タロット意味:05 法王・司祭(正位置)

カード概要

キーワード

信仰・慈悲

カードの説明

信徒に囲まれた身分の高い聖職者が描かれています。体の向きこそ違っていますが、マルセイユ版と、ウェイト版でそれほど大幅な絵柄の変更は見られません。ウェイト版では、衣服に描かれた3つの十字架、三又に分かれた笏、王冠の頂点の不自然な3本の線、(法王を入れて)3人の信徒、2本の柱の間に立つ法王という3つの並び立つもの、何より法王自身も、掲げた両の手と合わせて3本柱を構成しているなど、「3」という数字が繰り返し現れるのは、「父・子・精霊」のキリスト教の三位一体を表しているのかもしれません。
「祈りましょう。神の前では、我々は皆等しい子羊なのです。」
同じ聖職者(だと思われる)女教皇は、柱の奥に身を置き、ベールで体を隠していましたが、彼は柱より前に立ち、人々の前にその姿を現しています。女教皇が共有不可能な神秘を象徴していたのに対して、彼は信じることを選んだすべての人々と共有できる、信仰を象徴しています。

聖書では、人間は神の似姿として創造されたと記されています。しかし、エデンの園で知恵の木の実を食べたことで、人間は楽園を追放され、子孫代々にわたって生まれながらの罪(=原罪)を背負うことになりました。人は自分だけの力で原罪を取り除くことはできません。アウグスティヌスは、原罪を選んでしまった人間の意志ではなく、神と、神の似姿に作られた自分自身への信仰と祈りに救いを求めました。神頼み、というと、なんだか当てにならないことのように感じるかもしれませんが、社会秩序を司る皇帝の次の番号に、信仰の象徴たる法王が座しているのは、人間の意志の限界を、超越した存在に委ねることで乗り越える術を提示しているのかもしれません。
「この世界を形作る、石のひとかけら、虫の一匹でさえ、神の恩寵無くしては存在することができません。祈りましょう。そして、感謝しましょう。あなたのいるこの世界全てに。」
宇宙から、地球を眺めた宇宙飛行士たちの多くは、宗教的回心に目覚めるそうです。
圧倒的に何もない宇宙の中で、この地球は、命に溢れた奇跡の星です。法王は、人の意志を超えた万物の恩寵に気がつくことが、癒しと救済の第一歩だと私たちに教えてくれているのかもしれません。

正位置の法王「信じましょう。『信じる』ことができる人は、もう救われているのです」

正位置では、法王の信仰や慈愛をポジティブに解釈します。
日本は世界的に見ても、宗教に対して一種のアレルギー反応を示す国ですが、実は、人が文明を築くには宗教的なバックボーンが不可欠です。かつては、原始的な移動生活を行う狩猟採集民族が、いつの頃からか定住・農耕生活を開始し、そこで宗教的な行事が執り行われるようになり、村や町が発展したと考えられていましたが、最近の研究で、太古の人々は、はじめに「宗教的な活動」を行うために、わざわざ不便を犯して定住生活を始め、その後、農耕などの技術が発達したことが明らかとなりました。人の言葉を真似する動物や、道具を使う動物はいますが、何らかの象徴に神聖を見出し、生存には直接無関係な宗教的な活動を行う動物は未だ観察されていません。また、宗教的祭事=祭り事はそのまま、政(まつりごと)に直結します。実際、メソポタミア文明やエジプト文明など、世界四大文明の支配者階級は神官などの司祭階級でした。何かを信仰する事は、決して怪しげな事ではなく、人間が文明的・文化的な発達を遂げるのに必要不可欠な事だったのです。
足りない物、不足しているものに目を向ければ、人はいくらでも不満や不安を溜め込む事ができます。人知を尽くしてありとあらゆる困難を人類は乗り越えてきましたが、それでも未だ、戦争はなくならず、病気がこの世から消えることはなく、最後は必ず死を迎えます。立ちはだかる困難に唾を吐き続けるよりも、人知を超えた偉大な物の働きを認め、その恩寵を信じて、恵みに感謝していく生き方の方が、「穏やか」で「癒し」に満ちているのではないでしょうか。
正位置の法王は、特定の宗教への帰依というよりは、初めから与えられている恵みに気がつき、感謝することによってもたらされる恩寵をあなたに伝えています。
「祈りましょう。たとえ、わたくしの神とあなたの神の御名が違ったとしても、この恩寵に気がつかれたあなたは、幸いなのですから。」
法王は、今日も、静かに祈っています。

このカードからのアドバイス

一般的なアドバイス

周りの人の力を借りてみましょう。あなた一人だけで問題を抱えることはありませんし、あなた一人で解決しなければいけないわけでもありません。誰かに思い切って心を開いてみましょう。

高校生のとき、こんな話を聞きました。「ある男が砂浜を歩いていた。砂浜には2組の足跡が並んでいる。一つは男のもの。もう一つは男に寄り添う神のものだった。しかし、ある時、男の目には一組の足跡しか見えなくなった。それは、男が生涯の中で最も苦しい思いをした時期だった。再び、2組の足跡が見えるようになった時、男は神に尋ねた。『どうして、あなたは私が一番辛い時に、私を一人にしてしまったのですか。』と。神は答えた。『一人になどしていない。あの時、私は、あなたを背負って歩いていた。』と。」

どんなにしんどくても、辛くても、たった一人でも、自分の苦悩を理解してくれる人が居たら、私たちは大きな力を得ることができます。あなたは今たった一人で辛い思いをしているかもしれません。ですが、その悩みを人と共有することで、たとえ解決策が得られなかったとしても、あなたに救いが訪れるはずです。

まずは、その辛い思いを、誰かに打ち明けてみましょう。時には思い切り、人前で泣いてしまっても構いません。誰かに話すことができた時、あなたはすでにその重荷を半分下ろしているのです。

恋愛向けのアドバイス

信頼できる友達に、真剣に相談してみましょう。私たちは、深刻な問題ほど、誰かに相談することをためらったり、相談できたとしても、全然平気ではないくせに、平気なふりをしたり、笑い話にして話そうとします。本気でその傷や問題に向き合って仕舞うと、自分が壊れてしまうような気がするからです。
真剣な思い、悩みになればなるほど、否定されてしまった時のダメージに耐えられず、なかなか、本音を打ち明ける気にはならないかもしれません。ですが、あなたが本当に真剣な思いで、ふざけずに、茶化さずに、自分の思いを打ち明けるのであれば、あなたの本当に信頼できる友達ならば、あなたの思いを真剣に受け止めてくれるのではないでしょうか。

「相談したってどうにかなる問題じゃないし」「こんなこと言ったらどう思われるかわからないし」
ぐるぐる回る不信感は一旦脇に置いておいて、まずは、本当に信頼できる人に相談してみましょう。話しているうちに、問題点がすっきりして、解決策が見えるかもしれませんし、問題そのものが実は大したことなかったと気がつくかもしれません。
あなた一人で重荷を背負わず、信頼できる人に相談してみましょう。

お仕事・転機に向けてのアドバイス

自分より経験豊富な人に相談をしてみましょう。今や、終身雇用神話は崩壊し、多かれ少なかれ、人は不安定な状況での労働を余儀なくされています。あなたの抱えている不安は、あなただけのものではないかもしれません。身近に経験者が居なければ、親や兄弟でも構いませんし、公的なカウンセリングサービスを利用しても構いません。行きつけのお店のご主人なんかでもいいかもしれません。最近は、お寺や教会で、門徒や信者以外でもお話を聞いてくれるところも出てきました。(参考文献の所に、無料あるいは安価でお話を聞いてくれるお寺のリンクを貼っておきました。どちらも、宗教勧誘等は一切されません。)あなたよりも、人生経験が豊富な人に相談してみましょう。
上の2つのアドバイスでも書きましたが、誰かに相談することそのもので、問題がすっきりすることもよくあります。あなた一人で抱え込まずに、第三者の力を借りましょう。

参考画像・文献

ウェイト版の図柄


By パメラ・コールマン・スミス Holly Voleyによる1909年版のスキャン画像。ファイルは http://www.sacred-texts.com/tarot/ より

マルセイユ版の図柄


By Jean Dodal (http://www.tarot-history.com/Jean-Dodal/) [Public domain], via Wikimedia Commons

参考文献

A.アウグスティヌス「告白」

参考リンク

門徒以外にも開放されている相談窓口
みんなのお寺(東京都・神田・神保町):表通りの雑居ビルの2階にあります。瞑想(500円)や、写経・写仏(1000円)も体験できます。
寺カフェ(東京都・代官山):普通のカフェですが、お仏壇があり、時間になると、お勤めが始まったり、オプションでお坊さんとじっくりお話をすることができます。数珠作りや、写経なども体験できます。


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ABOUTこの記事をかいた人

小学校の時にタロットに出会って以来、かれこれ20年以上タロットを取り扱っている。多くの人を占うだけではなく、自作のタロットを作るに至る。大学では分子生物学を専攻。趣味はイラストとゲーム作り。本業の傍ら、タロットを自由に楽しむ人が増えればいいなという思いからサイトを作る。