タロットの大アルカナの皇帝のカードの意味をまとめました。正位置・逆位置のほか、恋愛、仕事などそれぞれのシュチュエーション別の意味を学ぶこともできます。
(2022/08/07更新)
解説動画
1 皇帝の概要・キーワード
今回は皇帝だね。女帝は若いお姉さんだったけど、皇帝は結構おじいちゃんだね
そうだね。皇帝のカードはさまざまなものが女帝とは対照的に描かれてるんだ
さまざまものが、女帝とは対照的ってどういうこと?
若い女性と年老いた男性、っていう目に見える属性もそうなんだけど、背景に描かれているものまで徹底的に逆に書かれてるんだよ。
背景??
女帝は、トウモロコシ畑だったり、木々が覆い茂った森だったり、命のモチーフで満ちてるけど、皇帝は草1本生えていない荒涼たる岩山が描かれている。
荒地の岩山って言っても少しぐらい植物がはえてることも多いと思うんだけど、この絵では全く緑が描かれていない。足元の砂漠にも、背景の岩山にも、命のモチーフが全くないんだ。
本当だ。座ってる椅子も、すごく堅そうだね。
さらに、皇帝に描かれている水は動きを止めてしまっているけど、女帝の水は勢いよく流れてる。水はタロットでは感情を表すんだけど、そういった感情の働きも女帝と皇帝では逆になってることがわかるね。
あ、本当だ。でもそうなると、皇帝は心が無くて生気もない悲しい存在ってこと?
心がないなら水を描かなければいいんだよ。わざわざ水を描いているってことは、彼には心はあるけど、それを押さえつけていつことがわかる。女帝が感情や愛情といった「本能」で動くのに対して、彼は「こうあるべき」という理性で動く人であることが描かれてるんだと思うよ。
皇帝:図柄の解説
威厳のある男性が正面を向いて座っています。女帝が豊穣な恵みに囲まれていたのに対して、彼は石で作られた荘厳な椅子に腰掛け、背景には切り立った山々が見えます。
プラトンは、「国家」の中で、理想的な統治体系として、人々を真理に導くことができる哲人王が国を治める国家の形を唱えました。
理想的な皇帝とは、私利私欲のためではなく、人々の権利を守るために規律を定め、国家の秩序を維持するための存在です。女帝が本能的な側面を象徴するのに対して、皇帝は、理性的・社会的な側面を象徴しています。女帝の本能的な豊穣は、皇帝の秩序によってコントロールされます。男性性と女性性はお互いを補完しあう関係にあるのです。
皇帝:キーワード
理性・責任
2 皇帝の正位置・逆位置の意味
なるほどねえ。愛情のままに行動する女帝に対して、皇帝は理性的に考えて「何をすべきか」で動く人なんだね。
そうだね。理性と責任っていうこのカードのキーワードをいろんな状況に合わせて読んでいくことになると思うよ。
お仕事だとわかりやすいけど、プライベートだと理性や責任が読みにくい場面がありそうだね
そうだね。関係性によっては適応しにくいこともあるかもしれないね。ただ、「親しき仲にも礼儀あり」っていうように、どんな個人的な間柄でもやっぱりそれぞれに「こうあるべき」行動や責任をもたなきゃいけない行動はあるんじゃないかな?って思うよ。そこをうまく膨らませていくといいかもね
エクササイズ1:正位置の意味・逆位置の意味を考えてみましょう
正位置・逆位置の一般的な意味について、カードの絵をみて考えてみましょう。
いったん、自分の言葉でまとめてみてから次に読み進むことをお勧めします。
- このカードの正位置はどんな意味だと思いますか?カードの絵やここまでの説明を参考に自分の言葉で考えてみましょう。
- このカードの逆位置はどんな意味だと思いますか?カードの絵やここまでの説明を参考に自分の言葉で考えてみましょう。
逆位置については、過剰・不足それぞれ考えましょう。 - 逆位置のカードが必ず悪い意味というわけではありません。逆位置のこのカードがいい意味や、アドバイスで出てきた場合どのように読めばいいでしょうか?考えてみましょう
皇帝の正位置・逆位置での意味
正位置
責任や理性をポジティブに評価します。
縦社会的な文化は嫌われる傾向にありますが、序列があることや、社会的な決まりがあることそのものは決して悪いことではありません。優しく受け入れるだけが愛ではないのです。正位置の皇帝は、自分の感情よりも「やるべきこと」を優先にすること。あなたが自分の仕事に責任をもつことを示唆しています。また、恋愛でこのカードがでてきた場合、男性側が決定権をもつことを示唆する場合もあります
逆位置
逆位置では、理性・責任についてネガティブに解釈します。
皇帝とは、それに見合う能力がなければ、クーデータによってその座を引きずり降ろされてしまうものです。逆位置の皇帝が過剰にはたらくときには、パワハラめいた「虚勢」を振りかざしている状態を。過少に働くときは自分に自信がもてず、自分の仕事から逃げてしまっている姿勢を示します。また、恋愛で逆位置の皇帝がでるときには、男性側がイニシアチブをとるつもりがないことを寓意する場合もあります
逆位置を不足として読む場合
自分で自分の行動を決定していくことができない状態を表します。また、とった行動に対して責任を取ることができないことや、起きた問題に対して他の人の責任にしすぎる傾向にあることへの警告がなされています。あなたが女性の場合には、男性のリードが期待できない恋愛を意味することもあります。
逆位置を過剰として読む場合
ワンマンでパワハラ気質になってしまっていることは、我を通そうとしすぎる傾向に対しての警告がなされています。あなたが女性の場合には、男性が我を通しすぎてモラハラ気味になっている恋愛を意味することもあります。
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
肩の荷がおりて、重圧を感じる状況、一人で乗り切らなければいけない状況から解放されることを表します。また、いい意味で自分の手を離れて、他の人にリードしてもらえる状況を表すこともあります。
3 皇帝の恋愛、仕事など状況別の意味
「やるべきことをやる」「やったことに責任をとる」これが皇帝の行動原理みたいだね。でもやっぱりそれって恋愛とかだと読みにくい気がするなあ。
恋愛における皇帝はちょっと特殊で、恋愛対象が男性の場合には、男性側の行動を表すこともあるんだよね。
カードが誕生した20世紀初頭の行動規範を引っ張ってる感じはちょっとあるね。
いずれは「そんなふうに読むべきではない」ってことになるかもしれないと思うけど、僕はカードが持ってたイメージそのものは、占いで許される範囲では読んでもいいと今は思ってるよ。時代の流れや状況以上に、その人の問題に即して読んでいくことは大切だしね。
そういう意味でも「自分の言葉」でカードについて考えてみることはすごく大切なんだね。
エクササイズ2:恋愛・仕事などそれぞれの状況ごとの意味をまとめてみよう
カードの仕事・恋愛・家庭生活など状況ごとの意味をカードの絵をみながら考えてみましょう。
いったん、自分の言葉でまとめてみてから次に読み進むことをお勧めします。
- このカードが仕事に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
- このカードが恋愛に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
- このカードが結婚生活・家庭に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
3-1 皇帝の仕事での意味
正位置
- リーダーシップを発揮して仕事を進める
- 個人としてやりたいことよりも、「社会」や「組織」としてあるべき姿を優先する
- 責任のあるポジションを任される
逆位置
不足として読む場合
- 自分の責任を果たすことができていない
- 他責傾向が強く、自分ごとにできていない
- 責任ある仕事を任せてもらえない
過剰として読む場合
- 「やるべきこと」に囚われすぎて頑なになっている
- ポジションによる権力をふりかざしてモラハラ気味になっている
- ポジションを守ることが目的になってしまっている
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- 重責から解放される。気楽に動けるポジションにいける。
- 他の人に任せることでうまくいく
- 「やるべきこと」に囚われないで「やりたいこと」を優先させる
3-2 皇帝の恋愛での意味
正位置
- 恋愛対象としてのアピールより前に、責任ある行動、人として正しい行動をとる必要がある
- 自分の責任を果たすことが好印象につながる
- 男性側のリードが期待できる恋愛
逆位置
不足として読む場合
- 突飛な行動に振り回されて辟易している
- 悪い意味で予測不可能な相手だと思われて警戒されている
- 男性側のリードが期待できない恋愛
過剰として読む場合
- 仕事など、恋愛以外の「やるべきこと」を優先しすぎていて恋愛にエネルギーを割くことができていない
- 社会常識の色眼鏡で相手を見すぎてしまっている
- 男性側がモラハラ気味な恋愛
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- (男性側の)束縛・モラハラから解放される
- 相手に対する(社会的な)思い込みが解かれて気楽に接することができるようになる
- 仕事など、「やるべきこと」に少し区切りがついて恋愛に目がむけられるようになる
3-3 皇帝の家庭・結婚での意味
正位置
- お互いが家族としての責任をきちんと全うできている状態
- 社会的にも評価される家庭・結婚
- 夫・父がリーダーシップを発揮している家庭
逆位置
不足として読む場合
- お互いがなすべきことを成さず、感情的になってしまっている
- お互いが「他の誰かが悪い」と思ってお互いを責めてしまっている状況
- 夫・父のリーダーシップが期待できない
過剰として読む場合
- 厳しすぎる規範や約束で家族やパートナーを傷つけている
- 「あるべき姿」に囚われすぎて苦しんでいる
- 夫・父がモラハラ気味になってしまっている
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- 「あるべき姿」から解放されて「素の自分」をお互いに認められるようになる
- モラハラ・パワハラ的な状況から解放されて、それぞれがそれぞれの主張をきちんとできるようになる
- 素直に他の家族に甘えたり、頼ったりできるようになる
次のお話
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1 皇帝の概要・キーワード
2 皇帝の正位置・逆位置の意味
・エクササイズ1:自分の言葉で考えてみよう
・皇帝の正位置・逆位置の意味
3 皇帝の恋愛、仕事など状況別の意味
・エクササイズ2:恋愛、仕事、家庭など状況別に考えよう
3-1 皇帝の仕事での意味
3-2 皇帝の恋愛での意味
3-3 皇帝の家庭・結婚での意味