ウェイト版タロットのペンタクルのナイトの意味の解説です。(2023/10/20改定)
解説動画
ペンタクルのナイト 図柄の解説・一般的な意味
真っ黒な馬に跨ったナイトがペンタクルを携えています。ペイジでは夢中になってペンタクルに見入っていましたが、アーサー・ウェイトによると、『(ナイトは)スートのシンボルであるペンタクルを手にしているが、中を覗き込んではいない』と解説しています。ナイトがまたがっている馬に対しても『歩みが遅く、辛抱強く、重量感のある馬』と解説しており、『馬の性質は彼(ナイト)自身の性格の反映でもある』と述べています。ペイジでは対象に夢中になっていましたが、彼は対象を冷静に眺め、それに対して具体的な努力を辛抱強く重ねることができることが表現されています。
目的のために、根気良くコツコツと取り組み、やがては大きな成果を上げることができる勤勉な姿が描かれています。
キーワード
勤勉・実直
一般的な意味
正位置
正位置では、修練・勤勉・忍耐といったこのカードの持つキーワードが中庸にはたらくと考えます。このカードが出た場合、状況はすぐにはかわらないかもしれません。また、すぐに結果が望めるわけではなさそうです。ですが、地道な努力を重ねていくことで成果が必ず得られることが示唆されています。またこのカードは、勤勉で誠実な人との出会いを寓意している場合もあります。
逆位置
逆位置では正位置でのキーワードが過剰や不足として働いていると考えます。
不足の場合には、地道な努力や勤勉さがたりないこと、怠惰になってしまっていることへの警告がなされます。
過剰の場合には努力に対して意識が過剰になってしまっており、ちょっとした失敗で心が折れてしまう脆さが警告されています。努力すること、勤勉であることに対して過剰な価値を見出さないようにと警告してくれています。
逆位置を不足として読む場合
勤勉さが不足していることへの警告です。「コスパ」「タイパ」といった効率が求められる昨今ですが、何事もやはり取り組みから結果がでるまでには時間がかかることも多いです。今やろうと思っていることに対して面倒くさがらずに時間をかけてとりくむことが求められています。
逆位置を過剰として読む場合
努力への期待値や意識が過剰になっていることへの警告です。コツコツと努力をすることは大切ですが、ただ闇雲に努力だけをしていればいい、ということでもありません。今取り組んでいることに対して自分がやっていることが効率が悪い方法になってしまっていないか見直すことが求められています。
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
一つのことに集中して闇雲に努力するよりも、視野を広げたりリラックスするのに時間をつかうことが今は大切であることが告げられています。毎日コツコツ積み上げることはとても素敵なことですが、そのことにだけ専念することが必ずしも最適な手段とは限りません。単純にリラックすることが求められていたり、準備よりも実行を求められていることを表す場合もあります。
状況別の意味
仕事での意味
正位置
- プロジェクトの成功にむけて実直な努力を重ねることができる
- 今すぐには結果には結びつかないかもしれないが、正しい方向性で努力を進めることができている
- 長期的な視点でとりくむことが成功につながる
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 忍耐や辛抱強さに欠けていることが成功を妨げている
- コロコロとやることを変えていることが問題につながっている
- 結果を焦ってよくない状況になっている
逆位置を過剰として読む場合
- 準備に時間をかけすぎて実行のタイミングをのがそうとしている
- 努力することが目的になってしまっており、本来何のためにやっていたのか忘れてしまっている
- 合理性を欠いた、自己満足の努力への警告
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 今は準備はスキルアップよりも、実行に時間をつかうべき
- 「努力」を美徳と捉えすぎず、効率化することも考える
- 不合理な努力をしてしまっていないか取り組みを見直すタイミングがきている
恋愛での意味
正位置
- 大切にしたい相手を見つけて、コツコツと信頼を積み上げることができている
- すぐには結果にはつながらないが、これまでのアプローチが着実に結果に結びついている
- 少しずつ発展していく、末長く続く関係
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- 関係の発展への焦りが二人の関係の発展を妨げている
- 自分の気持ちが定まらず、一人の相手を思い続けることができない
- 関係の発展の速度が遅いことで何もかも嫌になりそうになっている
逆位置を過剰として読む場合
- 信頼関係を構築することに慎重になりすぎていることが関係の発展を妨げている
- 長く友人を続けすぎたせいで、かえって関係が進めにくくなっている
- 長い時間の関係が二人の間に倦怠や飽きを生んでいる
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 十分な信頼関係は得られているので思い切ったアプローチが求められている
- 変化を恐れないことが大切
- 恋愛を意識する決定的な行動を取ることが求められている
結婚・家庭での意味
正位置
- 結婚に向けて着実に準備を重ねていくことができている状況
- 家族の目標に対して粘り強く、慎重に取り組んでいくことができる家族
- 家族で叶えたいことに対してコツコツと時間をかけて備えていくことができている
逆位置
逆位置を不足として読む場合
- お互いの忍耐のなさが、幸せな結婚の成就の妨げになっている
- 家族それぞれのペースを尊重することができず、焦りがでてしまっている
- 落ち着かない家庭環境が家族の夢を叶えることの妨げとなっている
逆位置を過剰として読む場合
- 結婚に向けて万全な準備をととのえようとすることがかえって結婚そのものを遠ざけている
- マンネリ化して変わり映えのない生活が家族によくない影響を及ぼしている
- 夢の実現に対して思い切った行動がとれず、停滞につながっている
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
- 具体的な結婚の時期を先に決めてしまうことが今は大切
- 思い切った挑戦やチャレンジも恐れないことが求められている
- 変化やリスクをひきうけることで家族が大きく前に進むことができる
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