエースのもつ、受容・愛の喜びなどが過剰や不足にはたらいていると解釈します。過剰の場合には受け取りの期待が大きすぎて、今目の前にあるものがみえなくなってしまうことを寓意します。
不足の場合には期待されている喜びやインスピレーションがもたらされないこと、精神面での不満や不足をあらわします
逆位置を不足として読む場合
愛情や精神面での不満や、望んだ愛情を受け取ることができない状況を表します。実際に恵まれない状況のこともあれば、自分自身が身の回りにある愛情に気づくことができないことをあらわす場合もあります。また、考えても考えてもいいアイデアが浮かばない状況を表す場合もあります。
逆位置を過剰として読む場合
適切な愛情を受け取ることができていないことや、愛情が重すぎるが故の破壊や崩壊を表します。また、アイデアは無数に浮かんでくるものの、現実的な実行先に絞り込むことができない状況をあらわす場合もあります。
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
受け身の状況を脱することができること、自分自身で動き出すことができる状態になることをあらわす場合もあります。また、相手からの愛を欲するだけでなく、自ら与えることの大切さに気がつくことをあらわす場合もあります
ソードの1 図柄の解説・一般的な意味
叡智を象徴する剣が、物質世界での成功を意味する王冠を貫いています。目的に対して知性を働かせることで、それを達成することができることを表します。ワンドで世界に現れ、カップが受け止めた神のエネルギーを、実際にこの世界で働かせるために具体的な手段として行使しているカードです。
これまでのワンドやカップが、そのスートが象徴するもの(カップそのもの、ワンドそのもの)を手にしていたのに対して、ソードでは、描かれた剣の先に王冠が描かれています。これが、ソードは目的達成の手段にすぎず、「相手に打ち勝つこと」「勝利を収めること」がソードの目的であることをあらわしています。
キーワード
叡智・知性
正位置
ソードのエースの持つ、叡智や勝利が中庸にはたらいていると解釈します。
このカードはあなたが直面している困難や問題に対して、あなたが情熱と知恵をもって乗り越えていけることを示唆しています。あなたの今直面している状況にあなたは勝利を収めることができます。ですが、その勝利はカップのように受け取るものではなく、勝ち取っていくものなのです。困難な状況であっても切り開いて解決していける知性と実際の行動が求められています。
逆位置
ソードのエースの叡智や勝利が過剰や不足にはたらいていると解釈します。
過剰の場合には怒りの感情が激しすぎて冷静になれない状況であったり、自らの頑なな振る舞いが困難をより大きくしてしまっていることを示唆しています。不足の場合には状況に対して行動する具体的な策や行動がうまくとれない、立ち向かう勇気がもてないことを示唆します。救いとしてこのカードがもたらされる場合には困難や戦いそのものから距離を置くことで問題が解決にむかうことを示唆しています。
逆位置を不足として読む場合
問題や困難に対して具体的な解決策を考えることができない、あるいは、考えることができても実行することができない状況を表します。何とかしようという気持ちはあるものの、それを実際にどうすればいいか、具体策がわからず、自力では解決ができない状況を表します。
逆位置を過剰として読む場合
問題を解決しようと焦るあまり、冷静な行動が取れなくなっていることを表します。本人としては合理的な方法をとっているつもりが、視点が偏っていたり、手を出しすぎてかえって問題が拗れてしまう状況を表します。また、頭でっかちな解決策になっており、相手の感情を知らず知らずのうちに逆撫でしてしまっている可能性もあります。
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
いい意味で状況から一歩引いて考えている状況を表します。アドバイスとしてこのカードを引いた場合には、あれこれと手を出すよりも、今は様子を見ることが大切だというメッセージになります。
ペンタクルの1 図柄の解説・一般的な意味
天から差し出されたペンタクル と、手入れの行き届いた庭、奥へと 続く道が描かれています。これまでの努力の成果を受け取れることを示 唆しているカードです。
ワンドでスタートした神のエネルギーはカップで受け止められて我々の元に届きます。そして、ソードの叡智によって具体的な形をとるようになり、最後に収穫として我々が受け取ることができるようになります。ワンドのエース、カップのエース、ソードのエース、ペンタクルのエースを順に追うことで、私たちの身の回りの具体的な世界が神からどのように届くのか、私たちがその賜物にどのように参加しているのかがわかります。
キーワード
収穫・成果
正位置
ペンタクルのエースがもつ、「収穫」「物質的な充足」が中庸にはたらいていると解釈します。
これまでの成果が実り、具体的な結果や成果物を得ることができそうです。
それは人間関係のことかもしれませんし、仕事の成功かもしれません。いずれにせよ、はっきりとわかる形で一つの成果がえられ、次のステップへと進んでいけそうです。
逆位置
ペンタクルのエースが示す、「収穫」や「物質的な充足」が過剰や不足に働いていると解釈します。それが具体的な物質であっても、人間関係のような目に見えないものであっても、私たちは「かけた努力」に見合った報酬が手に入ることを望みます。不足の場合には思ったような成果が得られず満足ができないことを。過剰の場合は、物欲に溺れてしまったり、成果に対する期待が大きすぎて自己中心的に物事を捉えていることや他者を蹴落としてでも手に入れようとする傲慢さが現れてしまうと解釈できます。
逆位置を不足として読む場合
思ったような成果が得られないこと、期待したものがなかなか手に入らないことを示唆します。人間関係であっても、仕事の成果や報酬などであっても、自分がかけたコストに見合ったものが返ってこなくてがっかりしてしまう状態、望んだものが手に入らず失望してしまう状態を表します。
逆位置を過剰として読む場合
過剰に働いている場合には成果や物質的な裕福さへの過度な執着をあらわします。努力をしたことに対して成果が実ることを期待するのは当然です。ですがその期待が大きすぎると、強欲になってしまったり、手段を選ばない傲慢な手段に出てしまうこともあると思います。それに対する警告を表しています。
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
良い意味で逆位置のペンタクルのエースが出てくる場合には、いい意味で成果にこだわらずに行動することができていることを表します。アドバイスの場合には利益を度外視した行動が返って成功につながると捉えることもできます。
3.各カードの状況別の意味
各スートの1のカードはそれぞれのスートの特徴がよく出てるから、それぞれのスートが持っている意味が、状況別にも発揮されそうだね。
そうだね。絵柄だけなら、一番意味がわかりにくい1のカードたちも、「それぞれのスートの性質があらわれてる」って前提で眺めると意味がイメージしやすいだろうね。
でも逆に、スートのイメージに引っ張られちゃう気もするな。例えばカップは恋愛や愛情の問題はイメージしやすいけど、仕事はイメージしにくいし、逆にソードの勝利やワンドのエネルギーは仕事ではイメージしやすいけど、ちょっと恋愛だとイメージしにくい気がするな。
確かにそれぞれのスートの特徴が特定の場面にむすびつきやすかったりすることはあるだろうね。でも、例えば仕事であっても感情の問題は切り離せないし、恋愛でもあっても「相手を意識して考えて行動する(ソード的)」ことや、「自分からどんどんアクションしていく(ワンド的)」ことは想像できると思うんだよね。大切なのは、「それぞれがどんな概念をあらわしているか」を理解した上で、色々な場面に適応していくことだと思うよ。
エクササイズ2:恋愛・仕事などそれぞれの状況ごとの意味をまとめてみよう
カードの仕事・恋愛・家庭生活など状況ごとの意味をそれぞれのカードの絵をみながら考えてみましょう。
いったん、自分の言葉でまとめてみてから次に読み進むことをお勧めします。
- それぞれのカードが仕事に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
- それぞれのカードが恋愛に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
- それぞれのカードが結婚生活・家庭に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
ワンドの1の状況別の意味
ワンドの1の仕事での意味
正位置
- 仕事へのモチベーションが高まる
- 意欲的に仕事に取り組むことができる
- 順調な仕事のスタート
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 仕事への情熱やモチベーションが低下する
- やり方はわかるが、気持ちがついてこない
- 仕事のスタートがうまくいかない
逆位置を過剰として読む場合
- やる気だけが空回りしていてる状態
- 気持ちはあるが、資金・ノウハウなど具体的なものがついてこない
- あれこれ手を出すものの長続きしない
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 少し立ち止まって考えることが大切
- 勢いよくすすめることよりも冷静な判断を
- 今は何かあたらしいことを始める時ではない
ワンドの1の恋愛での意味
正位置
- 新しい恋への意欲が高まる
- 恋に向けて前向きになれる
- 二人の関係を前向きにすすめていく意欲がつよくなる
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 関係を進めていく気持ちが薄れる
- 自分から動く気になれない
- 発展のきっかけがつかめない
逆位置を過剰として読む場合
- こちらの気持ちがつよすぎて相手が少しひいてしまっている
- 気持ちが先走って周囲の状況がみえなくなっている
- 押し付けがましさを感じる対応
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 自分の気持ちだけではなく冷静に相手の気持ちや立場も考える
- 今は押すよりも引くタイミング
- 少し様子をみて冷静になったほうがいい
ワンドの1の家庭・結婚での意味
正位置
- 活気にみちた楽しい家庭生活のはじまり
- 結婚に向けて強力に動き出すことができる
- 結婚にむけての意欲がたかまる
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 不満はないものの活気に欠ける家庭生活
- 結婚に向けてのモチベーションが上がらない
- 順調にはじまらない結婚生活
逆位置を過剰として読む場合
- 気持ちだけはあるものの実行がともなわない結婚への動き
- 慌ただしく落ち着きがない家庭
- 一方だけが乗り気な結婚および結婚生活
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 少し冷静に自分達の関係を見直す必要がある
- 勢いで行動する前にお互いに冷静に話し合う
- 気持ちだけではなく、具体的な心配事についてきちんと話し合ったほうがいい
カップの1の状況別の意味
カップの1の仕事での意味
正位置
- すばらしいアイデアを受け取ることができる
- ビジネス上での人間関係に恵まれる
- 仕事を通じて精神的な充足を手に入れることができる
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 良いアイデアが浮かんでこない
- ビジネス上での人間関係に恵まれない
- 金銭的には問題はないものの精神的には充足されない仕事
逆位置を過剰として読む場合
- アイデアばかり浮かんできて実行するものが絞り込めない
- 人間関係に気を使いすぎて率直な意見交換ができない職場
- マインドを大切にしすぎて実利が伴わない仕事
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 人間関係に気を使いすぎるより少しビジネスライクに仕事をすすめたほうがいい
- アイデアを増やすよりも、絞り込みをするほうが大切
- 気持ちの問題より、実利的な側面を大切にするべき
カップの1の恋愛での意味
正位置
- 素晴らしい出会い、愛のはじまり
- 恋愛そのものをとても楽しむことができる
- 楽しい恋愛、愛し愛される関係のビジョンが湧き上がる
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- すぐには良い出会いが期待できない
- 不満が残る恋愛を受け取ることになる
- 恋愛そのものに対して少し悲観的になってしまう
逆位置を過剰として読む場合
- 「愛される」ことへの執着が強すぎる
- 一つの恋愛にのめりこみすぎて周囲がみえなくなる
- 「恋愛」を通してしか世界がみれなくなる
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 今は恋愛だけにこだわりすぎないほうがいい
- 愛されるのを待つよりも自分から動くことが大切
- この恋愛に執着しすぎないほうがいい
カップの1の家庭・結婚での意味
正位置
- 愛に溢れたあたたかい家庭生活
- 素敵なプロポーズなど、向こうから結婚に向けて提案がある
- 愛されていることを感じることができる結婚生活
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 愛情を感じにくい家庭環境
- 相手から結婚の意思を感じにくく寂しさを感じる
- 自分が愛されていることを実感できない結婚生活
逆位置を過剰として読む場合
- お互いへの愛情が重たすぎて執着的になっている家庭生活
- 押し付けがましい愛情と合わない価値観が課題の結婚
- 束縛・依存が強い結婚生活
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 愛情だけではなく、生活面の具体的な問題に今は向き合うほうがいい
- 家族・パートナーから愛されているかどうかに執着しすぎない
- 相手が変わることを期待するのではなく自分ができることをやっていく
ソードの1の状況別の意味
ソードの1の仕事での意味
正位置
- 競合相手に戦略的に優位をとっていける。コンペなどで勝ち抜ける
- 戦略的に仕事を進めることができる
- 同僚よりも高い評価を勝ち取ることができる
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 競合相手に打ち勝つことができない
- 自分の強いポイントを発揮することができない
- 自分・自社の強みを戦略的に出していくことができていない
逆位置を過剰として読む場合
- 競合相手・ライバルに勝つことそのものが目的になってしまっている
- 過剰な競争意識が軋轢を生み出している
- 強引で強気な姿勢が不要な敵を生み出している
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 競合相手・ライバルに勝つことを意識するよりも、自分の仕事をよくすることに集中したほうがいい
- 競うのではなく、お互いを高め合うことを意識した方がいい
- 協調的な姿勢が求められている
ソードの1の恋愛での意味
正位置
- 自分の力で恋愛を切り開いていくことができる
- 障害を乗り越えて恋の勝者となることができる
- ライバルがいても打ち勝つことができる
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 自分で恋愛に対して行動を起こす勇気がない
- ライバルに打ち勝つことができない
- 障害があるとそれを乗り越えていける気持ちがない
逆位置を過剰として読む場合
- ライバルに勝つこと、相手を手に入れることが目的になってしまっている
- 相手の純粋な愛情ではなく、相手とつきあうことによる優越感に価値を置いてしまっている
- 恋愛のために手段を選ばなくなってしまっていることへの警告
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 他のライバルを意識するよりも自分だけの魅力・持ち味を大切にする
- 相手を手に入れることではなく、幸せな恋愛をすることを目的にする
- 強引に動きすぎないようにする
ソードの1の家庭・結婚での意味
正位置
- どんな困難があっても乗り越えていくことができる家庭
- 結婚に向けて自分の意思を押し通すことができる
- 結婚に向けての障害をうまく乗り越えていくことができる
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 困難に直面したときにそれを乗り越えていくことができない家庭
- 結婚に向けての障害が大きすぎてモチベーションが下がっている
- 何かトラブルがあったときに自分達の力では解決できないと感じてしまう
逆位置を過剰として読む場合
- 高すぎる目標や理想の実現にこだわることが家族を苦しめてしまっている
- 周囲の反対や障害に対抗するあまり盲目になってしまっている結婚生活
- 「相手を手に入れる」優越感が目的になってしまっていないか警告されている
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 自分の要求を譲歩することも時には大切
- 障害と感じる項目を意識しすぎないほうがうまくいく
- 「相手と結婚する」ことに対して強引になりすぎていないか見直す必要がある
ペンタクルの1の状況別の意味
ペンタクルの1の仕事での意味
正位置
- 着実な成果を受け取ることができる
- 着手した仕事が順調に成果を重ねていける
- 堅実な成功を収めることができる
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 思ったほどの成果をあげることができない
- 中長期的な成果や成長を期待できない
- 努力に見合った成果を受け取ることができない
逆位置を過剰として読む場合
- 利益をあげることを優先しすぎてしまっている
- 仕事の本質よりも利益を上げることそのものが優先されてしまっている
- 成果にこだわるあまり、真面目すぎて面白さに欠ける仕事になってしまっている
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- すぐに成果につながらないとしても、面白いと感じたことはやってみたほうがいい
- 結果にこだわらずプロセスも大切にする
- 成功・結果をあせらないほうがいい
ペンタクルの1の恋愛での意味
正位置
- 努力の積み重ねが幸せな恋愛につながる
- 勢いはないが堅実な発展をしていく恋愛
- 長年の思いを実らせることができそう
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 飽きっぽいことが恋愛の成就につながりにくい
- これまでの行動の成果を感じにくい恋愛
- こちらの思いや行動に対して見返りが少ない恋愛
逆位置を過剰として読む場合
- 恋愛・お付き合いの形にこだわりすぎることが目的達成を妨げる
- 努力を重ねることがかえって、恋愛のハードルを上げてしまっている
- 結果にこだわりすぎて過程を楽しむことができていない
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- お付き合いの形にこだわるよりも、二人の時間をただ楽しむことが大切
- 自分磨きよりも気軽に相手に対して行動することが大切
- 結果に執着するよりも、今この瞬間を楽しむことが恋の成就につながる
ペンタクルの1の家庭・結婚での意味
正位置
- 堅実で幸せな家庭生活
- 結婚に向けて具体的な目標が定まる
- お互いが一つのイメージ・目標を定めて進んでいくことができる結婚生活
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 不安定で将来の先行きが見えない家庭生活
- 結婚に向けての先行きが見えない
- お互いが共通の結婚・家庭生活をイメージすることができない
逆位置を過剰として読む場合
- 真面目すぎて堅苦しい家庭生活
- 結婚がきまったこと、将来が決まってしまったことがかえって憂鬱になる。
- マリッジブルー
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- さまざまな可能性、意見が存在することを許すことが大切
- お互いの価値観を無理に統一しようとしないほうがいい
- 柔軟にお互いの考えや立場を受け入れること、色々な可能性を許すことで道が開ける
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1 小アルカナ1のカードの特徴
1のカードがあらわすもの
2 各カードの一般的な意味
各スートの1の一般的な意味
ーエクササイズ1 それぞれのカードの意味を考えてみよう
ーワンドの1図柄の解説・一般的な意味
ーカップの1図柄の解説・一般的な意味
ーソードの1図柄の解説・一般的な意味
ーペンタクルの1図柄の解説・一般的な意味
3 各カードの状況別の意味
ーエクササイズ2 それぞれのカードの状況別の意味を考えてみよう
ーワンドの1の状況別の意味
ーカップの1の状況別の意味
ーソードの1の状況別の意味
ーペンタクルの1の状況別の意味