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第40話:小アルカナを学ぼう その14 キング

むぎのタロット講座

第40話:小アルカナを学ぼう その14 キング

このお話で学べること

各カードのキングのカードの意味を理解しよう

40 キングのカードを学ぼう

むぎのタロットのワンドのキングです
むぎのタロットカップのキング
むぎのタロットのソードのキングです
むぎのタロットのペンタクルのキングです
ホップ
ついに小アルカナもおしまいまできたね。
むぎ
大アルカナから数えて40話目になるから、いっぱいしゃべったよねえ。
キングのカードはセフィロトの樹では第二セフィラのコクマーに該当するよ。
セフィロトの樹とコートカード
ホップ
キングのカードは各スートの個性がすごいあらわれてるよね。
ワンドやソードはいかにも王様ってかんじだけど、カップなんかは言われないと王様にはみえないなぁ
むぎ
そうだねぇ。
キングは各スートの道を完遂した姿だって思ってもらうといいかなとおもうよ
ペイジーナイトが歩んできた道を最後まで進んだ姿って考えるとわかりやすいかな。
ホップ
その会社の社長さんって感じだね
でも、クイーンはそのスートを深く理解したときにおこることってかんじだったよね?それとはどうちがうの?
むぎ
クイーンはそのスートをちょっと客観的にみていて、なおかつ、そこから得られるものを受動しているイメージなんだよ。
でもキングはそのスートの実行者としての完成であり、能動的にそのスートがもたらす物を運用してるイメージなんだよね
ホップ
あ、クイーンは女帝っぽかったけどキングは皇帝っぽいってこと?
むぎ
皇帝(=emperor)と王様(=king)は全く同じではないけど、似ているところはあるだろうね。
自分が主体となって行動していくところなんかは似てるところだとおもうよ
いずれにせよキングのカードを理解するには、それぞれのスートの持つ力で何かを成し遂げるってどういうことなのかを考えるのがいいと思うよ

40-1 キングのカードの概要

各スートのキングのカードは、セフィロトの樹の第二セフィラのコクマー(叡智)に対応しており、そのスートにおいての完成・成功がもたらすものを寓意します。
セフィロトの樹とコートカード
ペイジが歩み始め、ナイトが実行していった各スートの道を完遂したあと得られるものが描かれています。
コートカードを人物に見立て、相談者のイメージに近い物をシグニフィケーターとよばれるカードとして選出してそのカードをその人の象徴として出しておいてから占う方法があります。
その場合、キングは年配の男性を。クイーンは既婚の女性をあらわしたりするのですが、リーディングにおいてキングがでたから必ず男性、クイーンがでたら必ず女性として読む必要はないのかなとおもいます。
キングのカードを解釈するためには、各スートの性質をよく理解することと、ペイジーナイトで表されていた流れをよく理解することが大切になってきます。

40-2 ワンドのキング

スート×番号のもつ意味
  • ワンドの意味:活動、アクション、動き、冒険、挑戦
  • キング(コクマー:叡智):各スートにおいての完成、成功がもたらすもの
  • むぎのタロットのワンドのキングです
    ホップ
    クイーンもそうだったけど、なんかワンドが一番王様らしい格好してるよね。
    クイーンの横には猫ちゃんがいたけど、キングの横には真っ黒な蜥蜴がいるんだね
    むぎ
    服にも蜥蜴がかいてあるけど、火の精霊(=サラマンダー)は蜥蜴の姿をしてると考えられてたんだ。だから彼は火を従えている人ってことになるね
    ホップ
    なんか暑そうなところにいるしね。
    この人はどんな人なの?
    むぎ
    ウェイトはこんな説明を加えてるね

    このカードに登場する王は、熱意があり、柔軟で、活力も気品もある。手には花の咲いたワンドをもち、他のスートの王と同様王冠の下には棒状の指揮帽を被っている。王座にはライオンのシンボルがかかれている。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    ホップ
    お花咲いてなくない???ワンド

    むぎ
    咲いてないよね
    僕もびっくりしちゃってウェイト版の元の絵見返しちゃったけど、お花咲いてないね。
    ただ、クイーンがひまわりの花をもっていたように、キングもまた花をもっていてほしい、ってウェイトが思ってたって考えると少し理解しやすくなるのかなっておもうんだよね
    ホップ
    どういうこと?
    むぎ
    生命力にあふれているワンドは、それぞれのワンドから葉が出ている。葉はなんのためにそもそもつくものかっていうと光合成で植物の成長に必要な炭素化合物を作るためだよね
    ホップ
    栄養ってざっくりいわないところがむぎのよくないところだと本当思うよ
    むぎ
    だって本当だもん。いいじゃん。
    んで、その植物が何のために葉で栄養を作るのかっていうと、最終的には次の代に命を残せる花を咲かせるためなんだよね
    つまり、花っていうのは一つの成果であり完成形なんだよ
    ホップ
    成果が得られることを花開くとかいったりすることあるもんね
    むぎ
    そうだね。
    だからこのキングっていうのは熱意や活力をもって、何かを成し遂げた人を表すんだよ。
    クイーンはその活力を自分の人生を豊かにするために使っていたけど、キングはその活力をプロジェクトの完遂につかってるかんじだね。
    ただペンタクルのキングと違って、その得られた成果物にフォーカスしてるんじゃなくて、自分の成果そのもの、自分の力の拡大そのものにフォーカスしてるって考えたらいいんじゃないかなって思うよ

    基本的な解釈

    立派な身なりの男性が王座に座っています。側にはトカゲが控えており、彼の背後のタペストリーやマントにもたくさんのトカゲが描かれています。
    これは、火の精霊(=サラマンダー)がトカゲの姿をしていることに由来しています。トカゲのモチーフはペイジやナイトでも描かれていましたがキングに描かれているトカゲは尻尾が頭と十分にくっつくぐらいには成長しており、ペイジやナイトではじめたことが完成している様子がここでも伺えます。
    ウェイトはこのカードに対してこのような説明を加えています。

    このカードに登場する王は、熱意があり、柔軟で、活力も気品もある。手には花の咲いたワンドをもち、他のスートの王と同様王冠の下には棒状の指揮帽を被っている。王座にはライオンのシンボルがかかれている。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    熱意や活力についてはワンドのクイーンも持ち合わせている性格でしたが、クイーンがその熱意や活力を自分の人生が豊かになることに注力していたのに対し、キングは自分の勢力を拡大していくことに注力をしています。
    このカードは自分の熱意や活力や行動が成果に結びついている様子を描いています。

    正位置

    ワンドのキングの正位置は、自らの熱意や活力によって成功が得られることを示唆しています。
    このカードが出てきたとき、望んでいることの成功がもたらされる可能性は十分にありますが、そのためには他力本願ではなく、自らの力・熱意が必要となってきます。
    また、問題に対して乗り越えていく活力や熱意がわきあがってくることを示唆する場合もあります。

    逆位置

    逆位置の場合は、正位置で寓意されたものが過剰や不足にはたらいていると考えます。
    不足の場合には完成のための熱意や活力が不足してしまっており、少し冷笑的な態度になっていることへの警告がなされています。
    また過剰の場合は熱意や活力の押し付けがましさを警告してくれています。
    「頑張ってる感をだすこと」と「頑張ってること」は全く違います。また、エネルギッシュで活力に満ちていることは素敵なことですが、合理的な方法をとらず、むやみやたらと発散をするのではエネルギーの浪費と同じです。
    正しい熱意や活力の生かし方ができていないことが寓意されています。
    救いとしてこのカードがもたらされる場合には、全力で進んでいた状況から良い意味でメインストリームをはずれることができることを示唆する場合もあります

    40-3 カップのキング

    スート×番号のもつ意味
  • カップの意味:精神、閃きの受容、愛情、喜び、空想、受動性
  • キング(コクマー:叡智):各スートにおいての完成、成功がもたらすもの
  • むぎのタロットカップのキング
    ホップ
    この人どこにいるの??
    そして、カップのキングってなんか王様っていうよりお金持ちの商人みたいな格好してるよね。
    むぎ
    カップって、水に対応するスートなのに数字のカードには案外「海」や「波」のモチーフってあんまりでてこないんだけど、コートカードはナイト以外は海や波を感じるカードになってるよね。クイーンは穏やかな波打ち際にいたけど、キングは海の真っ只中にいるよね。
    ホップ
    本当、海のど真ん中で何してんの?この人ってかんじだけど、実際何してるところなの??このカード
    むぎ
    ウェイトはこのカードにこんな説明をしてるね

    左手に短い笏を、右手に立派なカップをもった王。彼の王座は海上に据えられ、その左右には船ととびはねるイルカがみえる。カップのサインは水のエレメントと関連するが、各サインに関連するエレメントはコート・カードに典型的に表現されている。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    ホップ
    海上に据えられた王座とかマジなんのいじめ?
    むぎ
    まぁ、水のエレメントの王様だからね。
    多分この人泳ぐの好きなんじゃん?(適当)
    ホップ
    てか…イルカなの????左側にいるやつ

    むぎ
    ウェイトがイルカっていうんだったらイルカなんじゃん?
    ぼくも、自分がカード描き間違えたんじゃないかなって思って見返しちゃったよ
    ホップ
    なんかウェイトの説明で、この絵が何をかいてるものなのかはだいたいわかったんだけど、この人が結局どういう人なのかはよくわかんないね
    むぎ
    それについては正位置の解説を見るといいかもね

    公正な男性。ビジネスマン。法律家。宗教家。責任。質問者を世話しようと思っている人物。芸術。科学。法律。あるいはそうしたものを教える人。創造的知性。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    ホップ
    ちょっと意味広すぎない?
    ブルーカラーほぼ全部はいるじゃん
    むぎ
    そうだねえ。ここでのポイントは「ここに含まれない仕事」を考えてみることかもしれないなっておもうよ。
    ホップ
    どういうこと?
    むぎ
    カップのキングとしてたくさんの職業が挙げられてるんだけど、職人や農業・漁業・林業従事者みたいなものは含まれていない。ここに取り扱われている人たちっていうのはすべて形のないもの、概念的なものを扱う人たちなんだよね。そして極め付けは「創造的知性」っていう一言がそえられてる。つまり。カップのキングで描かれているものっていうのは、人が頭の中で考えたものを実際に形にしていく仕事のことなんだよ
    ホップ
    ああ、なるほどね。法律にしても科学にしても芸術にしても、「これがそれそのものです」って掴んで形にできるものは無いもんね。
    でも、カップってなんかもっと愛とか感情とか素敵なもののイメージがあるんだけど、なんでこんな現実的なの?
    むぎ
    それはキングが、そのスートがもたらすものを社会的な形にする人だからだよ。
    クイーンはそのスートをもつものを、自分の人生の中で、パーソナルに展開する方法を提案しがちだけど、キングはみんなが共通して触れる形にするパブリックな性格があるからなんだよね。
    カップについてもカップが寓意する愛情だったり感情だったりっていうのは形がないんだけど、それをみんなが触れる形にするには知性の運用が必要で、そして知性と愛情や感情や精神的な概念が結びつくと学問になったり、ビジネスになったりするんだよね
    ホップ
    ああ、なるほどね。
    ペイジやナイトが夢にみていたことをキングはちゃんと形にしてるってかんじなんだね
    むぎ
    そういうことになるね

    基本的な解釈

    海の真っ只中に、一人の男性が座っています。男性は立派なカップと笏をもっており、身につけているものにも魚や海のモチーフがあふれています。
    ウェイトはこのカードにこのような説明を加えています。

    左手に短い笏を、右手に立派なカップをもった王。彼の王座は海上に据えられ、その左右には船ととびはねるイルカがみえる。カップのサインは水のエレメントと関連するが、各サインに関連するエレメントはコート・カードに典型的に表現されている。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    彼は水のエレメントの王であることがここで描かれています。
    では彼はどのような性質をもった人物なのでしょうか?ウェイトはこのカードの正位置にこのような説明を加えています。

    公正な男性。ビジネスマン。法律家。宗教家。責任。質問者を世話しようと思っている人物。芸術。科学。法律。あるいはそうしたものを教える人。創造的知性。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    ここで描かれていることは多岐にわたっており、また、実際の占いでは必ずしもコートカードが人物をあらわす位置に出るとは限らず、この説明だけではどのように読むのか悩ましいのではないでしょうか。
    ここでのポイントは、ここで描かれている仕事の共通点を考えることです。
    法律家、宗教家、科学おおよそ相反する分野も含めて様々なものが挙げられていますが、これらに共通する点は「形のないもの」「人間の頭の中にあるもの」を「実際の形のある世界」の中でとりあつかっていくものであるということです。
    この中には職人、農業従事者、工作人など「形のある物を作り上げることが主業務」の職業はとりあげられていません。
    また、ウェイトはこの説明の最後を「創造的知性」という言葉で締め括っています。このことから、カップのキングが人々の頭の中にあるものを知性でもって形にしていく性質をもった人物であることが伺えます。
    このカードは知性で自らの考えたことやインスピレーションを形にしていくことを示唆しています。

    正位置

    創造性や知性を表すカードです。このカードがでてきたときには、あなたが知性をもって自分の考えを形にしていくことが求められています。少し魔術師のカードにも似ていますが、魔術師が物事のスタートも寓意したのに対して、カップのキングはどちらかというと完成にむけてのフェーズです。
    あなたが望んでいることを形にするためには、熱意や根性が必要なのではなく、むしろあなたの自由な創造力をもっと働かせて、そしてそれが実現可能な形で実行していくことが大切だといわれています。
    人間関係の問題の場合であっても、あなたの知性や創造力が状況を好転していくことを示唆しています。

    逆位置

    逆位置の場合は、正位置で描かれていたものが過剰や不足ではたらいていると考えます。
    不足の場合には創造力の欠如や考えていることを形にしていく能力が不足していることが示唆されます。
    過剰の場合には「知性」があやまった運用をされており、カップの寓意している「愛情」「理性」からかけ離れた運用がされてしまっていることが示唆されています。
    知性というのは素晴らしいものですが、その使い方に「愛」がなければ「利益がでたらなんでもいい」というような利己的な考えになってしまいます。
    知性の使い方が利己的になってしまっていないか、そんなことへの警告がなされています。

    40-4 ソードのキング

    スート×番号のもつ意味
  • ソードの意味:知性、闘争、対立、怒り、感情の乱れ、知性の使用
  • キング(コクマー:叡智):各スートにおいての完成、成功がもたらすもの
  • むぎのタロットのソードのキングです
    ホップ
    ソードはキングも格好いいよね。サラディン的な中東の格好いい王様感あるよね。
    でもソードだから悲しい説明ついてるんでしょ?
    むぎ
    そうでもないよ。ウェイトの説明はこんなかんじだね

    ここに登場する王は裁判を行う者であり、抜き身の剣を手にしている。その姿は大アルカナの伝統的な「正義」のシンボルを思い出させる。彼は「正義」を表現し、殺生与奪の権利を握る立場にある。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    ホップ
    殺生与奪の権を他人に握らせるな!!ってこと?かっこいいじゃん。
    むぎ
    その人水の人だけどね。
    ソードは風だから対応としてはこの人なんだろうねえ
    ホップ
    あ…たしかにソードっぽい。
    なんか、クイーンにわけてあげてほしいぐらい、キングの説明普通に格好いいね
    むぎ
    そうだね。ただ、無邪気に自分の覇道をすすめてたナイトと違って、キングは「自分の剣は誰かを殺して誰かを生かすことを選択してしまえる剣だ」って自覚しちゃってるんだよね
    だから彼の後ろの雲はとまっちゃってる。
    ただ、彼は自分が斬られる覚悟もおそらくできてるだろうから、クイーンのような悲しみは寓意してないんだよね
    ホップ
    基本、ソードって覚悟完了してるよね。
    むぎ
    そうだねえ。このカードはウェイトが説明しているとおり、正義のカードに似ていて、自分の意識で取捨選択をばつっと決めていくカードなんだけど、正義と違って、公正かどうかを気にするよりも、自分の意思できっぱりときめていくっていう方に重きがおかれてる気がするね

    基本的な解釈

    威厳のある王が剣をもって王座にすわっています。ソードは厳しさをともなうスートですが、ウェイトはこのカードにこのような説明を加えています。

    ここに登場する王は裁判を行う者であり、抜き身の剣を手にしている。その姿は大アルカナの伝統的な「正義」のシンボルを思い出させる。彼は「正義」を表現し、殺生与奪の権利を握る立場にある。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    実際、このカードは正義のカードに構図がよく似ています。ですが、正義では剣は垂直にたてられており、公平さを示す天秤が描かれていたのに対して、キングのカードでは剣は斜めになっており、また、もう片方の手には何も握られていません。このことから、彼は公平に何か判断を下す人というよりは、自分が生かすものと殺すものの判断をし、そして自らの手でそれを実行していく人であることがわかります。
    自分の正義を無邪気に信じることができていたソードのナイトは、ガラハッドのように勇しく進むことができましたが、ソードのキングは「正義は一過性のものではなく、戦いとはどちらが正しいとか間違っているではなく、異なる正義のぶつかりあいだ」と理解しているように見えます。ただ、十分に強い彼はそこで、その剣をとめるのではなく、「自分が絶対に正しいとは思わない。でも、この剣をとるときめたのであれば、私は私の責任をもって殺生与奪を決めていく」と覚悟をきめているように見えます。
    このカードは自分の意思で何かを決めていくこと、時には痛みをともなう判断であっても、自分が決めた道であれば道をまげてはいけないことを示唆しています。

    正位置

    決意・決断を寓意するカードです。正義のカードにも少し似ていますが、正義が客観的に公正、公平であることを重じていたのに対して、ソードのキングは「あなたがどう思うか」「あなたがどう判断するのか」というあなたの決意そのものに重きをおいています。剣はどうしても痛みを伴います。ですが、ソードのキングはリスクがあったとしても、決断を下す必要があることを告げてくれています。

    逆位置

    逆位置の場合には正位置でのキーワードが過剰や不足にはたらきます。
    不足の場合には、自分で決めることができないこと、気持ちがフラフラと揺れ動いてしまうことへの警告がなされています。
    逆位置の場合は、このカードがもつ「裁き」の負の側面が大きく出てきます。歴史上の暴君と呼ばれる人々は、しばしば「粛清」をおこないました。権力は言うなれば理由つきで特定の人に「暴力」を委任することですが、その権力を振るう人の判断があやまっていれば大量虐殺や気に入らない臣下の処刑ということにつながっていきます。
    実際の生活ではこのような粛清にあうことは、ほぼないでしょうが、ここからわかるのは「決めつけ」によって人はどこまでも残酷になれるということです。
    逆位置のソードのキングは、あなたが決めつけで誰かを捌いてしまっていないかを警告してくれています。
    救いとしてこのカードが出てくる場合には、決定権者の重積から逃れることができることを示唆する場合もあります。

    40-5 ペンタクルのキング

    スート×番号のもつ意味
  • ペンタクルの意味:収穫、完成品。財産。自然が生み出すもの。家族。
  • キング(コクマー:叡智):各スートにおいての完成、成功がもたらすもの
  • むぎのタロットのペンタクルのキングです
    ホップ
    なんか、4人の中で一番お金持ちそうな王様だね。
    むぎ
    財産や成果物をあらわすスートだから、完成をあらわす場合はこういう「形あるモノ」にかこまれることになるよね
    ホップ
    一歩まちがうと散らかってるようにもみえるんだけど、このカードってどういうカードなの?
    むぎ
    実は説明も結構ちらかってるんだよね

    ここに登場する王の顔は幾分暗く、勇気はあるがどこか無気力な傾向を示している。雄牛の顔はしばしば王座に描かれるシンボルとして注意すべきである。
    このスートのサインであるコインにはペンタグラムが描かれているが、それは人間の性質の4要素と、それを支配するものの照応をあらわしている。多くの古い版のタロットでは、これは通貨やコインをあらわすカードであった。この新しい版においても、私はペンタクルに代る象徴を発明し得なかったし、これ以上のシンボルを支持する特別な理由もない。
    とはいえ、占いの意味に関して言えば従来の解釈に若干の変更が認められるべきである。このシンボルは特に金銭に関する事物だけを取り扱うという訳ではないからだ。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト 「タロット公式テキストブック」より

    ホップ
    え?ちゃんとキングの説明して???
    しかもペンタクルの説明も中途半端じゃん…
    むぎ
    なんか説明やたらと長いんだけど、思わせぶりなことを言ってて結論をはっきり言ってくれてない印象なんだよね。
    これだけだと、キングの性質はわからないから、正位置の解釈もみてみるよ

    勇気。実際的な知性。ビジネス。ノーマルな知能。数学の才能とその道での業績。成功
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    ホップ
    なんかしれっとディスられてない?
    ノーマルな知能って、なんか、手放しで褒めてもらえてたカップのキングとかワンドのキングとかとだいぶ違う気がするよ?
    むぎ
    原書よんだことないから、「ノーマルの知能」っていうのが何を指してるのかは判断がむつかしいけど、一つわかることが、抽象的な概念をとりあつかうカップに比べて、実際のモノを目的とするペンタクルの場合は、高度な抽象概念を理解するための知能よりも、「どうやったら作物がよく実るか」とか「いいものがつくれるか」っていう具体度の高い知能のほうが大切だっていうふうに考えることができるとはおもうよ
    ホップ
    あ、なるほど。ノーマルっていうのは度合いに対して使ってるんじゃなくて対象に対して使ってる形容詞ってことね。
    むぎ
    そういうことになるね。
    このカードはある意味当たり前のことしかいってないかもしれない。着実な努力と確かな知識が成功を導くっていう、当たり前すぎて誰も本にかかないようなことを言ってるのかもしれない。でも、当たり前のことって誰でもできることじゃないんだ。
    彼はソードのような勇気もなければ、カップのような奇抜な発想力もないかもしれない。
    ワンドほど活力に満ちていないかもしれない。
    でも、最後まで生き残るのはこのペンタクルのキングかもしれないとおもうんだよね
    ホップ
    たしかに。漫画の主役とかにはあんまりならないタイプかもしれないし、目立ちにくいかもしれないけど、当たり前のことをコツコツつみあげるってすごく大事なことだよね
    むぎ
    このカードは、地道な努力を重ねていくことが実を結ぶこと、いい意味での愚直さが最後には勝利を収めることを教えてくれているカードなんじゃないかなとおもうよ

    基本的な解釈

    物静かな男性が、ペンタクルをじっとみつめています。彼の背後には立派な城があり、ブドウなどの作物に彼自身も囲まれています。ウェイトはこのカードにこのような説明を加えていました。

    ここに登場する王の顔は幾分暗く、勇気はあるがどこか無気力な傾向を示している。雄牛の顔はしばしば王座に描かれるシンボルとして注意すべきである。
    このスートのサインであるコインにはペンタグラムが描かれているが、それは人間の性質の4要素と、それを支配するものの照応をあらわしている。多くの古い版のタロットでは、これは通貨やコインをあらわすカードであった。この新しい版においても、私はペンタクルに代る象徴を発明し得なかったし、これ以上のシンボルを支持する特別な理由もない。
    とはいえ、占いの意味に関して言えば従来の解釈に若干の変更が認められるべきである。このシンボルは特に金銭に関する事物だけを取り扱うという訳ではないからだ。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト 「タロット公式テキストブック」より

    ペンタクルのキングの説明はどこか歯切れがわるく、また、キングそのものよりもペンタクルそのものへの説明が多いように感じます。
    正位置のこのカードについての説明も引用すると

    勇気。実際的な知性。ビジネス。ノーマルな知能。数学の才能とその道での業績。成功
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    となっており、他のキングたちとくらべて、その特徴が少し掴みにくいように感じます。
    その「掴みにくさ」こそが、ペンタクルのキングの特徴ではないかと私は感じます。
    なぜペンタクルのキングの特徴が「つかみにくい」かというとあまりにも当たり前のことを述べていて、他のキングたちのような華々しさがないからではないかとおもいます。
    ペンタクルのキングが伝えていることは、「勤勉に、今あるものに対して向き合い続けることをやめなければ、それはやがて大きな成果をあなたにもたらす」ということです。
    彼はソードのような勇気もなければ、カップのような発想力もなく、ワンドのような活力も不足しているかもしれません。それでも彼はゆっくりと歩む雄牛のように、淡々と、決してあゆみをやめない王なのです。
    タロット占いをする人は、しばしば、「魔法の答え」をタロットカードに期待しがちです。そんなときにこのカードが出てくると、「コツコツ努力を重ねれば成果がえられる」という当たり前すぎる答えが帰ってきてがっかりする人もいるのではないかとおもいます。ですが、当たり前のことを一体どれほどの人ができているでしょうか?
    ワンドのキングは忍耐と勤勉がもたらす勝利を静かに示してくれているカードです

    正位置

    地道な努力を重ねて成果を得ることが寓意されています。
    すこし吊された男に性格がにていなくもないですが、ペンタクルのキングはかならずしも「つらい試練」を寓意するわけではありません。むしろ、何かドラマチックな試練や出来事があると、人ははりきるものですが、私たちの人生を決めていくのは実は大半の「普通の日々」です。ワンドのキングは「今できる努力」を焦らずコツコツと積み重ねていくこと、「これに意味があるの???成長してるの???」と疑問をもつよりも、ただ積み重ねていくことで、いつのまにか誰にも到達できないような素晴らしい成果が積み上がっていることを教えてくれています。
    速やかな問題解決や、華々しい結果を求める人からすると、このカードは物足りないかもしれません。ですが、彼は「当たり前だとおもっていることの中にこそ、あなたの本当の価値をつくりあげてくれるものが隠れている」と深く理解して、信じてくれる人です。焦らず、地道な努力をつみあげていくことの大切さをキングは教えてくれています。

    逆位置

    逆位置の場合は正位置での意味が過剰や不足に働いていると考えます。不足している場合には、シンプルに地道な努力がかけていることや、何か手を抜いてしまっていないかということに対する警告になってきます。
    過剰の場合には、方法を検討することなく、愚直に同じことを続けてしまっており、「何のためにそれをはじめたのか」を忘れてしまって、努力が方法ではなく目的になってしまっていないかを警告してくれています。
    救いとしてこのカードがもたらされる場合には、それまで変化の少なかった生活に良い意味で変化がもたらされることを示唆する場合もあります

    前のおはなし

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    yuki
    小学校の時にタロットに出会って以来、かれこれ20年以上タロットを取り扱っている。多くの人を占うだけではなく、自作のタロットを作るに至る。大学では分子生物学を専攻。趣味はイラストとゲーム作り。本業の傍ら、タロットを自由に楽しむ人が増えればいいなという思いからサイトを作る。