ペンタクルの9
基本的な解釈
裕福そうな女性が豊かな庭園でくつろいでいます。彼女の表情はやわらかいですが、なぜか彼女の手にとまったワシには頭巾がかぶせられてしまっています。
これは何をあらわすのでしょうか?
ウェイトはこのカードに対してこのような説明をくわえています。
手の上に小鳥を乗せた女性が、領主の館の庭でたわわに実った葡萄に囲まれて立っている。それは広い領地で、あらゆる意味で潤沢さをあらわす。それは彼女自身の所有地であり、物質的な豊かさを証明する。
魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より
彼女は見た目通りの豊かさを表していることをウェイトは告げています。しかしその一方で、9のカードは完成までに通過する問題や葛藤を表します。
ペンタクルの10では代々受け継がれていく豊かさや財産が寓意されています。
家族の喜びそのものに目を向けるカップの10に対して、ペンタクルの10は受け継がれていく豊かさや財産に力点がおかれています。
日本にも「名家」とよばれるような資産家や、代々うけつがれているような大企業はありますが、その初代を築いた人物はなみなみならぬ努力と、その事業に集中することが必要だったのではないでしょうか?
ペンタクルの9の女性は豊かさを手に入れたとともに、その過程で、自由に飛び回る自分の感性に目隠しをして、事業に集中する必要があったことを示唆しています。
ただ、カップの9が男性の孤独を嘲笑うカードではなかったように、このペンタクルの9も彼女が失ったもの、手放した物を嘲笑するためのカードではありません。
人生で何か成し遂げるためには、時には何かに集中する時間が必要であることを教えてくれているカードなのです。
正位置
正位置では事業や経済的な成功が中庸にはたらいていると解釈します。今考えている事業があるのであれば、その事業が順調にすすんでいくことが保証されています。人間関係の問題であっても、自分が計画をしていくことでうまく進んでいくことを示唆します。
またこのカードは問題に対して集中する必要があることも示唆しています。
今取り組んでいる問題に集中することでより多くの結果が得られることが示唆されています
逆位置
逆位置ではこのカードの寓意している事業や経済的な成功が過剰や不足ではたらいていると解釈します。
過剰の場合には、自分の思いにとらわれすぎて柔軟さが失われていることを意味します。逆に不足の場合には、自分の事業にエネルギーが集中できていないこと、それによって十分望む成果が得られない可能性があることを示唆します。
また、救いをもたらす位置でこのカードが出てくる場合には、今まで仕事や事業に集中していた状態から、プライベートや他の面での豊かさが開かれていくことを示唆します。
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