タロットで恋愛を占うときにオススメのスプレッド
鑑定を受けていて、圧倒的に多い依頼は「恋愛」に関するもの。でも一口に恋愛といっても、
「この恋を続けていて報われるのか」
「付き合っている彼氏は私のことをどう思っているのか」
「恋愛が今後どうなるのか」
「これから出会い運が上がっていくのか」
などなど。様々なことを聞かれると思います。そこで、「恋愛」を占うときに便利なスプレッドをご紹介します。
カードの取り扱い・占い上での注意・恋愛以外も含むカードの並べ方については以下の投稿もご覧ください。
スプレッド1:フォーカード
・少ない枚数で判断できるため、初心者でも扱いやすい
・状況に応じて、それぞれのカードの意味を読み替えやすい
・ケルト十字やヘキサグラムほど項目が多くない
・鑑定項目によっては、何回か引きなおして鑑定を行う必要が出てくる
フォーカード1:相手との状況を見る
それぞれのカードの位置の意味
① (質問に対する)現在の置かれている状況
② あなたの相手に対する気持ち
③ 相手のあなたに対する気持ち
④ この問題の解決策
※ これに加えて、5枚目として、最終的な結論を引く場合もあります。
フォーカード2:状況の変遷を見る
それぞれのカードの位置の意味
① (現状に繋がった)過去の状況
② 現在の状況
③ 近い未来
④ 最終結果
※ これに加えて、5枚目として問題解決のためのアドバイスカードを引く場合もあります。
フォーカード3:問題解決方法を探る
それぞれのカードの位置の意味
① 現状
② (現在の状況に対して)妨害している要素
③ 問題に対する解決策
④ 最終結果
※ これに加えて、5枚目として問題解決のためのアドバイスカードを引く場合もあります。
このスプレッドの特徴
4枚のカードを並べて鑑定を行うシンプルなスプレドです。ケルト十字やヘキサグラムに比べて枚数が少なくてシンプルなので、それぞれのカードを色々と読み替えて解釈することができます。また、枚数が少ないのでカードごとの関連が追いやすく、初心者であっても比較的取り扱いやすいスプレッドかと思います。
タロットのスプレッドには正解はないので、どんどん自分なりに配置を読み替えたスプレッドを工夫できることも魅力です。
スプレッド2:ダイヤモンドスプレッド
・「問題を解決する」という前提で、何を今辞めるのか、始めるのかをはっきりと知ることができる
・泥沼にはまっている時には考えにくい、「何をやめるのか」ということに意識を向けることができる
・相手の状況を知るのには使えない。
それぞれのカードの位置の意味
① 現在置かれている状況
② 妨害要素
③ 願望を叶えるために今辞めること
④ 願望をかなるために今始めること
⑤ 最終的にどうなりたいか
※ これに加えて、6枚目のカードとしてアドバイスのカードを引く場合もあります。
このスプレッドの特徴
ダイヤ型にカードを並べることそのものは、スプレッドとしてはままあるのかな、と思いますが、各カードの位置の意味については私が考えたオリジナルスプレッドです。
自分自身が泥沼のような思考回路にはまった時にふと思いついたスプレッドで今でも困難に直面したら時々並べることがあります。
恋愛に関わらず、物事に対して私たちができることは究極的には「何かを辞めること」と「何かを始めること」しかありません。何かを解決しようと躍起になっている時、私たちは焦りから何かをすることばかり考えてしまいます。しかし実際には、息を吐かなければ吸えないように、何かを辞めることと始めることはセットになっています。このスプレッドでは、他のスプレッドではなかなか提案できない何かを「辞めること」に焦点を当てることで、焦りや執着をリセットして恋を前向きに転がしていくことをご提案しています。
ただ、これは相手の気持ちを見てどうこう、というよりは自分がどうするかに集中したスプレッドなので、相手の気持ちや今後の展開を別のスプレッドで観察した上で、このスプレッドで今どうすればいいかを判断する、という使い方がいいのかなと思います。
スプレッド3:ヘキサグラム
・フォーカードに比べて、2つの軸を同時に比べることができるため、一回のスプレッドでより深く読み取ることができる
・人間関係を見るのに特化した項目に絞り込まれているため、恋愛は占いやすい
・現実的な解決策がみえにくい場合がある
・時間軸と関係軸の結果が大幅に違うと解釈が難しい場合がある
・カードの読み替えがやや難しいため、特殊な問題・質問には対応できない場合がある
それぞれのカードの位置の意味
① (質問に対する)現在の置かれている状況
② (①で出てきた現状に対して)こうなった原因となる過去の状況
③ このまま何も対策をしない場合に訪れうる未来
④ 問題の原因・妨害要素
⑤ あなたの相手に対する気持ち
⑥ 相手のあなたに対する気持ち
※ これに加えて、7枚目として、アドバイスカードを引いたり、最終的な結論を引いたりする場合もあります。
このスプレッドの特徴
恋愛に関するご相談を大別すると
・彼はどう思っていますか、のような相手の気持ちに関する鑑定依頼
・今後どうなりますか、のような相手との関係の変化に関する鑑定依頼
の2項目のどちらかに分類されることが多いです。ヘキサグラムではこの2項目について同時に占うことができるので、「タロット占いにはまだ慣れていないけどとりあえず恋愛を占ってみたい!」という方はこのスプレッドを練習してみるのもいいのではないでしょうか。
ただ、欠点としてはケルト十字ほど掘り下げが深くなく、また、フォーカードほど読み替えが容易ではないので、ちょっと変わった依頼や、項目に当てはめにくい件については鑑定がしにくいという欠点があります。まずはこのスプレッドから初めて、枚数の多いスプレッドや後でご説明する複数枚のカードを総合的に読む鑑定などを試してみてもいいかもしれませんね。
スプレッド4:イエス・ノー スプレッド
・イエスかノーか、はっきりと答えが出る。
・やり方によっては、「イエスかノーか」しかわからない。
それぞれのカードの位置の意味
それぞれのカードの意味を問うのではなく、
「何枚正位置が出たか」で占います。
5枚のうち、正位置が出た枚数が3枚以上であれば、答えはイエスです。
正位置が出た枚数が3枚以下であれば、答えはノーです。
全体の状況について詳しく知りたい場合には、5枚のカードの配置から総合的に判断して、今の状況を読み取ります。
このスプレッドの特徴
案外、ご依頼が多いのが「傷ついてでもなんでもいいから白黒はっきり答えをつけてください!!」というご依頼です。本当に白黒はっきりつけるだけでいいのであればこのスプレッドは最適です。
イエスかノーか、はっきり出るような質問を考えて、それに対して5枚のカードを並べます。正位置が多ければイエス、逆位置が多ければノーです。
そこからさらに状況の変遷を読み取るには、5枚のカードを総合的に判断してストーリーを作っていきます。
ただし、「白黒はっきりつけてください!!!」というご要望が鑑定者さまから出されたものであっても、
ぶっちゃけ、大体の方はノーの答えを望んでいません(笑)
そして、個人意見ですが現実は如何様にも変遷してくものなので、「ダメです。諦めなさい」と鑑定士がお伝えする資格はあるのかな??と思います。ですので、この鑑定方法はあくまで「おまけ」で、セットで他の鑑定もしておくか、出て来た5枚のカードからさらにメッセージを読み取ったほうが、ご依頼主さまの満足度は高いのかなと思います。(というか5枚のカードを並べて表が何枚でたか伝えることで果たして鑑定と言っていいのかどうか個人的には甚だ疑問です)
スプレッド5:ケルト十字
・1つの問題について深く理解することができる
・潜在的に抱えているその人の本質に目を向けやすい
・カードが多すぎて、整合性のあるストーリーを作りにくいことがある
・大アルカナだけだと半分近くのカードを使うことになるため、整合性が取りにくい可能性がある
それぞれのカードの位置の意味
① 現状(問題全体の現在置かれている状況)
② 妨害(現状の問題解決を妨害している要素)
③ 顕在意識(意識的にはっきりしていることで問題に関わっていること)
④ 潜在意識(無意識的ではあるが、問題に関わっていること)
⑤ 近い過去(問題の発生に繋がった過去の出来事)
⑥ 近い未来(今後すぐに起こってくる変化)
⑦ 相談者の心境
⑧ 周囲・相手の状況(恋愛の場合は、ここは相手の気持ちであると解釈することが多い)
⑨ 願望や恐れ
⑩ 最終結果(問題に対する答え)
※ 全てを解釈し終わった後、アドバイスカードをもう1枚引く場合があります。
このスプレッドの特徴
対面でも、チャットなどの鑑定でもこのスプレッドを使う鑑定士さんは大変多いように感じます。そのぐらい、このスプレッドはオーソドックスで、かつ、問題について詳細な検討を加えることが可能となっています。一つの恋愛について、彼のこと、これから起こること、潜在意識で恐れていること、思いつく限りのことは何でも占えることになります。欠点としては、枚数がいため、すべてのカードを概観して答えを出していくことが大変なことが挙げられます。
スプレッド6:フリースリーカード
・どのような問題であっても鑑定しやすい
・鑑定者の状況を読み取った上で、適切な回答を返しやすい
・何度も引きなおす必要がある場合がある
・カードそれぞれに固定された意味がないので、ストーリーを構築するには慣れが必要
それぞれのカードの位置の意味
それぞれのカードに固定された意味はありません。3枚のカードの結果から総合的に判断していきます。
※ 全てを解釈し終わった後、アドバイスカードをもう1枚引く場合があります。
このスプレッドの特徴
いろいろ試してみた結果、個人的にはこのスプレッドで落ち着きました。オンラインでも対面でも、依頼があれば基本的にはこのスプレッドで鑑定を行っています。
「カードに固定された意味がなくてどうやって占うの?」という方もおられるのかなと思うので、ちょっと具体例を挙げてみます。
鑑定例:彼の気持ちがよくわからない
Q.友人としては十分仲がいい彼が自分のことをどう思っているのか、今後どうなっていくのかがわからない。
A.彼のあなたに対する気持ち
結果:女帝(逆)、運命の輪、皇帝(逆) アドバイス:法王(逆)
あなたのことを女性として意識していないわけではなく、むしろ彼自身もこの関係性に名前をつけることは難しいと感じている。しかし、この出会いに対しては特別なものを感じており、名前はつけがたいが、あなたとの関係は特別なものであると認識している。まずはあなたの方から、素直に、臆せずに彼に対して好意を示すことで少しずつ「恋愛」としての意識に彼が前向きになっていきそう。
・今後の展開
結果:皇帝、太陽(逆)、女帝 アドバイス:女教皇(逆)
ちょっと一筋縄ではいかない関係であり、マニュアルにあるような恋ではないかもしれない。しかし、彼が彼のタイミングで動くことを決めればこの恋は動き出すので、まずはあなたの方から、自分の恋するマインドや女性としての自分を彼からの承認や周囲からの承認とは関係なしに肯定していくことで恋は動き出す。注意すべき点は、悲観的にならないこと。前述の通り、彼には彼のタイミングがあり、あなたのことを恋愛対象として(感じにくいかもしれないが)ただ一人の人として意識している。彼の挙動に一喜一憂することなく、女帝のようににこやかに悠然と、彼に限らず広く愛を向けていくことでこの恋は成熟していく。
鑑定例解説
このスプレッドで面白いのは、彼の気持ちを鑑定した時には逆位置で出てきた女帝と皇帝が、今後どうするか、と考えた時には(左右の位置まで入れ替わって)皇帝も女帝も正位置で出てきたところです。
そして、彼の気持ちの真ん中には運命の輪があり、彼自身も彼の気持ちを理解しきれていないところがありますが、人知を超えたところで二人はしっかりと繋がっていることが示されています。さらにアドバイスでは法王、女教皇が逆位置で出てきました。客観的な評価や自分の内面を批判的に見ることではなく、女帝のようにおおらかに、彼からの見返りが来るかどうかにかかわらず、また、彼に対象をしぼりこまず愛情を放射していくことでこの恋は、彼のタイミングで彼からのアプローチで進み出すことがスプレッドから見て取れます。
このように、フリースリーカードの場合、カードを決めないことでトータルで状況を読むことができるため、非常に柔軟に、かつ多様に鑑定者様の状況を見ることができます。
また、カード同士の連携で読むことが必須となってくるため、同様のものを自動占いで再現することは原理的に不可能です。タロットカードとは、意味ありげな絵柄を並べる装置です。おみくじのように一喜一憂するのではなく、カードを並べるたびに姿を変えるカードの世界を楽しむためにもこのスプレッドはお勧めします。
もし、このスプレッドでの鑑定をご希望の場合は、ページ一番下のリンクからご依頼ください。
まとめ
幾つかのスプレッドをご紹介しましたが、どのスプレッドにもいいところと悪いところがあります。また、ご依頼主さまの依頼内容や、ご自身のお好みによって一番しっくりくるスプレッドは違ってきますし、もともと占いの道具ではなかったタロットカードに「正しい並べ方」はありません。(みんなが使ってる並べ方や、タロットの作者さんが提案した並べ方はあるでしょうが、そもそもタロットカードそのものの出自が「同人誌」や「二次創作」に近いところがあるので、あなた自身が改良を加えることに何ら後ろめたさを感じることはないと思います)
どのようなスプレッドであっても、あなたと、カードと(依頼主さまがいる場合には)依頼主さまが一つの場でつながり、一つの世界を一緒に読んでいくことが一番大切です。
まずは枚数の少ないスプレッドから練習して、あなたにとって最高の鑑定を作っていってください。
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