タロットの大アルカナの審判のカードの意味をまとめました。正位置・逆位置のほか、恋愛、仕事などそれぞれのシュチュエーション別の意味を学ぶこともできます。
(2022/10/15更新)
解説動画
1 審判の概要・キーワード
大アルカナもいよいよ残り2枚になったね。
今日とりあげる審判は、マルセイユ版とほとんど絵柄が変わってないカードだね
そうだね。新約聖書のヨハネ黙示録の「最後の審判」の場面が描かれてるね。
審判って、野球とかサッカーとか、スポーツでルールを監督する人のイメージあるんだけど、ここの審判はそんな意味じゃないよね?
普段はそういう意味でつかわれるだろうけど、裁判なんかで「審判」っていうと、事案に対して判決を下すことを指したりするんだよね。Judgementって言葉の訳として使われる「審判」はそんな感じで、「判決が下される場面」って想定したらいいんじゃないかな。
なるほどねえ。この人たちは何の判決が下されてるの?
「神の国」に新たな命を得て生きることを許された、って感じかな?
ヨハネ黙示録のでは以下の箇所に該当する場面だと思うよ。
わたしはまた、イエスの証しと神の言葉のために、首をはねられた者たちの魂を見た。この者たちは、あの獣もその像も拝まず、額や手に獣の刻印を受けなかった。彼らは生き返って、キリストと共に千年の間統治した。 その他の死者は、千年たつまで生き返らなかった。これが第一の復活である。 第一の復活にあずかる者は、幸いな者、聖なる者である。この者たちに対して、第二の死は何の力もない。彼らは神とキリストの祭司となって、千年の間キリストと共に統治する。
共同訳 新約聖書「ヨハネ黙示録」20章 4-6
あ、この人たち、単にラッキーで復活してるわけじゃなくて、信仰のために命を落とした人たちだから復活できたんだね。
そういうことだね。聖書の中では神はしばしば人間を「試す」「篩にかける」場面がでてくる。ヨハネ黙示録の最後の審判でも、選ばれた人にだけ、この奇跡は起こってるんだよ。
審判 図柄の解説
新約聖書の「ヨハネ黙示録」の「第一の復活」の場面です。サタンや偽預言者たちは滅ぼされ、命の書に名前のあるものだけが、永遠の生を得て新しい天地に住まうことを許されるシーンです。
愚者のように、意図を持たなければ、誘惑されたり幻滅したりすることもないかもしれません。しかし、愚者の混沌は形あるものを何も生み出しません。人が生み出したものは必ずいつか死を迎え、理不尽な雷に打たれたり、欺瞞にさいなまされたり、誘惑を受けることもあるでしょう。それでも前に進むことを選択し続けた魂だけが、奇跡と正面から向き合い、復活の恩恵を預かることができるのです。審判は神と人が向き合い、手を取り合った奇跡を描いたカードなのです。
キーワード
奇跡・復活
2 審判の正位置・逆位置の意味
なるほどねえ。これまで信じてきたことを貫いた人が劇的な復活を遂げてる場面ってことなんだね。
そういうことになるね。
でもさ、実際カードを読むときって「復活」ってキーワードそのものが当てはまらない状況ってよくあるんじゃないかな?例えば最近あったばっかりの人の気持ちとか、はじめたばっかりの仕事の先行きとかって「復活」って適応しにくい気がするんだ。
そうだねえ。「復縁」とか「再雇用」とか、いかにも復活っぽい場面だと読みやすいかもしれないけど、ホップがいうとおり、新規の場面だと読みにくいかもしれないね。そんな時には、「このカードが何をあらわしているか」に立ち返ったらいいんじゃないかなと思うよ。
どういうこと?
ホップがいってくれたとおり、この場面は「これまで信じてきたことを貫いた人が劇的な復活を遂げてる」場面だね。これって、「復活」の場面でもあるけど「奇跡」の場面でもあるんだよ。
まあそうだね。死んじゃった人が生き返るって普通はありえないもん。
そうなんだよ。そして、「思いもよらないほどの奇跡的な展開」っていう読みなら新規の状況でも十分に適応できるんじゃないかなって思うんだよね。
エクササイズ1:正位置の意味・逆位置の意味を考えてみましょう
正位置・逆位置の一般的な意味について、カードの絵をみて考えてみましょう。
いったん、自分の言葉でまとめてみてから次に読み進むことをお勧めします。
- このカードの正位置はどんな意味だと思いますか?カードの絵やここまでの説明を参考に自分の言葉で考えてみましょう。
- このカードの逆位置はどんな意味だと思いますか?カードの絵やここまでの説明を参考に自分の言葉で考えてみましょう。
逆位置については、過剰・不足それぞれ考えましょう。 - 逆位置のカードが必ず悪い意味というわけではありません。逆位置のこのカードがいい意味や、アドバイスで出てきた場合どのように読めばいいでしょうか?考えてみましょう
審判の正位置・逆位置の意味
正位置
劇的な展開や復活を表します。運命の輪がもたらす変化はどちらかというと刹那的な一瞬のチャンスを表していましたが、審判がもたらすのは、世界そのものがひっくり返るような展開です。誰にでも劇的な瞬間が訪れる可能性はあり、審判のカードを引いた時、まさにその好転が起こることが告げられています。あなたの前に進む意志に従って、運命の扉は開かれるでしょう。しかし、その扉の行き先は誰にもわからないのです。
逆位置
審判が逆位置で出るとき、「奇跡が起こらないこと」ではなく、「奇跡に期待しすぎること」や、逆に「奇跡をまったく受け入れないこと」に警鐘が鳴らされています。要するに、「自分の都合のいいことしか認めない」という稚拙な態度が戒められています。ルイ・パスツールは「幸運は用意された心のみに宿る」と述べました。運命はいつ好転するかわからないからこそ、自らに対して誠実に日々を生きることがとても大切になってきます。人生に奇跡は起きますが、「ワンチャン狙い」だけで生きてはいけないのです。
逆位置を不足として読む場合
良くも悪くも思った通りのことしか起きない、復活が期待できない、劇的な展開が期待できないことを表します。
逆位置を過剰として読む場合
復活や一発逆転、奇跡への過剰な期待に対する警告です。現実的な準備が乏しくなっており、都合の良い展開や復活への依存が上がってしまっていることへの警告です。
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
劇的な展開に期待するよりも、現実的な予想に基づき、具体的な準備を進めていくことが求められています。今ここの現実を受け入れることが必要だとされています
3 審判の恋愛、仕事など状況別の意味
なるほどね。「復活」だけじゃなくて、「奇跡」にまで拡張すると、いろんな状況で読めそうだね。
そうだね。共通点は「思っているより大きな、奇跡的な展開が起こる」ってことで、その中で「復活」っていう可能性もあるって思うといいんじゃないかなって思うよ。
そうすると、逆位置の不足は奇跡が不足してるってことだから、「良くも悪くも思った通りになっちゃう」って感じなのかなって思うけど、奇跡の過剰ってどういうこと?
二つパターンがあるかなって僕は思うよ。一つは、展開の変動があまりに大きすぎて(それが好ましい変化だったとしても)ついていけないっていうパターン。もう一つは、「奇跡」への期待が大きすぎてるってパターンだね。
時々あるでしょ?「全部がうまくいけばなんとかなる!!」って思って見通しが甘い時って
ああ…、ぼく、遅刻しそうになるときに信号待ちとかにひっかかると「なんで邪魔してくるの?!」って思うけど、信号にひっかかるのなんて普通のことだから、「全部の信号でスムーズに通れれば間に合う」っていう奇跡を想定することそのものが良くないもんね。
そんな感じだね。もちろん、奇跡はいつだっておこるし、思ってもみないようないい展開が次々に起こることだってある。でも、それを最初っから期待しちゃうのはちょっと違うんじゃない?ってカードは言ってる気がするんだよね。
エクササイズ2:恋愛・仕事などそれぞれの状況ごとの意味をまとめてみよう
カードの仕事・恋愛・家庭生活など状況ごとの意味をカードの絵をみながら考えてみましょう。
いったん、自分の言葉でまとめてみてから次に読み進むことをお勧めします。
- このカードが仕事に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
- このカードが恋愛に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
- このカードが結婚生活・家庭に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
3-1 審判の仕事での意味
正位置
- 思っている以上に大きな成果を得ることができる
- 予想もつかなかったことが起こってビジネスが大きく好転する
- 一度廃案になったり、業績が不振であったビジネスやアイデアが再度日の目をみるようになる
逆位置
不足として読む場合
- 良くも悪くも想定したとおりの事態になる
- 悪いことが起こるわけではないが、予想通りのいい展開は特におこらない
- (業績のV時回復などを期待している場合には)期待したほどの成果は得られない
過剰として読む場合
- 成功のペースが早すぎて、人員の確保などが追いつかず、ついていけない
- 都合のいい見立てで考えすぎており、現実的な見通しではない
- 奇跡的な状況の変化や昇進への期待が大きすぎる
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- 良くも悪くも予想通りのことが起こるため、現実的な準備を進める必要がある
- 劇的な展開に期待するよりも、現実的で地道な努力が大切
- 復活を期待するよりも、新しいことや今やっていることに目を向けることが大切
3-2 審判の恋愛での意味
正位置
- 復縁や関係の再燃が期待できる
- 思ってもみなかったほど劇的な展開がおきる
- 脈がないと思っていた相手から予想外のアプローチを受けることになる
逆位置
不足として読む場合
- 復縁など関係の復活は今の所期待できない。
- 良くも悪くも現在想定しているとおりの展開になる
- 思ったとおりのことしかおきない
過剰として読む場合
- 発展がはやすぎて気持ちがおいつかない展開になりそう
- 復縁にこだわりすぎて本当の幸せな恋愛に目がむけられていない
- 「運命の人」へのこだわりが幸せを遠ざけている
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- 復縁だけにこだわらず、「幸せな恋愛」を楽しむことを目標にしてみる
- 良くも悪くも「本音で思ってること」が実現されてしまうので、必要な行動はどんどんとっていく必要がある
- 奇跡や運命の人やソウルメイトといったことにこだわるよりも、今すでにある関係を大切にしていくことが今は大切
3-3 審判の家庭・結婚での意味
正位置
- 気持ちや関係がいい意味で再燃する
- 予想をはるかにこえる良いことがおこる
- 過去にあきらめていたことを成し遂げることができるようになる
逆位置
不足として読む場合
- 関係の復活や再燃は期待しにくい
- 今考えていることに対して、よくも悪くも予想通りになる
- 奇跡的な展開は期待しにくい
過剰として読む場合
- いい知らせはくるものの、変化が大きすぎて戸惑うことになる
- 奇跡や復活に期待しすぎることが問題を長期化さえてしまう
- 自分の都合のいいように状況を想定してしまっている
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- 劇的な展開に期待するより、現実的にできることを進めていく
- 良くも悪くも予想通りであるため、予想に備えた対応が必要
- 過去の思い出や復活を望むよりもこれからのことを考えていく必要がある
次のお話
前のお話
1 審判の概要・キーワード
2 審判の正位置・逆位置の意味
エクササイズ1:自分の言葉で考えてみよう
審判の正位置・逆位置の意味
3 審判の恋愛、仕事など状況別の意味
エクササイズ2:恋愛、仕事、家庭など状況別に考えよう
3-1 審判の仕事での意味
3-2 審判の恋愛での意味
3-3 審判の家庭・結婚での意味