タロットの大アルカナの力のカードの意味をまとめました。正位置・逆位置のほか、恋愛、仕事などそれぞれのシュチュエーション別の意味を学ぶこともできます。
(2022/09/17更新)
解説動画
1 力の概要・キーワード
次は力のカードだね。「力」っていってるけど、描かれてるお姉さんは優しそうで「力持ち」って感じじゃ無いね
このカードの原題はStrengthで、「力」っていうより、どっちかっていうと「強さ」って考えるとわかりやすいかも。「強い」ってムキムキのマッチョだけにいう言葉じゃないでしょ?
あ、なるほど。このお姉さんは優しそうに見えるけど、強い猛獣を手懐けてるから、心の強さはありそうだよね。
そう。強さっていうのは肉体的な強さだけじゃないからね。
このカードは元々は、11番目のカードだったんだけど、ウェイト版では戦車の次の8番に入れ替えられたんだ。入れ替えられた理由は、おそらくはセフィロトの木を解釈するためだけど、この順番が入れ替えられて、戦車→力の順番になることで戦車から力への成長を感じることができる配置になったと僕は思うよ。
どういうこと?
一見勇ましいようで、スフィンクスを直視できていない戦車の若者は、問題解決への実力を十分に保証されてない。でも、獅子をしっかりとみつめることができる力の女性は「あなたは自分の力で問題を解決することができる」という実力の保証が十分にされてるといえるんだよ。
なるほどねえ。そもそもこのライオンは何をあらわしてるの?
自分の内面の、決して受け入れたく無い面だとおもってくれたらいいかな。誰でも自分の内面には受け入れたく無い面があるとおもうんだけど、それも自分の一部だって認めて、ただ見つめるだけで無力化できるってこのカードは教えてくれてるんだよ。
力 図柄の解説
柔らかな衣装を身につけた女性が、ライオンに優しく寄り添い、その口をおさえています。彼女の頭上には∞のマークが描かれ、神性を持った存在であることが示されています。
戦車の青年は猛獣たちと向き合うことはありませんでした。しかし、彼女は猛獣としっかりと向き合っています。ニーチェは、人の成長の3段階の2段階目に、「汝なすべし」のドラゴンと、「我は欲す」のライオンの対決を置きました。「我は欲す」のライオンに対する対処の1つの答えが、ライオンと徹底的に向き合い、ライオンを受け入れることです。理性と本能は対決するものではありません。理性が自分の本能の存在を認め、その荒々しさも含めたすべてと向き合うことで、理性は本能を手なづけることができるとこのカードは告げています。
キーワード
克己・自律
2 力の正位置・逆位置の意味
力のカードは、問題に対して立ち向かっていける力が保証されてるんだね。
そうだね。だからこのカードが出てきた時にはまずは自分を信じて、自分の力で取り組んでみよう、ってことになるよ。
…でも世の中、自分の力でなんとかなることばっかりでもないんじゃないかなあ。僕がどんだけがんばっても、とれるどんぐりの量が増えるわけじゃ無いし
もちろん、自分の力ではどうしようもないこともたくさんあるし、何でもかんでも自分でやれ、って言われてるわけじゃないよ。どんぐりだって、木になるどんぐりの量は増やせないかもしれないけど、どんぐりの取り方を工夫したり、どんぐりがたくさんなってる木を探すのは、まずは自分でもできるよね。
なるほどね。まずは自分が主体になってやってくこと、そしてそのための実力が保証されてるっていうイメージなんだね
エクササイズ1:正位置の意味・逆位置の意味を考えてみましょう
正位置・逆位置の一般的な意味について、カードの絵をみて考えてみましょう。
いったん、自分の言葉でまとめてみてから次に読み進むことをお勧めします。
- このカードの正位置はどんな意味だと思いますか?カードの絵やここまでの説明を参考に自分の言葉で考えてみましょう。
- このカードの逆位置はどんな意味だと思いますか?カードの絵やここまでの説明を参考に自分の言葉で考えてみましょう。
逆位置については、過剰・不足それぞれ考えましょう。 - 逆位置のカードが必ず悪い意味というわけではありません。逆位置のこのカードがいい意味や、アドバイスで出てきた場合どのように読めばいいでしょうか?考えてみましょう
力の正位置・逆位置での意味
正位置
「克己」や「自律」といったキーワードをポジティブに解釈します。「力」の女性は、あなたが自分の中の「恐れ」としっかりと向き合うことができれば、「恐れ」を無力化できることを教えてくれています。
このカードをひいたとき、あなたにはまず、「自分で問題解決をする」と心に決めることが必要とされています。自分の力を信じて、恐れも悲しみも全て受け止めてまっすぐにすすんでいくことが大切だと力のカードはつげています。
逆位置
「克己」や「自律」と言ったキーワードをネガティブに解釈します。彼女は獣と「対峙」はしていても、「対決」はしていないからです。しかし、「対峙」と「対決」を履き違えたらどうなるでしょう?「恐れ」に対決してしまうとき、あなたは「恐れ」以上に恐ろしい獣になってしまいます。そしてそれは自らを終わらない「恐れ」との戦いに叩き落としてしまいます。「力」が逆位置に出るときは恐れに恐れで対抗するような見せかけの強さにとらわれてしまっていないか、あるいはそもそも、恐れに向き合うことから逃げてしまっていないか指摘されています。
逆位置を不足として読む場合
自分自身の力で向き合うことができていない状態を表しています。また、この問題に対して自分の力だけでは対応できないことを表す場合もあります
逆位置を過剰として読む場合
何でもかんでも自分で背負い込みすぎてることに対する警告がなされています。自分の力で頑張ることと、「自分だけ」で頑張ることは違います。オーバーワークになる前に誰か他の人の力を借りることを警告されています
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
自分一人で頑張らなくてもいいことを。他の人の力を頼ってもいいことが示唆されています。今まで自分一人だけで取り組んでいた問題に対して助力が得られることを表す場合もあります。
3 力の恋愛、仕事など状況別の意味
力って、「自分でがんばろう!」って感じのカードだから、仕事ではイメージがしやすいんだけど、相手がいる恋愛や結婚だとちょっとイメージが湧きにくい気がするなあ
確かに相手がいるものだと、自分の力だけだとどうにもならないこともあるかもしれないね。でも、どんな状況でもまずは自分が主体になってやれることはあるし、「あなたにはその力が十分にあるよ」って言ってもらえることで見えてくる可能性はあるんじゃないかな。
確かにそうだね。自分に自信がある人はそもそも悩まなさそうだし、「なんとかできそう」って思えるだけで解決策がみえてきそうだよね。
力を読むときは2つの方向性が大まかにあるのかなと思ってて、一つは「自分後からで頑張る」っていうアクション面での提案、もう一つは「あなたにはその力が十分にあるよ」っていう実力の保証の方向性があるとおもうんだ。この2つは密接に関係しているから、完全にどちらかの読み方に寄せる必要はないとおもうけど、この2つの方向性を意識すると多様なパターンでカードを読んでいくことができるんじゃ無いかなと思うよ。
エクササイズ2:恋愛・仕事などそれぞれの状況ごとの意味をまとめてみよう
カードの仕事・恋愛・家庭生活など状況ごとの意味をカードの絵をみながら考えてみましょう。
いったん、自分の言葉でまとめてみてから次に読み進むことをお勧めします。
- このカードが仕事に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
- このカードが恋愛に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
- このカードが結婚生活・家庭に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
3-1 力の仕事での意味
正位置
- 現在向き合っている仕事や困難を乗り越える実力が十分にある
- まずは自分の力で問題に取り組む
- 直面している問題にしっかりと向き合うことで解決できる
逆位置
不足として読む場合
- 現在向き合っている仕事や困難を乗り越える実力が不足している
- 問題から逃げてしまっている
- 他力本願であったり、他の人のせいにしてしまっている
過剰として読む場合
- 何でもかんでも自分で抱えようとしすぎてしまっている
- 人に任せることがうまくできていない
- 自分で自分の仕事を増やしてオーバーワークになっている
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- 思う少し周囲に甘えてもいい
- 自分の力だけで解決しようとしないほうがいい
- 周囲の助力を思っている以上に得ることができる
3-2 力の恋愛での意味
正位置
- 自分の魅力に自信をもっていい
- 相手からのアクションを期待するよりも、まずは自分で行動を
- 自分から行動していくことで状況を動かしていくことができる
逆位置
不足として読む場合
- この恋愛を進めていく自信を失ってしまっている
- 他の人の力をあてにしすぎている
- 恋愛での問題を相手や第三者のせいにしすぎている
過剰として読む場合
- 自分磨きなど、過剰に努力しすぎてしまっている
- 弱みや欠点を見せても大丈夫
- 自分だけで悩まないで他の人の力を借りることも考える
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- 自分だけで悩まない。他の人の力や紹介も検討する
- 自分で自分のハードルをあげすぎない方がいい
- いい意味で肩の力を抜いて恋愛にむきあうことができるようになる
3-3 力の結婚・仕事での意味
正位置
- 自分からのアプローチで幸せな結婚にたどり着くことができる
- 家庭や結婚での問題や障害を自分の力で乗り越えていくことができる
- まずは自分で問題に向き合うことが大切
逆位置
不足として読む場合
- 結婚や家庭での問題を解決する力が不足している
- 相手に頼りすぎたり、相手のせいにしすぎていることが問題の根源になっている
- 自分から行動することが疎かになっている
過剰として読む場合
- なんでも自分で解決しようとすることがかえって目的の達成や問題解決をおくらせている
- パートナーや家族に任せることができていないことが問題の根源にある
- 弱みや欠点をパートナーや家族に見せて大丈夫
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- 自分一人で問題を抱え込まず、パートナーや家族にも相談する
- 第三者の力を借りることも検討する
- パートナーや家族を信頼して、任せていくことで問題が解決していく
次のお話
前のお話
1 力の概要・キーワード
2 力の正位置・逆位置の意味
エクササイズ1:自分の言葉で考えてみよう
力の正位置・逆位置の意味
3 力の恋愛、仕事など状況別の意味
エクササイズ2:恋愛、仕事、家庭など状況別に考えよう
3-1 力の仕事での意味
3-2 力の恋愛での意味
3-3 力の家庭・結婚での意味