タロットの大アルカナの魔術師のカードの意味をまとめました。正位置・逆位置のほか、恋愛、仕事などそれぞれのシュチュエーション別の意味を学ぶこともできます。
(2022/06/26更新)
解説動画
1 魔術師の概要・キーワード

今回もまずは、カードの絵柄からチェックだね




マルセイユ版は手品とかをするマジシャンのイメージにぴったりだけど、なんか、ウェイト版は魔法使いって感じだね。

そうだね。マルセイユ版の魔術師が被ってる帽子は当時の風俗からしたら変わったものではないし、純粋に「手品師」として描かれているけど、ウェイト版になってぐっと、超人感がでたよね。

机の上にたくさんのものが載ってるね。これで魔法を使うのかな。

机の上に乗ってるのは
- 棒(ワンド)=火
- 杯(カップ)=水
- 剣(ソード)=空気
- 金貨(ペンタクル)=地
をそれぞれ表していて、彼はこの4元素をつかって彼の意図するものをすべて作り出すことができる創造者なんだよ。
魔術師:図柄の解説

一人の男が、右手を上に、左手を下に向けて立っています。
頭上のマークは無限大を。ベルトの蛇は無限の循環を表すウロボロスを表しており、彼の力に限界がないことを示しています。彼は「地(=コイン)」「火(=棒)」「風(=剣)」「水(=杯)」の4つの元素を思いのままに操り、形をあたえていく「創造者」です。
アーサー・ウェイトは『このカードの基本的な意味は『能力とコミュニケーションである』と述べています。
W.ベンヤミンは、「人間」は「名」を与えることを許された唯一の存在であると述べました。自覚すること、意思を発動させることで、人間は、世界の認識・創造に参加します。「魔術師」は、天と地をつなぐように、手を上下に掲げています。彼は、無から有を作り出すのではなく、偉大なる力の「媒介」となって、「世界」に「形」を与える存在なのです。
魔術師:キーワード
創造、意思
2 魔術師の正位置・逆位置の意味

このカードもまず、自分で意味を考えてみるんだよね。「能力とコミュニケーション」って仕事だとなんか、意味がつかみやすそうだけど、恋愛や家族のことにつなげるのは難しそうだなあ…

たしかに。「コミュニケーション」や「能力」ってどっちかっていうと仕事で使われそうなキーワードだよね。でも、「意図的に人と関わること」「自分の意図を形にすること」ってところまで解釈を広げたらちょっとは考えやすくなるんじゃないかな?

あ、なるほどね。コミュニケーション、っていっちゃうからなんか難しいけど人と人が関わること、そこで頭をつかうこと、って考えたら恋愛や家族の関係でもできそうだね。

そうだね。そんなふうに、まずはカードの雰囲気をざっくり掴んで、そこから自分なりの意味を考えていくといいんじゃないかなって思うよ。
エクササイズ1:正位置の意味・逆位置の意味を考えてみましょう
正位置・逆位置の一般的な意味について、カードの絵をみて考えてみましょう。
いったん、自分の言葉でまとめてみてから次に読み進むことをお勧めします。
- このカードの正位置はどんな意味だと思いますか?カードの絵やここまでの説明を参考に自分の言葉で考えてみましょう。
- このカードの逆位置はどんな意味だと思いますか?カードの絵やここまでの説明を参考に自分の言葉で考えてみましょう。
逆位置については、過剰・不足それぞれ考えましょう。 - 逆位置のカードが必ず悪い意味というわけではありません。逆位置のこのカードがいい意味や、アドバイスで出てきた場合どのように読めばいいでしょうか?考えてみましょう



魔術師の正位置・逆位置の意味
正位置
意思や創造といったキーワードをポジティブに解釈します。魔術師は、「創造的思考」と「創造的実践」をあらわします。
このカードをひいたとき、なんらかの「意図」「創造性」が求められているといえるでしょう。
「あなたの人生はあなたの考えた通りになっている」と、伝えると多くの人は反論するのではないでしょうか?私たちは普段の生活で、いつもいろいろなことを「決めさせられている」気持ちになります。仕事でも、プライベートでも、自分の思ったとおりにはなかなかことが進まず、「仕方ないから」「本当はこんなことやりたくないけど」やらされている、と感じている場面もあるのではないでしょうか?
ですが、究極的には自分の人生は自分が作っているものです。
デカルトは、「我思うゆえに我あり」(=Cogito erugo sum コギト エルゴ スム)という言葉で、「考えている『この私』」(=Cogito コギト)だけがそれ以上疑いえない絶対的なものであると定義しました。私たちが、ただ唯一、「確か」だと思えるものは、今ここに何かを考えている「私自身」というものだけだと彼は考えたのです。
たとえそれが不本意な選択であったとしても、いつもその「選択」を最終的に「決めて」いるのは他ならぬあなた自身です。魔術師のカードは恋愛であれ、人間であれ、意図的に、頭をつかって関わっていくことで状況を切り開けること、変えていけること、初めていけることを表しています。
逆位置
意思や創造といったキーワードをネガティブに解釈します。
逆位置の魔術師は、「自分の意思」への固執と、「方法」に囚われることに警鐘を鳴らしています。頭でっかちになってしまって、あなたの本能が感じていること、損得抜きで大切にしたいことを忘れてしまっていないか、逆位置の魔術師は警告をならしてくれています。また、逆に自分の頭で考えることを忘れてしまって短絡的になっていないか警告してくれている場合もあります。
逆位置を不足として読む場合
創造力が欠けており、自分の頭で考えることができていないことが警告されています。創意工夫やコミュニケーションへの具体的な努力や方法が不足していることの暗示です。
逆位置を過剰として読む場合
頭でっかちで独善的なことへの警告です。自分の意のままにコントロールしようとしすぎていたり、知識に囚われすぎて目の前の真実にかえって気づかないことを表します。恋愛でも仕事でも「マニュアル」や「常識」に縛られすぎてかえって目の前の素朴な真実を見逃してしまうことを表します。
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
コントロールを手放し、フラットに進んでいける状態になることを表します。
3 魔術師の恋愛、仕事など状況別の意味

なんとなくわかってきたんだけど、自分の意図を定める気がなかった愚者とは逆に、魔術師は徹底的に自分の意図を形にしたがるカードなんだね。

いい着眼点だね!タロットカードはそんなふうに、1枚だけでみるんじゃなくて、他のカードと比べてみても、意味がつかみやすくなるんだよ。
今からのエクササイズも、愚者のカードと比べて考えてみてもいいかもしれないね
エクササイズ2:恋愛・仕事などそれぞれの状況ごとの意味をまとめてみよう
カードの仕事・恋愛・家庭生活など状況ごとの意味をカードの絵をみながら考えてみましょう。
いったん、自分の言葉でまとめてみてから次に読み進むことをお勧めします。
- このカードが仕事に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
- このカードが恋愛に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
- このカードが結婚生活・家庭に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
3-1 魔術師の仕事での意味
正位置
- 新しいアイデアや事業を形にしていくことができる
- いいスタートを切ることができる
- 周囲と活発なコミュニケーションをとって仕事を成功に導く
逆位置
不足として読む場合
- 出鼻をくじかれる
- いいアイデアが思い浮かばず、停滞する
- 周囲とのコミュニケーションがうまくできていない
過剰として読む場合
- 考えすぎて、策に溺れている
- 情報や知識が多すぎて、かえって物事が決定できなくなっている
- 周囲や仕事の内容をコントロールしようとしすぎてトラブルを起こしている
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- いい意味で、考えすぎの状態から解放されてフラットに構えられるようになる
- 考えすぎないことが大切
- なんとかしなきゃ、とコントロールするより、今は何も手を出さないことが大切
3-2 魔術師の恋愛での意味
正位置
- 相手とうまくコミュニケーションをとっていくことが大切
- うまく関係を発展させるきっかけが掴める
- 相手のことをよく観察して、頭を使ってコミュニケーションをとっていくことが求められる
逆位置
不足として読む場合
- 相手の話をきちんと理解できていない。
- コミュニケーションに課題がある
- 関係を発展させる気かけが掴みにくい
過剰として読む場合
- 「マニュアル」にとらわれた行動が逆効果に
- 考えすぎて動けなくなるより素直に行動を
- 自分の思う通りに進めようとしすぎることがかえってマイナスに。
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- 凝り固まった考えを手放して素直に行動できるようになる
- 考えすぎていたことから解放される
- 相手をコントロールしよう、という気持ちを手放すことができる
3-3 魔術師の家庭・結婚での意味
正位置
- コミュニケーションを工夫することで関係が円滑に。
- 新しい生活のスタートを順調に切ることができる
- お互いのことを冷静に話し合うことで関係が順調になる
逆位置
不足として読む場合
- 感情的になってしまって、冷静に話し合えていない
- お互いの話をきちんと聞けていない
- 新生活のスタートがうまく切れない
過剰として読む場合
- 理屈で考えすぎて、思いやりに欠けている
- 家族をコントロールしようとしすぎている
- 固定概念やマニュアルにとわられすぎて判断している
前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 悩むよりも思い切って気持ちを打ち明ける
- 思い通りにしようとしないことで、かえってうまくいく
- 考えても仕方がないことがあることも受け入れる
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タロットを覚えようとネットサーフィンしてて むぎさんの講座にたどり着来ました。ホップとむぎちゃんの会話でスートの説明で
火(=剣)風(=棍棒)と表示されていることを お知らせ致します。
私には解釈が難しいなあと思いながらも2回目の挑戦で読み進めています。
30年前のリベンジ頑張ります。
コメントありがとうございました。
また、ご指摘ありがとうございます。訂正させていただきました^^
ありがとうございます。
私自身もまだまだ勉強中です。
一緒に勉強させていただければとおもいます