ソードの8
基本的な解釈
目隠しをされた女性が拘束されてぬかるみの中にたっています。
彼女のまわりには剣が突き刺されており、彼女は身動きがとれなくなっているようにみえます。
しかしウェイトはこのカードに対してこのような解釈をつけました。
縛られ、目隠しをされた女性の周りに剣が立っている。このカードは脱出不可能な束縛というよりも、一時的な忍耐をあらわしている。
魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より
つまりこの状況は脱出不可能な状況ではなく、一時的な拘束なのです。
よくみれば、彼女の拘束は杜撰で、つきたてられた剣は背後にしかなく、彼女の前進を阻む物は何もありません。彼女は目隠しさえなければここから自由に抜け出すことができるでしょう。
しかし目隠しをされた彼女は屈辱の泥にまみれ、身動きが取れないと考えてしまっているようです。
8のカードは次のステージへと進むために各スートでおこることを示します。
ソードの10でもたらされる「敗死」に続くステージだと考えるのであれば、これは周囲から孤立し、何かにとらわれてしまうことが敗北へとつながると読むこともできますし、戦いと言う手段に囚われることそのものが「敗死」につながるともとれるでしょう。
また、ソードの10の結末に拘らず、「叡智」というソードのキーワードから「次のステージに進む方法」と考えるのであればここであらわされているのは「無知の知」といえるかもしれません。
「私にはわかっている。知っている」と思ううちは、新たな叡智を手に入れることはありません。「自分は何もわかっていない、見えていない」と自覚することこそが叡智のステージを上がる一歩となります。
いずれにせよこのカードは状況が見えず、何かにとらわれていること、膠着状態にあることをあらわしています。
正位置
正位置の場合は「拘束」「膠着」というこのカードのキーワードが中庸にはたらいていると解釈します。
身動きがとれず、自力では問題解決ができない、この問題に対して自分はあまりに無力であると「感じている」状態です。
ここでの問題は、実際に問題の解決が難しいことではなく、対象者が(実際以上に)問題の解決がむつかしい、と強く感じてしまっていることです。
この女性が目隠しのせいで逃げられなくなっているように、ここでの問題のハードルは問題そのものではなく、「問題が難しい、解決できない」と認識している自分の気持ちです。
ソードの8は、自らが思い込んだり、考え過ぎたりすることで、かえって、解決策がみえなくなってしまっていないか、自分で自分のハードルをあげて不自由においこんでしまっていないかを示唆しています。
逆位置
逆位置は束縛からの解放を示唆します。
問題を乗り越える一番簡単な方法はそれを問題だと認識しないことです。
思考のこだわりや、無理だと感じていた意識の檻から解放され、問題解決や自由にむけた第一歩が踏み出せるようになることが示唆されています。
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