タロット意味:08 力(正位置)


カード概要

キーワード

理性、自律

カードの説明

柔らかな衣装を身につけた女性が、猛獣と向き合っています。あろうことか、彼女は猛獣の大きく開いた口に手をかけています。それでも彼女は平然としています。マルセイユ版とウェイト版にそこまで大きな構図の違いはありませんが、マルセイユ板では、女性がライオンの上にまたがって、「征服している」印象を与えるのに対して、ウェイト版では、女性はライオンに優しく寄り添い、その口を大きく開かせています。また、ウェイト版では、魔術師の男性のように、彼女の頭上にはウロボロスのマークが描かれ、彼女が神性を持った存在であることが描かれています。
マルセイユ板では、このカードは11番目に置かれていますが、ウェイト版では正義と順番が入れ替えられ、9番目のカードとなりました。アーサー・ウェイトはこの入れ替えに関する明確な説明を残していません。しかし、「戦車」の次にこのカードが来ていることに、わたしは、意味を感じます。
「ちゃんと向き合えば、鎧なんて必要ないのよ。あなたが、恐れている、そのもの自身に。」
一つ前の戦車の絵にも猛獣は描かれていましたが、戦車の青年は鎧を身にまとい、猛獣たちと彼が向き合うことはありませんでした。彼が猛獣を扱えていたのは、彼が猛獣に対して一切の意識を払っていなかったからです。まるで、巨大な潜在意識の上に、潜在意識に対して直接は無意識な顕在意識が乗っているように。しかし、彼女は柔らかな衣服しか身にまとっておらず、かつ、猛獣としっかりと向き合っています。猛獣は一番の武器である牙で嚙みつくどころか、その牙をしっかりと掴まれてしまって、彼女に為すすべがないようです。
「誰の心にだって、けだものがいるわ。あなたがそれに向き合いさえすればいいのよ。」
わたしたちは、自分の弱さや、情動に対して、つい、それを抑えこもうとしたり、目を背けたりしようとします。魔術師の項目でも述べましたが、ニーチェは、人の成長の3段階の2段階目に、「汝なすべし」のドラゴンと、「我は欲す」のライオンの対決を置きました。「我は欲す」のライオンに対する対処の1つの答えが、ライオンと徹底的に向き合い、ライオンを受け入れることであると、この「力」のカードは説明しているような気がします。
理性と本能は力づくで対決するものではありません。理性が自分の本能の存在を認め、その荒々しさも含めたすべてと向き合うことで、理性は本能を手なづけることができるとこのカードは告げています。

正位置の力「向き合うのよ。あなたの中の恐れと。」

正位置では力の持つ「理性」や「自律」といったキーワードをポジティブに解釈します。
アーサー・ウェイトが、わざわざ戦車の次にこのカードを持ってきたことが、このカードの解釈の第一歩ではないかと思います。戦車では向き合わなかった獣と人が、このカードでは向き合っています。また、戦車の獣は人面のスフィンクスでしたが、このカードでは完全なる獣です。戦車を牽く獣は、「男性性ー女性性」「光ー闇」といった、人が名前を付けられる、定義をすることができる、もっというと、人がカテゴライズした二項対立する力を表しているのに対し、戦車の獣は人が名前をつけることができない、漠然とした、人の中の恐ろしい本能や、恐れなのではないかと思います。

わたしたちが自分の意思で行動することができない、と感じるのは、わたしたちが何らかの「恐れ」に突き動かされている時です。詐欺や脅迫的な上司が行う手段がその典型です。将来の不安や、職場でのこの先の立ち位置についての恐怖を煽り、その恐怖によって判断力が鈍っている時に、詐欺師は高価な商品を、脅迫的な上司は無理な仕事を押し付けてきます。「恐れ」のライオンの前で竦み上がってしまったら正常な判断は下せないのです。

「恐れ」を感じる心そのものは、動物としては正常です。気候の変動により、アフリカ大陸から森林が減少し、やむなく、森から草原に出て、直立二足歩行を始めた私たちの祖先は、身を隠すもののない草原で、外敵に囲まれながら生きていくしかありませんでした。当然、そこで生き延びることができたのは、近く猛獣に対して敏感に反応することができる者たちでした。その子孫である私たちが、「恐れ」に対して敏感に反応するのは当然の事です。

しかし、その「恐れ」に対して反応する本能に引きずられ、正常に反応できなくなってしまうことがあるのも事実です。ではどうすればいいのか。

「認めて仕舞えばいいのよ。あなたの中の恐れも。そうすれば、「恐れ」は「恐れ」以上の意味は持たないわ。」

猛獣は、洞窟の中にいるから恐ろしいのであって、渇いた日向に引きずり出してしまえば、単なる1匹の動物です。「力」の女性は、あなたが自分の中の本能的で説明不可能な「恐れ」としっかりと向き合って、具体的な姿を与えることによって、逆に無力化できることを教えてくれています。

このカードからのアドバイス

一般的なアドバイス

問題の本質をしっかりと見極めましょう。
私たちは嫌なことがあると、ついつい、そこから目を背けたくなってしまいます。しかし、問題の先送りは何の解決にもなりません。まずは、あなたが問題の一番核心となっているポイントに、勇気を持って向き合うことが大切です。
ネットや本の中には、たくさんの解決法が転がっていることでしょう。友達に相談することで、解決策が得られることもあるでしょう。しかし、それは、あなたが問題の本質を正しく理解していることが大前提です。

まずは、問題の本質と向き合いましょう。そうすれば、きっと、解決不可能だと感じられた問題が、実は、あなたの力で解決することができる問題だということに気がつくはずです。勇気を出して、ライオンの口に手をかけましょう。

恋愛向けのアドバイス

相手の気持ちにしっかりと向き合いましょう。
力の女性が対峙するライオンは、私たちの中の漠然とした恐れや、本能の抗いがたい力を表していますが、恋愛に於いて、一番私たちが恐れるのは「相手が私をどう思っているか」ということではないでしょうか。
茶化したり、はぐらかしたり、ごまかしたりすることなく、しっかりと相手の気持ちに向き合いましょう。
ひょっとしたら、相手はあなたに正直な気持ちをなかなか話してくれなかったり、あなたに気持ちを伝えることそのものを面倒だと言ってくるかもしれません。であれば、その「正直な気持ちを話さないこと」や、「気持ちを伝えることが面倒だ」と感じている相手の気持ちにまずはしっかりと向き合ってください。
相手の気持ちに対して向き合う時、実は私たちは「私の気持ち」にも向き合っています。
相手の思いに対して覚悟を決めることで、私たちは、私の気持ちも制御できるようになります。勇気を持って、相手の正直な気持ちと向き合い、罵倒したり、取り乱したりすることなく、「力」の女性のようにしっかりと受け止めましょう。

お仕事・転機に向けてのアドバイス

困難や、トラブルに対して、しっかりと向き合いましょう。
あなたは今、お仕事やこの先の将来に対して、何らかのトラブルや不安を抱えているかもしれません。しかし、臭いものに蓋をすれば、腐敗は進行し、また、厄介者扱いをして攻撃をすれば、必ず反撃を喰らいます。
あなたの中の本能的な恐れに惑わされることなく、困難やトラブルに勇気を出してしっかりと向き合いましょう。
一時的に大変なこともあるかもしれませんが、「力」の正位置を引くことができたあなたの中には、この困難を乗り越えるだけのポテンシャルはすでに備わっています。
この困難を乗り切ることによって、人間的に、新しいステージへと進んでいくことができるでしょう。

参考画像・文献

ウェイト版の図柄


By パメラ・コールマン・スミス Holly Voleyによる1909年版のスキャン画像。ファイルは http://www.sacred-texts.com/tarot/ より

マルセイユ版の図柄


By Jean Dodal (http://www.tarot-history.com/Jean-Dodal/) [Public domain], via Wikimedia Commons

参考文献

E.フロム「自由からの逃走」

今すぐタロット占い体験してみませんか?


むぎのタロット オンライン鑑定



お悩み事、お困りごとをオンラインで相談してみませんか?
1件1000円から、以下のメニューからお悩み相談が可能です。


また、以下のページからココナラに新規ご登録いただくと、無料ポイント300ポイント(300円分)をおつけすることができます。


ご利用ください。


可愛いタロットをゲットしよう!


このサイトで使っている可愛いタロットカードをいますぐ手に入れてみませんか?



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUTこの記事をかいた人

小学校の時にタロットに出会って以来、かれこれ20年以上タロットを取り扱っている。多くの人を占うだけではなく、自作のタロットを作るに至る。大学では分子生物学を専攻。趣味はイラストとゲーム作り。本業の傍ら、タロットを自由に楽しむ人が増えればいいなという思いからサイトを作る。