タロットの小アルカナのワンドのクイーン・カップのクイーン・ソードのクイーン・ペンタクルのクイーンの意味をまとめました。正位置・逆位置のほか、恋愛、仕事などそれぞれのシュチュエーション別の意味を学ぶこともできます。
(2023/08/11更新)
解説動画
1.各スートのクイーンのカードの特徴
今度はクイーンのカードだね。ペイジやナイトは服装に結構共通点があったけど、クイーンは雰囲気や服装がかなりバリエーション豊富だね
コートカードでいうと、
ペイジ→ナイト→キングは直線的な成長のイメージなんだけど、クイーンでけはそこからはずれてるからね。スートの個性がそれぞれとてもよく出てるなとおもうよ。
ペイジくんやナイトさんが成長してもクイーンにはなれなさそうだからね。
ペイジがその道をスタートした学生さんで、ナイトがその道を進んでる最中だったと思うんだけど、クイーンはどういう立ち位置なの?
クイーンは、ちょっと俯瞰してる感じで、各スートを深く理解した存在だといえるね。スートの流れを横で静かに眺めてるお母さんって感じだね。
理解した存在?なんかわかるようなわからないような…
ペイジ→ナイト→キングはいってみたら、各スートを「実行してる」プレイヤーなんだけど、それをちょっと客観的に眺めて「観察・理解してる」って感じかな。スポーツなんかでも、プレイヤーの立場だとわからなかったことが、監督や指導側になってわかったりすることってあるんじゃないかなって思うんだ。
クイーンはそのスートの完成を横で見守りつつ「そのスートが本質的に大切にしてる価値観や軸」を誰よりも理解してる存在って感じかな
なるほどね。ある意味でそれぞれのスートの個性が一番出てるカードでもあるんだね。
そうだね。ある意味でここまで各カードを通じて理解したそれぞれのスートについてその本質を理解できているかが問われてるカードでもあると思うよ。
「クイーン」のカードがあらわすもの
小アルカナの各カードはセフィロトの木の各セフィラに対応しています。
クイーンのカードは第3のセフィラである「ビナー」に対応しています。「ビナー」は至高の母をあらわすおのであり、深い理解をあらわすセフィラです。
ペイジーナイトーキングは、1つのラインの成長過程として理解することができますが、クイーンはそれとは独立しています。そのスートをはじめたとき、進めて行ったとき、成し遂げたとき、どのようなことがおこるかはペイジーナイトーキングの流れから理解ができます。
なのになぜ、わざわざクイーンが存在しているのでしょうか?
一つの答えが「4」のカードのときに説明した「三つ組+1で概念が安定する」という構造でしょう。
聖書では信仰対象として「父」「子」「聖霊」という三つのものがでてきますが、これらを「三位一体」として一つのものであると取り扱います。そして、この「三位一体」である「三つ組」を統合したものを「神」と読んでいます。ということで、ある概念が創出されるときには「概念の発現」「概念の認識」「概念の名付け」という三つのプロセスが必要になりますが、その上に、その三つのプロセスを統合する概念があることによって、私たちはその三つ組を安定した一つのものとして取り扱うことができます。
このように、様々な概念は存在するための三つ組と、それを統合して名付けるためのもう一つの名前・概念が必要となるのです。クイーンのカードはペイジーナイトーキングというラインが表すもの全体を理解したもの、そしてペイジーナイトーキングが表すものを包括的にとらえたものと考えると理解がしやすいとおもいます。
2.各カードの一般的な意味
クイーンのカードはペイジーナイトーキングの一連の流れを横で眺めて、深く理解した姿だっていうのはわかったけど、結構絵柄には統一性があって比べやすかったナイトに比べると共通点もなくてちょっとわかりにくいね
そうだねえ。クイーンのカードを理解するためには、「完成」したキングのカードと比べてみて、その本質を理解したら何がおこってるかを考えるといいんじゃないかと僕は思うよ
キングが完成でクイーンが本質の理解…だから、キングを支えてる原理がクイーンに描かれてるってこと?
そういうことだね。実際ワンドのクイーンには「ワンドのキングと性格が同じ」ってアーサー・ウェイトは説明を加えてたりするからね。他のスートも、キングの達成した業績の原動力となったものは何かをクイーンはよく理解してるんだと思うよ。
なるほどねえ…。例えば、ワンドだと、キングは自分の領地の拡大を達成した王様だと思うんだけど、「なんでそもそもそんなことしたの?」っていうモチベーションの理屈がクイーンには描かれてるってこと?
そんな感じだね。ワンドでいうと、ワンドのキングは自分の力を無限に拡大していって、領土を広げていきたい!っていう性質を行使してる様子が描かれてるんだけど、その根底には「生きていることそのもののエネルギーにあふれている」ことがあるんだよね。だからワンドのクイーンは「生きる喜びや情熱」をあらわしてるんだよ。
なるほどね。そんな感じで「キングが達成している偉業の裏にはどんな原動力があるのか」を考えていくとクイーンはわかりやすいんだね。
そのスートの眼に見える「陽」の結果がキングで、眼には見えないけど原動力になっている「陰」の部分がクイーンともいえるね。だからやっぱり、それぞれのスーとへの理解がすごく大切になってくるんだよ
各スートのクイーンの一般的な意味
「スートへの深い理解」がテーマのクイーンのカードは、そのスートを「達成した」キングの原動力や原理が描かれていると考えると理解しやすくなるのかなと思います。
自分のエネルギーの拡大を心から望むワンドのキングの願望の裏には、そもそも生きていることそのものへの喜び、自分を表現することの喜びがあります。そのため、ワンドのクイーンは生きる活力や情熱をあらわします。
自分の思いを形にしていくワンドのキングが、その願望を実現するためには、「イマジネーション」の力と、それを具体的に形にしていく「知性」がどちらも必要です。そのため、カップのクイーンは愛情と知性の両立を表すカードになっています。
障害を乗り越えて自分の願望を達成していく知性をもったソードのキングの行いは、具体的には痛みを伴う判断を受け入れ前に進んでいくことを表します。そのためソードのクイーンでは悲しみや痛みを引き受けてでも、判断を下していかなければいけない厳しさが描かれています。
最後のペンタクルのキングは、派手さはなくてもコツコツと一つのことを継続していくことが、やがては大きな成果につながることを描いています。しかし、この世のいかなる成果物も人間の力だけでは手に入れることができず、結局のところ我々が作る成果物はすべて、「自然」に存在しているものの恩恵を受けたものであり、我々にとっての「成果」とは本質的には受け取る「恩恵」が変形したものであることがペンタクルのクイーンを見るとわかります。
このように、クイーンはペイジーナイトーキングの軸で完成していくそれぞれのスートの裏ではたらく原理や本質を表しています。そのため、他のカード以上にそのスートの本質を深く理解することが求められているのではないかと思います。
エクササイズ1
正位置・逆位置の一般的な意味について、カードの絵をみて考えてみましょう。
いったん、自分の言葉でまとめてみてから次に読み進むことをお勧めします。
それぞれのカードの意味を類推してみよう!
- それぞれのスートのカードの正位置はどんな意味だと思いますか?カードの絵やここまでの説明を参考に自分の言葉で考えてみましょう。
- それぞれのスートのカードの逆位置はどんな意味だと思いますか?カードの絵やここまでの説明を参考に自分の言葉で考えてみましょう。
逆位置については、過剰・不足それぞれ考えましょう。 - 逆位置が必ず悪い意味というわけではありません。逆位置のこのカードがいい意味や、アドバイスで出てきた場合どのように読めばいいでしょうか?考えてみましょう
ワンドのクイーン 図柄の解説
一人の女性が、ひまわりの花と葉の茂ったワンドを手にもって玉座に座っています。彼女の前には首輪のついた黒猫が描かれており、火のエネルギーを彼女が飼い慣らしているのがわかります。
アーサー・ウェイト箱のカードに対して『キングと同じ性格(=熱意があり、柔軟で、活力も気品もある)をもっているが、より魅力的である』と述べています。ワンドのキングはその熱意を自分の外側に勢力を拡大するのに使っていましたが、クイーンは花を咲かせる=魅力的な人生を送るのにそのエネルギーを使っています。
ワンドのクイーンではエネルギーを拡大ではなく、 今を生きる喜びに昇華している姿が描かれています。
キーワード
活気・生力
正位置
正位置では、活力や生きる喜びといったこのカードがもつキーワードが中庸にはたらいていると考えます。前に進むための活力や、問題を乗り越えていく力がうちから湧き上がるのを感じることができるようになるでしょう。前向きに人生を喜び、楽しむ姿勢こそが問題を解決すると教えてくれるカードです。
逆位置
生きるための活力や喜びが不足している状態を表します。同じ状況に置かれても、毎日生き生きと過ごすことができる人もいれば、不満や不安に苛まれながら生きる人もいます。具体的によくないことが起こっているというよりは、置かれた状況に対して、喜びを感じることができなくなってしまっている状態への警告がなされています。
逆位置を不足として読む場合
生きるための活力や喜びが不足している状態を表します。同じ状況に置かれても、毎日生き生きと過ごすことができる人もいれば、不満や不安に苛まれながら生きる人もいます。具体的によくないことが起こっているというよりは、置かれた状況に対して、喜びを感じることができなくなってしまっている状態への警告がなされています。
逆位置を過剰として読む場合
ありあまるパワーが空回りしていることへの警告です。生き生きと毎日を楽しむことができるのはとても素晴らしいことですが、「元気でなければいけない」「明るくいなければいけない」といった他者への押し付けの形になるとやりすぎです。そういったパワーが過剰に有り余っている状況でおせっかいなことをしてしまっていたり、押し付けがましくなっていたりすることへの警告がなされています。
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
落ち着きをとりもどし、冷静になることができることが告げられています。ワンドのクイーンは生きる喜びを表すカードではありますが、毎日常にキラキラし続けるのはかえって疲れてしまうかもしれません。落ち着いて現状を見通すことができるようになったり、冷静に現状をみることができるようになったりといった変化をあらわすと考えることもできます。
カップのクイーン 図柄の解説
優しそうな女性が作り込まれたカップを波打ち際で見つめています。感情を表す水は穏やかに動いており、彼女の内面がとても穏やかなものであることがわかります。
また、手にしている精巧なカップは彼女自ら作ったものであるようです。
アーサー・ウェイトはこのカードに対して『彼女は夢みがちであるながらも、同時にまた行動的であり、その行動がまた彼女の夢を膨らませる』と解説しています。
自分の心に浮かび上がったものを、実際形にしていくときには、源泉となるイマジネーションと、それを実際に形にしていける知性の両方が必要であることを示唆しているカードです。
キーワード
愛着・恵愛
正位置
愛情や優しさを深い知性とともに行使することが求められています。ただ、感情的に本能的に愛情をばらまくのではなく、その人のことを思いやり、深く考え、行動することが求められています。そのため、このカードがでてきたときにはまずあなた自身が対象について深く知り、そして考えることがもとめられています。
逆位置
知性・愛情のどちらかが不足していることによって問題が起きてしまっている状況をあらわします。気持ちはあっても、知性が不足している場合には気持ちばかりが空回りして冷静な対応ができない状況になっているでしょう。逆に知性はあるものの、愛情が不足している場合には、物事に対して機械的に対応をし続けているという状況になります。
逆位置を不足として読む場合
知性・愛情のどちらかが不足していることによって問題が起きてしまっている状況をあらわします。気持ちはあっても、知性が不足している場合には気持ちばかりが空回りして冷静な対応ができない状況になっているでしょう。逆に知性はあるものの、愛情が不足している場合には、物事に対して機械的に対応をし続けているという状況になります。
逆位置を過剰として読む場合
このカードの逆位置は、知性・愛情のバランスが崩れている状況をあらわすため、不足の項目に主な解釈を記載させていただきました。(愛情の不足=知性の過剰、知性の不足=愛情の過剰と解釈できるため、不足の項目で書いた項目が過剰の意味も内包しています)
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
知性・愛情のバランスをあえて崩すことが求められています。例えば、普段はやらないような行動を感情のままに思い切ってとってみたり、逆に、普段なら情で引き受けてしまうことをビジネスライクに断ってみたり、といった、普段と「愛情と知性のバランス」を変えることが問題解決につながると示唆してくれています。
ソードのクイーン 図柄の解説・一般的な意味
一人の女性がまっすぐに剣をもって玉座に座っています。剣を持っていない方の手は何かを手招くようなポーズをしています。
アーサー・ウェイトはこのカードに対して『表情は厳しいが、貞淑で、悲しみ多き女性。慈悲を示すカードではないが、その剣は力のシンボルではない』という解説を加えています。3のカードのところで、ソードの本質には「悲しみ」があると述べました。ソードの道は敵に打ち勝つために厳しい選択を何度も迫られる道であり、クイーンのカードでは、キングでは描かれていなかった、選択に際しての心の痛みや悲しみも描かれています。リスクや痛みを時に引き受ける覚悟をしつつも、判断して進んでいくことが示されています。
キーワード
冷静・怜悧
正位置
痛みをともなう別離、分離をあらわします。
その対象が人であれば痛みをともなう別れとなり、仕事であればそこから離れることを意味するでしょう。また、あなたが愛着をもっている考え方やこれまで馴染んだ方法を手放すことをもとめられているのかもしれません。いずれにせよ、痛みをともなうとわかりながらも、その道を選ぶ必要があることをこのカードは意味しています。
逆位置
逆位置の場合には、正位置で意味されていた「痛みをともなう分離・別離」を受け入れることができず、問題を先延ばしにしてしまっている状態や、現実を直視することができない状況が示唆されています。
先に進むことには痛みをともなうこともるかもしれません。けれども臭いモノに蓋をしたり、傷口を隠してしまうと、それは膿んでより状況が悪化します。思い切って手放す必要がでていることをこのカードの逆位置は示唆しています。
逆位置を不足として読む場合
重要な決断を下すことができない状態への警告です。痛みを伴う決断はとてもつらいものですが、問題を先送理にするだけでは何も解決をしません。自分自身がリスクや痛みを恐れて決断から逃げてしまっていないか見直す必要があることが告げられています
逆位置を過剰として読む場合
早すぎる判断が問題を引き起こす可能性があることが警告されています。決断を下すことは大切ですが、勢いで判断するのではなく、なるべく客観的に状況を判断した上でベストな選択を下すことが大切です。解決を焦るあまり、早まった行動をとってしまっていないか警告してくれています。
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
今はまだ決断をすべきタイミングではないと告げられています。判断材料が十分に集まっていない状況では、判断をしないことがベストな判断であることも多々あります。今は何か決断を下すよりも、決断を下すために必要な情報を集めるタイミングであることが告げられています。また、リスクをとらずに安全に行動する選択肢が残されていないか検討するように告げられている場合もあります。
ペンタクルのクイーン 図柄の解説・一般的な意味
自然豊かな風景の中で野原におかれた玉座に一人の女性が座っています。
アーサー・ウェイトはこのカードに対して『哲学的な思考を好む性格で、深い学識を持っている。ペンタクルを凝視し、その中の世界を見出そうとするかのようだ』と解説しています。ペンタクルは成果物を手に入れること、作り上げることを目的としたスートですが、私たちが自然からあたら得られるものから全く無関係に0からモノを作ることはできず、私たちが作り出したものの背後には必ず神から与えられた恩恵があり、「受け取り」があることを彼女は知っているかのようです。
感謝と喜びの心をもって収穫を受け取る姿が描かれたカードです。
キーワード
恩寵・恩恵
正位置
正位置では、これまでの努力が実り、成果が受け取れることを意味します。
新しいものに手を出してそこの利益を広げていくよりも、今自分がもっているもの、自分ができることを深く理解し、それをつみあげていくことが大きな利益をもたらすことも意味します。今もっているもの、そして何より自分自身をしっかりと評価して、それに対して手をかけていくことが結果につながることを寓意するカードです。
逆位置
逆位置では正位置でのメッセージが過剰や不足ではたらいていると考えます。
不足の場合には、自分の今もっているものや自分自身に対して過小評価をしてしまっており、その結果、じっくりと物事にとりくめなくなってしまっていることが示唆されています。過剰の場合には、今あるものや自分自身が何者であるかということにこだわりすぎてしまって柔軟性を失っていることを寓意します。
逆位置を不足として読む場合
自分が今持っているもの、受けている恩恵のありがたみを感じることができなくなっていることへの警告がなされています。実際に環境が恵まれていないというよりは、自分の中の不足への感情が大きすぎて、今ここにあるものが見えなくなってしまっている状態を指します。また、その結果、自己肯定感が下がってしまっている状況を表す場合もあります。
逆位置を過剰として読む場合
現状への執着や、自分のセルフイメージへの執着が問題につながっていることが警告されています。自分自身や現状に感謝の気持ちを持つことはとても大切ですが、現状や自分自身はどんどん変化をしていくものでもあります。自分自身や置かれた状況の変化を柔軟に受け入れることが求められています。
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
今持っているもの、これまでの自分へのこだわりがいい意味で薄れることが示唆されています。これまで挑戦することが難しかったことにあっさりと挑戦できたり、自分らしくない、と思っていたものを簡単に受け入れられることで、成長していくことができることが暗示されています。
3.各カードの状況別の意味
クイーンは「深い理解」がテーマだけあって、一筋縄では以下ないカードが多い気がするな。
単純にハッピーなだけのカードや、単純に悲しいだけのカードってわけじゃないからね。
そうだね。ただ、その分、いろんな意味に「深読み」しやすくて、案外いろんな状況で読みやすいカードなんじゃないかなって思うよ。
クイーンのカードはわかりやすく「女性」を表すカードだと思うんだけど、実際の鑑定でもこのカードがでてきたら女性の存在を意識したほうがよかったりするの?
ケースバイケースかなあ。実際に、占う人が女性で、誰か気になる人がいて、「気になる人が私のことをどう思っているか」なんてお題でクイーンのカードがでてきたら「(そのクイーンで象徴されるような)性格の人だと思われている」っていう読みはあり得ると思うんだよね。
ただ、それはあくまで「そういうケースもある」ってだけで、あんまり実際の女性だって考えない方がいい気がするんだよね。
そうだよね。誰しも男性性女性性はもってるわけだしね。
そういう価値観の「多様性」の変化に合わせてタロットの読み方を変えていったほうがいいんじゃないかって僕個人は思うよ。昔の本なんかだと「異性としてみられている」っていう表現がたくさんあって、今でももちろん通じる表現だとおもうけど、その表現がNGになりつつある気がするし、単純に「男らしい」「女らしい」なんて表現も時代遅れになったりしてるからね
なるほどね。1900年代に生まれたウェイト版タロットも、当時のまま読むと価値観がそぐわないことがでてくるし、時代や自分の変化に合わせて、カードの読みも変わっていっていいってことなんだね。
そうだね。少なくとも僕は、意識的に時代や自分の変化にあわせて読みを「変化」させていくほうが、「正しい意味」が存在しないこの「タロット」っていう道具にはふさわしいんじゃないかなって思うよ。
エクササイズ2:恋愛・仕事などそれぞれの状況ごとの意味をまとめてみよう
カードの仕事・恋愛・家庭生活など状況ごとの意味をそれぞれのカードの絵をみながら考えてみましょう。
いったん、自分の言葉でまとめてみてから次に読み進むことをお勧めします。
- それぞれのカードが仕事に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
- それぞれのカードが恋愛に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
- それぞれのカードが結婚生活・家庭に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
ワンドのクイーンの状況別の意味
ワンドのクイーンの仕事での意味
正位置
- ワークライフバランスを実現できている
- 待遇だけでなく、仕事の内容や福利厚生も含めて魅力的な仕事
- 仕事だけでなく、プライベートも充実している状態
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 仕事が忙しすぎてプライベートが疎かになっている
- 待遇は決して悪いわけではないのだが、業務内容に魅力を感じていない
- 現在の職場で働き続けることに対して、なんとなく魅力が感じられなくなってしまっている
逆位置を過剰として読む場合
- 自分の感じているやりがいを周囲に押し付けてしまっている
- 良かれと思って他人にやったことが、おせっかいに感じられている
- 私生活や仕事で見栄をはりすぎていることで、かえって苦しい思いをしている
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 「充実させなきゃ」「キラキラしなきゃ」という願望を今は手放すことが大切
- 「当たり前」だと感じていることの中にいい点を探すことで状況がよくなっていく
- 頑張りすぎない、張り切りすぎないことも時には大切
ワンドのクイーンの恋愛での意味
正位置
- 恋する喜びやときめきを素直に楽しむことができる
- 相手にとって、とても魅力的な存在として捉えられている
- 人生を輝かせるような魅力的で、素晴らしい恋愛を楽しめる
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 恋愛そのものに今はあまり魅力を感じることができない
- 条件面では問題はないが、いまひとつときめきがない相手との恋愛
- 惰性で続けている状態の恋愛や片思い
逆位置を過剰として読む場合
- 恋愛へのこだわりが自分自身を苦しめてしまっている
- おせっかい・図々しいと思われてしまっている
- 友人や周囲に対して押し付けがましい恋愛論を語っていることに辟易されている
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 今は無理に出会いや恋愛を楽しもうとしないほうがいい
- 自分の中の「恋愛に対する価値観」を相手に押し付けてしまっていないか気をつける
- 良かれと思ってやったアドバイスが相手に失礼になっていないか考える
ワンドのクイーンの家庭・結婚での意味
正位置
- 魅力的な相手との結婚
- 生きる喜びや活力を生み出してくれる家庭環境
- 家族が明るく、前向きに人生を楽しむことができている
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 客観的にみて不満はないものの、今一つ乗り気になれない結婚
- 大きな問題があるわけではないが、無気力になってしまっている家庭生活
- 家族が成し遂げたい課題に対して無気力になってしまっている状況
逆位置を過剰として読む場合
- 片方の熱意に対して、もう片方がうんざりしてしまっている状態での結婚
- イベントや行事が多く、落ち着くことができない家庭生活
- 良かれとおもってやったことが他の家族には「おせっかい」に見えている
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- お互いに期待しすぎることなく、等身大で向き合うことが大切
- 旅行や家族行事を増やすよりも、いまはのんびりとすごす時間を増やすことが大切
- 「何もない」平和な日々のありがたさ、かけがえのなさを自覚することで生きる喜びを取り戻すことができる
カップのクイーンの状況別の意味
カップのクイーンの仕事での意味
正位置
- 高い理想とそれを実現するスキルが両立している
- 周囲とうまく関係を作りながら、仕事を進めていくことができている
- 思い描いたことを実現する実力をしっかりと持っている
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- やりたいビジョンはあるものの、それを実現する実力がない
- スキルは十分にあるものの、それをうまく活かせるビジョンがない
- 難しく考えすぎて、前にすすめなくなっている
逆位置を過剰として読む場合
- このカードの逆位置は、知性・愛情のバランスが崩れている状況をあらわすため、不足の項目に主な解釈を記載させていただきました。(愛情の不足=知性の過剰、知性の不足=愛情の過剰と解釈できるため、不足の項目で書いた項目が過剰の意味も内包しています)
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- スキル・ビジョンのどちらか自分が苦手だと考える方を身につける手立てを考えたり、他の人の力を借りることによってうまくいく
- これまで試さなかった新しいことに思い切ってチャレンジしてみる
- 仕事を進めていく上で本当に大切にしたかったことは何かを振り返るタイミングがきている
カップのクイーンの恋愛での意味
正位置
- お互いを尊重することができる理想的な関係性を築いくことができる
- 思いやりや気遣いが関係を発展させる
- 一緒にいてお互いが支えとなれるような関係になっていくことができる
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 相手への愛情はあるものの、それを相手に伝えることができていない
- 恋愛に対するノウハウやマニュアルにばかり詳しくなってしまい、目の前の相手に真心で接していくことができなくなっている
- 頭であれこれ考えすぎて、恋愛を前にすすめられなくなっている
逆位置を過剰として読む場合
- このカードの逆位置は、知性・愛情のバランスが崩れている状況をあらわすため、不足の項目に主な解釈を記載させていただきました。(愛情の不足=知性の過剰、知性の不足=愛情の過剰と解釈できるため、不足の項目で書いた項目が過剰の意味も内包しています)
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 自分の感情を理性的に整理して、相手に伝えることが求められている
- ノウハウやテクニックにこだわるよりも、思い切って真心でぶつかっていくことが大切
- 恋愛に関する知識や常識にこだわりすぎない
カップのクイーンの家庭・結婚での意味
正位置
- お互いを思いやり、尊重しながら結婚に向けての話を進めることができる
- お互いが本当に必要なことを理解した上で行動していけることができる家族
- お互いのことを深く理解し、支え合うことができている家族
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 気持ちばかり先走って、相手の立場を考えることができないまま結婚を進めようとしてしまっている
- 体面ばかり気にしすぎてギクシャクしてしまっている結婚や家庭生活
- 家族に関する常識にとらわれすぎることで苦しんでいる家族
逆位置を過剰として読む場合
- このカードの逆位置は、知性・愛情のバランスが崩れている状況をあらわすため、不足の項目に主な解釈を記載させていただきました。(愛情の不足=知性の過剰、知性の不足=愛情の過剰と解釈できるため、不足の項目で書いた項目が過剰の意味も内包しています)
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 愛情だけでなく、家族として生活するための条件について理性的に話し合うことが求められている
- お互いのことを理解するためのコミュニケーションを意図的・積極的に取ることが求められている
- 家族に関する固定概念を手放すことでうまく進んでいくことができる
ソードのクイーンの状況別の意味
ソードのクイーンの仕事での意味
正位置
- 「損切り」が必要なタイミングになっている
- 周囲からの反感を恐れずに、意見・判断を伝える必要がある
- 思い入れのある仕事でも、手放さなければいけないタイミングがきている
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 決断を先送りにすることが問題を大きくしている
- 周囲の反感を恐れて決断を下せないことが、かえって信頼を低下させている
- 手放すべきことを手放せていないことが問題を大きくしてしまっている
逆位置を過剰として読む場合
- 早すぎた判断が損失を大きくしている
- もうダメだと諦めてしまうことが問題を大きくしている
- 悲観的になりすぎており、自分の決断による損失を大きく捉えすぎてしまっている
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 焦らずに状況をよく見て判断をすることが大切
- いまは判断するよりも、損害を小さくするために必要な情報をつめるべき
- 自分だけで決めないで周囲に相談することでより良い選択ができるようになる
ソードのクイーンの恋愛での意味
正位置
- 腐れ縁を断ち切る必要がある
- 幸せな恋愛のためには思いを手放すことも大切
- 痛みをともなう別れや諦めの判断が求められている
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- ずるずると関係を引きずっていることが問題を大きくしている
- 痛みや寂しさを恐れて、決断を下せないことが幸せな恋愛を遠ざけている
- 過去の関係を清算できていないことがトラブルにつながってしまっている
逆位置を過剰として読む場合
- 別れや諦めの判断が早すぎる
- ちょっとしたトラブルで思いを手放してしまうことが幸せな恋愛の妨げになっている
- 相手を些細なことでジャッジしすぎている
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 別れや諦めのタイミングにはまだ早い
- 些細なことで相手をジャッジせず、冷静に相手の人となりや状況を観察する
- 恋愛に対して悲観的になりすぎないことが大切
ソードのクイーンの家庭・結婚での意味
正位置
- 幸せな結婚のためには、痛みをともなう清算や別れが必要とされている
- 家族にとって辛い決断をすることが迫られている
- 痛みを伴う決断をやりきることで、家族にとっての本当の幸せに近づくことができる
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 嫌なことに目を向けず、問題を先送りにしていることが幸せな結婚を遠ざけている
- 都合の悪いことに目を瞑ってしまっていることが家族の問題をかえって大きくしてしまっている
- 甘やかしてしまっていることが家族の問題を大きくしている
逆位置を過剰として読む場合
- 些細なことで相手をジャッジしてしまっていることが幸せな結婚を遠ざけている
- 家族の問題に悲観的になりすぎていることが状況を悪化させている
- 家族から「突き放された」と感じられてしまっている
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 些細なことで相手を判断したり、断罪したりしないように気をつける
- 今はまだ家族に関する重要な決断を下すタイミングではない
- リスクのある選択をするよりも、リスクを避ける方法を考えることで今はうまくいく
ペンタクルのクイーンの状況別の意味
ペンタクルのクイーンの仕事での意味
正位置
- 置かれた状況に感謝の気持ちを持つことで、状況が好転していく
- 環境に恵まれており、安心して仕事に取り組める
- 自分から行動するよりも、周囲の人にうまく働いてもらうための環境を作る方がうまくいく
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 周囲への感謝が疎かになっていることで協力が得られなくなっている
- 環境が恵まれておらず、十分な力を発揮することができていない
- 自分や周囲が気持ちよく働くための環境が整っていない
逆位置を過剰として読む場合
- 周囲に依存しすぎてしまっていることが仕事を進める上でのハードルになっている
- 受け身になりすぎていることが仕事を進める上での問題になっている
- 自分から積極的に仕事を提案することができていない
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 周囲の人に自ら働きかけたり感謝を伝えることで仕事が円滑にすすむ
- 受け身になりすぎているので自分から発信していくことが大切
- 困った時には自分から声をあげて助けを求めていく必要がある
ペンタクルのクイーンの恋愛での意味
正位置
- 周囲の人々の協力もあって、関係を発展させていくことができる
- 今すでにあるご縁を大切にしていくことで幸せな恋愛につながる
- 感謝の気持ちを忘れず、相手に伝えていくことで関係が発展していく
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 関係発展に対して周囲からの協力が得られない
- 今所属しているコミュニティを蔑ろにしていることが関係の発展の妨げになっている
- 状況に対して不満を探してしまっていることが関係発展の妨害になっている
逆位置を過剰として読む場合
- 受け身になりすぎていることが恋愛の発展の妨害になっている
- 「相手からどう思われているか」を気にしすぎていることが関係発展の妨げになっている
- 自分から行動を起こすことができていないことが一番の課題になっている
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 相手から愛されることや、反応をもらうことに期待するよりも自分から行動する方が大切
- 相手からどう思われるかではなく、自分がどうなっていきたいかに焦点を当てる
- 置かれた状況に不満を探すよりも、恵まれているところを探して感謝をしていくことが大切
ペンタクルのクイーンの家庭・結婚での意味
正位置
- 周囲の人に支えられながら結婚に向けての話を進めていくことができる
- 親戚・周囲からの援助を受けることができる
- お互いに感謝の気持ちを忘れず、暖かい関係を作っていくことができる
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 親戚・周囲から理解や援助が得られない結婚
- 周囲からの支援が期待できないことが家族生活にくらい影を落としている
- お互いがやってくれていることに対して感謝の気持ちが不足している家族生活
逆位置を過剰として読む場合
- 親戚・周囲からの意見や援助が大きすぎるからこそ、自分たちの希望を叶えることが難しい結婚
- 親戚・周囲からの支援が大きすぎて自分たちの意見を通すことができなくなっている状況
- お互いがお互いに依存的になりすぎている家族生活
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 周囲や親族からの理解や援助に期待するより、自分たちでできることをベースに結婚の話を進めていく
- 自分たちの力だけで進められることをベースに家族の問題に取り組んでいく
- お互いが自立した関係を取り戻す必要がある
前のお話
次のお話
1 小アルカナクイーンのカードの特徴
クイーンのカードがあらわすもの
2 各カードの一般的な意味
各スートのクイーンの一般的な意味
ーエクササイズ1 それぞれのカードの意味を考えてみよう
ーワンドのクイーン 図柄の解説・一般的な意味
ーカップのクイーン 図柄の解説・一般的な意味
ーソードのクイーン 図柄の解説・一般的な意味
ーペンタクルのクイーン 図柄の解説・一般的な意味
3 各カードの状況別の意味
ーエクササイズ2 それぞれのカードの状況別の意味を考えてみよう
ーワンドのクイーンの状況別の意味
ーカップのクイーンの状況別の意味
ーソードのクイーンの状況別の意味
ーペンタクルのクイーンの状況別の意味