タロットの大アルカナの月のカードの意味をまとめました。正位置・逆位置のほか、恋愛、仕事などそれぞれのシュチュエーション別の意味を学ぶこともできます。
(2022/10/10更新)
解説動画
1 月の概要・キーワード
星の次は月のカードだね。きれいなカードだけど、月の表情が険しそうだったり、ちょっと不安な気持ちにもなるカードだね
そうだねえ。ホップのいうとおり、獣が這い上がってきてたり、月の表情が険しかったり色々気になるところはあるんだけど、僕がこの絵で一番気になるのは月齢かなあ。
月齢って、お月様のかたちのこと?
そうだよ。もしもホップが「お月さまの絵をかいて」っていわれたらどんな絵を描く?
え?突然だなあ…。うーん…そうだなあ。満月が描きやすそうだけど、丸だけだったら月だってわかりにくいだろうから、三日月とかに描くかなあ?
そう。普通、「おつきさまの絵を書いて」っていわれたら満月だったり、三日月だったり、特定の月齢のお月さまを描くと思うんだ。
でもこのタロットの月ってどの月齢に見える?
うーん…ぱっと見の形は満月だけど中の月の顔にだけ注目したら三日月みたいに見えるし…変な補助戦みたいなのに注目したら半月にも見えるなあ。
そういえば、あえて何のお月様かわかりにくく書いてるような気がするね。
そうなんだよね。このカードには嘘とか裏切りって意味がもあるんだけど、僕たちは毎日同じおつきさまをみてるはずなのにおつきさまは毎日顔をかえる。しかも月は自転していない星だから、月の裏側を見ることは僕たちは決してないんだ。
なるほどね。おつきさまの「コロコロ顔が変わる」ことを表すためにこんなふうに何のお月さまかわからないような書き方をしてるんだね。
月 図柄の解説
アーサー・ウェイトはこの月のカードに対して『月で表される表面的な精神は、物静かに安らぎを知らぬ意識下の光景を眺めている』と説明しています。つまり、これは、顕在意識が、潜在意識(水)から這い上がってくる獣性を眺めている様子なのです。
また、月は月齢があえてわからないように描かれていて、潜在意識を見守る顕在意識はコロコロと姿を変えることも表しています。このカードは欺瞞や幻滅や裏切りの痛みを表します。しかし、アーサー・ウェイトはマルセイユ版にはなかった曲がりくねった道をこのカードに加えました。顕在意識はコロコロと移り変わり、潜在意識の中から獣が這い上がってくることを止めることはできません。しかし、その迷い戸惑う人の心の動きがやがて真実にたどり着けることも、このカードは教えてくれています。
キーワード
欺瞞・流転
2 月の正位置・逆位置の意味
図柄の説明はなんとなくわかったんだけど、「嘘」とか「裏切り」って逆位置の過剰や不足って設定しにくい気がするなあ。
「嘘」「裏切り」の意味が有名なカードではあるんだけど、その根底は絵柄をみているかぎり、「信じられないものがある」ってことなんじゃないかなって思うんだよね。
うん?「信じられない=嘘」じゃないの?「信じられないものがある」のと「嘘や裏切り」って何がちがうの?
「信じられないもの」が具体的な人である場合には「嘘」や「裏切り」って表現すると思うよ。でも、そうじゃなくて、たとえば自分を取り巻く環境とか、仕事における状況とか「人じゃないもの」が「信じられない」場合は「嘘」や「裏切り」って言わないと思うんだよね。
あ、そっか。「信じられない」のは「人間」とは限らないもんね。
そんなふうに、「信じられない」対象を人だけじゃなくて周囲の状況にまで拡張していいことにしたら、「信じられない」ことが過剰にはたらくことや、「信じられないこと」が逆に不足しているってどういうことなのかは考えやすいんじゃないかなって思うよ。
エクササイズ1:正位置の意味・逆位置の意味を考えてみましょう
正位置・逆位置の一般的な意味について、カードの絵をみて考えてみましょう。
いったん、自分の言葉でまとめてみてから次に読み進むことをお勧めします。
- このカードの正位置はどんな意味だと思いますか?カードの絵やここまでの説明を参考に自分の言葉で考えてみましょう。
- このカードの逆位置はどんな意味だと思いますか?カードの絵やここまでの説明を参考に自分の言葉で考えてみましょう。
逆位置については、過剰・不足それぞれ考えましょう。 - 逆位置のカードが必ず悪い意味というわけではありません。逆位置のこのカードがいい意味や、アドバイスで出てきた場合どのように読めばいいでしょうか?考えてみましょう
月の正位置・逆位置の意味
正位置
欺瞞や裏切り・流転がキーワードになります。私たちが「裏切られた」「嘘を付かれた」「被害にあった」と感じる時には必ず、相手に対する期待があります。環境に『期待』し続ける限り、私たちは永遠に『被害者』を演じ続けることができます。でも、あなたが『被害者』ではなく、前に進むことを選ぶ『選択者』になることができれば、そこには必ず道があらわれます。月は裏切りや誠意のなさを暗示しています。それは、他の人からもたらされる場合もあればあなた自身があなたや周囲を裏切ることを示す場合もあるでしょう。しかしその困難は乗り越えることができることもまた暗示しています。
逆位置
嘘や欺瞞から「脱出」する意味合いが強まります。
また、「裏切られないこと」への執着を暗示する場合もあります。
嘘や裏切りはつらいものですが、嘘や裏切りから覚めることで真実に気がつくこともあります。逆に、「独善」に陥ることを警告している場合もあります。ある問題に対して、分かりやすい解決策が見つかればそれに飛びつきたくなりますが、実際には問題の原因がたった一つである事は稀です。すべての物事は、Aであるとわかったところで、Bではないことの証明にはなりません。「あなたの正義」だけが「正義」だと決めつけないようにしましょう。
逆位置を不足として読む場合
嘘や裏切り、不安定な状況から脱することができることを表します。心の迷いが収まり、大切にすべきものがはっきりと見えてくることを表しています
逆位置を過剰として読む場合
火のないところに煙を立ててしまっている行為、本当は問題がないところに不和は不安定を見出してしまっている状況を表します。疑心暗鬼になりすぎてなにもないところによくない種を見出そうとしてしまっていることへの警告です
逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合
不安定な状況から抜け出したり、信じられなかったものから解放され、信じるべきものが見えてくることを暗示します。また、本当に大切にすべきものを見定める必要があることを表す場合もあります
3 月の恋愛、仕事など状況別の意味
「嘘」や「裏切り」に限定しちゃうと、仕事だと読みにくかったり、恋愛でも「初めてあった人から嘘つかれてるってどういうこと?!」みたいな不思議なことが起きそうだけど、「人」以外のものも含めて「信じられないものがある」って解釈するといろんな状況で読みやすそうだよね。
そうなんだよね。仕事だと、仕事を取り巻く環境がコロコロ変わっちゃうことは十分考えられるし、恋愛であっても、「好き」「嫌い」っていう気持ちだけじゃなくて、お互いの置かれてる環境の変化が恋愛に影響を及ぼすことも十分あると思うんだ。
困ったら、「カードに何が描かれているか」を見直して、そこから意味をひろげていったらいい、っていう感じ、僕にもちょっと掴めてきたような気がするな。
エクササイズ2:恋愛・仕事などそれぞれの状況ごとの意味をまとめてみよう
カードの仕事・恋愛・家庭生活など状況ごとの意味をカードの絵をみながら考えてみましょう。
いったん、自分の言葉でまとめてみてから次に読み進むことをお勧めします。
- このカードが仕事に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
- このカードが恋愛に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
- このカードが結婚生活・家庭に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
3-1 月の仕事での意味
正位置
- 状況が一定せず、先が見通せないため、決断を下せない
- 関係者や仕事先に対して不明な情報や信じられないことがあり、ビジネスを進めにくくなっている
- 明らかになっていない物事が多く、見通しがたてにくい
逆位置
不足として読む場合
- 不明だった状況に対して必要な情報が入り、正しい判断を下せるようになる
- 迷っていたものに対して、状況が明らかになり、正しい判断を下せるようになる
- 関係者や仕事先の担当者と信頼関係を作ることができ、安心して進んでいける
過剰として読む場合
- 関係者や仕事先の人を疑いすぎて、問題がないのにもかかわらず過剰な不信感を抱いてしまっている
- 疑い深くなり過ぎて前に進めなくなっている
- 過去のトラブルや行き違いが尾をひいてしまっており、信頼関係を結ぶことができなくなっている
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- あれこれと迷ったことで、かえって正しい選択をできるようになっている
- これまで迷っていたことやわからなかったことに、すっきりとした解決策がでる
- 関係者や仕事先の人を信頼することができるようになる
3-2 月の恋愛での意味
正位置
- 相手の状況がよくわからず、不安な状態が続く
- すでに相手に別の相手がいたり、浮気が疑われてしまう状況になる
- 相手や自分の状況が変わっていく可能性があり、先行きが見通せない
逆位置
不足として読む場合
- 疑いが晴れてスッキリした状態で向き合うことができる
- 恐れていたことから解放され、本当に大切なことに気づけるようになる
- 相手や自分の状況が安定し、先行きが見通せるようになる
過剰として読む場合
- (過去の経験などから)疑い深くなりすぎてしまっている
- 相手の些細な言動を大きく捉え過ぎて、勝手に不信に陥ってしまっている
- 第三者からのあてにならない情報にふりまわされすぎている
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- 懸念していたこと、心配していたことが現実ではないとわかり安心することができる
- 相手の正しい情報を手に入れることができて、今後のアプローチや先行きに対して具体的なめどをたてることができる。
- 相手や自分の状況が安定し、恋愛に向けて前向きに考えることができるようになる
3-3 月の家庭・結婚での意味
正位置
- パートナーや家族のことを信頼することができない
- 浮気や裏切りなどの可能性
- 自分達をとりまく状況がコロコロ変わっており、先行きが見通せない
逆位置
不足として読む場合
- パートナーや家族に対する疑惑が晴れてすっきりとすることができる
- うわついた気持ちが収まり、本当に大切なものを優先することができるようになる
- 不明だった状況の見通しがつくようになり、落ち着いて家族やパートナーに向き合えるようになる
過剰として読む場合
- 家族やパートナーに対して疑い深くなりすぎている
- 相手を信用して待つことができないことが問題を引き起こしてしまう
- (過去の経験などから)家族やパートナーを信用することができなくなっている
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
- 家族やパートナーを信じることができるようになる
- 家族やパートナーの気持ちがわからず、不安だった状況から、気持ちが通じ合って信頼しあうことができるようになる
- お互いの疑念をきちんとぶつけることで、再び相手を信用することができるようになる
次のお話
前のお話
1 月の概要・キーワード
2 月の正位置・逆位置の意味
エクササイズ1:自分の言葉で考えてみよう
月の正位置・逆位置の意味
3 月の恋愛、仕事など状況別の意味
エクササイズ2:恋愛、仕事、家庭など状況別に考えよう
3-1 月の仕事での意味
3-2 月の恋愛での意味
3-3 月の家庭・結婚での意味