むぎのタロットの作者から直接タロットを学びませんか?むぎのタロットスクール・オンラインサロン好評開催中!

第36話:小アルカナを学ぼう その11 10のカード

むぎのタロット講座

第36話:小アルカナを学ぼう その11 10のカード

このお話で学べること

各カードの10のカードの意味を理解しよう

34 10のカードを学ぼう

ホップ
…ああ…どのスートも、立ち始めてたフラグがきれいに回収された感あるねぇ。
てか、ソードこっわ!
むぎ
10のカードは第10セフィラのマルクトに対応してる。
それぞれしかるべきオチがついたよね
セフィロトの樹
ホップ
ああ…なんかそういう意味ではソードは納得だなぁ。
限られた資源を奪い合うゼロサムゲームは最後は必ず自分の死で終わるよね。
むぎ
そうだねぇ。個人的には3、9、10を比べてもらうことで、そのスートの本質やストーリーが見えてくるとおもってるよ
ホップ
アーサー・ウェイトはソードに親でも殺されたの?
むぎ
ほんとにね。
このページ、PCやタブレットからだと、それぞれのカーが3枚横に並ぶレイアウトで配置してるから、もし今スマホで見てる人はPCブラウズに切り替えてもらうといいかもね。
自分で言ってみたことだけど、あらためて、この3枚をならべるとそれぞれのスートの世界観がよく見えるよね。
勢力の拡大を意図するワンドは無限の競争を生み出し、無限の世界と有限の人間というギャップからオーバーワークに陥る。
分かち合いや愛情の受け取りを意図するカップは、豊かさと愛にみちた関係をつくりあげる。
限られた物を奪い合うソードは必ず悲しみを生み出す。
そしてコツコツと形ある物をつくりあげていくペンタクルは、本人が死んだ後も受け継がれる財産をつくりあげていく
ホップ
なるほどねぇ。そういうふうにいわれたらそれぞれのスートの個性がつかみやすいね。
あ、今回わかりやすすぎてすっかりわすれてたけどいつものおじさんは10のことなんていってるの?
むぎ
エリファス・レヴィは10についてはこんな風に説明してるね。

「ゲブラ」と「ケセド」の上に存在するもの、それは「至高の王冠」
さくにもふれた「主祷文(パテル)」の隠秘学・カバラ的唱句の中で「マルクト」の名のもとに示されている、均衡を授けるちから、すなわち世界の原理、均衡のとれた王国の原理である。
ところで、上では「王冠」によって、下では「王国」によって均衡状態にたもたれる「厳格(ゲブラ)」と「慈悲(ケセド)」とは、抽象的観点からも、また具体的観点からも眺めることができる二原理である。抽象的すなわち理念化されたかたちでは、「知恵(コクマ)」と「知能(ビナ)」というさらにすぐれた名称を授けられる。具体的な形をとるときは、安定と進歩、すなわち永遠と勝利、「ホド」と「ネツァ」という名称を授けられる。
これが、「カバラ」の教義に従えば、すべての宗教すべての学問の基礎、万物に適応できる不動の根本概念であり、要するに三つ組からなる三角形と一個の円、理念の領域においてはそれ自体で自己増殖する均衡によって説明できる三つ組の理念、次いでこの概念の具体的実現というかたちであらわされるのである。
人文書院 エリファス・レヴィ「高等魔術の教理と祭儀」ー教理篇ー

ホップ
はじめっからこうやって全部説明してくれたらよかったじゃん…
エリファス・レヴィどしたの?突然10でわかりやすくかけるようになったの??
むぎ
10についての説明のところで、カバラとは何か、そしてセフィロトの樹の中でどう読むかをわかりやすくまとめてくれてるからね。
ぶっちゃけ、この記事はエリファス・レヴィの本を1から読み返しながら書いてるんだけど、最初からここを要約しなおせばよかったってちょっと思ってるよ。ただ、僕としては足掻きながらまとめたことで勉強になったかな。
上の引用なんだけど、セフィロトの樹と対応させるとより話がわかりやすくなるね
セフィロトの樹
むぎ
セフィロトの樹は、ケテル(王冠)がトップにあって、マルクト(王国)が一番下にある。
レヴィはその真ん中にあるものとして、5のゲブラ(峻厳)と4のケセド(慈悲)を上げている。これはそのまま、セフィロトの樹を3本柱として解釈した場合の、峻厳の柱、慈悲の柱にも対応する。
この峻厳と慈悲が両サイドにあることでケテルとマルクトをつなぐ均衡がたもたれる。
セフィロトの樹
むぎ
そして5のゲブラ(峻厳)をより抽象化したものが3のビナー(知能・理解)で、具体的な形にしたものがホド(栄光・永遠)であって、4のケセド(慈悲)をより抽象化したものが2のコクマー(知恵)で、具体化したものが7のネツァク(勝利)だっていってるんだ。
ホップ
あ、つまりセフィロトの樹って上にいけばいくほど抽象度が高くて、下に行けばいくほど具体的なんだね。
でも、知識と知恵の違いがわかりにくかったり、なんか似たような言葉が多くてしんどいなぁ…
むぎ
そうなんだよね。セフィロト野樹はわかりにくい。
だからウェイト版タロットが存在するんだよ。
ホップ
おお…?!ウェイト版タロット説明するためにセフィロトの樹の話してたのに、本末転倒したねえ。
むぎ
占いとして使う時にそこにこだわる必要はないとおもうけど、そもそもウェイト版タロットってセフィロトの樹を理解するためにつくられてるからね。
さっきの、ビナー・ゲブラー・ホドと、コクマー・ケセド・ネツァクの対応をみるために、カップのカードでそれぞれの性格をちょっとみてみるよ

3(ビナー・知能、理解)・5(ゲブラー・峻厳)・8ホド(栄光・永遠)

2(コクマー・知恵)・4(ケセド・慈悲)・7ネツァク(勝利)

むぎ
まず、面白いのが、3・5・8のラインが「手放し」のストーリーになっていて、2・4・7が「受け取り」のストーリーになってることなんだよね
この2つの柱は相反することで均衡をたもつ。愛情や精神を寓意するカップにとって、「峻厳」とは「手放し」のことで、「慈悲」は「受け取り」をあらわすってことだとおもうんだ
ホップ
なるほど…?わかるようなわかんないような…
むぎ
もうちょっと詳しくみてくよ。
セフィロトの樹は4と5が中心にあって、数字が若くなれば、セフィロトを上にいけば、抽象的になって、数字が増せば、セフィロトを下にいけば、具体的になる。
たとえば、3・5・8でみてみると、5のカードでこの柱が「手放し」を意味することがわかって、それが具体的な形になると「新しい場所にいつか旅立っていく必要がある」8のカードになって、抽象的になると、(家族みたいな特定の相手ではなくて)誰とでも幸せをわかちあえる3のカードになんだ。
ホップ
ああ、そっか。別れや出発を受け入れられる人だけが、どこでも新しい絆を作っていけるんだね
むぎ
ぼくはこの並びだとそんなお話かなあっておもうよ。
んで、逆に2・4・7をみると、4のカードでこの柱が「受け取り」を意味することがわかって、それが具体的な形になると、無限のインスピレーションの受け取りになって、抽象的な形になると、天からあたえられたような特別な絆の締結になる。
ホップ
ちょっとこじつけくさいきがしなくもないけど、そうやって考えてみたら、セフィロトの樹の横に並んでるカードも対照的だよね。
特定の相手と絆をむすぶ2と、そこにいる「誰でも」と喜びをわかちあう3、過剰な受け取りに手を拱いてる4と、失ってしまったものを嘆く5、まだ持ってもいないものを手に入れる夢想にふける7と、すでに手に入れたものを手放すことを選ぶ8。
むぎ
そうなんだよね。
タロットってセフィロトの形においていくと、よりわかりやすいし、逆にセフィロトはタロットがあることでより理解がしやすくなるんだ。
いってみたら、セフィロトが方程式で、タロットが代入する具体的な数みたいだなーって僕はおもうよ。
ホップ
もし、わかりやすい表現のつもりでいったんだとしたら、かえってわかりにくくなってるからね。
むぎ
わかりにくいついでに、カバラそのものについて、レヴィはこんなふうに述べてる

世界の最初の何世紀かの期間に賢者たちによって比喩のかたちで書き記され、そしてその象徴が、後に単純化されて通俗化されて、「書法」にその字体を、「言葉」にその文字を、「隠秘哲学」にその神秘的記号と万能章を提供した一冊の原初的書物、その記憶をすべての宗教が保存して今日に及んでいる。
この書物、ヘブライ人のあいだでは、アダムを継承した第七世界の主エノクの手になるもの、エジプト人のあいだではヘルメス・トリスメギストス、ギリシャ人の間では謎につつまれた「聖都」の創設者カドモスの手になるものとされているこの書物は、伝承と同義語のヘブライ語を用いて、後に「カバラ」と呼ばれるようになる原初的伝承を象徴的に要約したものである。
この伝承は魔術の根本的原理、すなわちわれわれにとって目に見えるものは目に見えないものを測定する相対的尺度であるという原理の上に成り立っている。ところで、古代の人間は、均衡こそ、物理的に万能に行き渡った法則であり、そしてこれは明らかに二つの力の対立から生ずるものであることを見抜いて、物理的均衡から形而上的均衡を導き出し、「神」のうちに、すなわち「生きて活動する第一原因」のうちに、互いに必要とし合う二つの特性を認めるべきであると、すなわち安定と運動、必然と自由、理性的秩序と恣意的自律、正義と愛、従ってまた厳格と慈愛をみとめるべきであると主張したのである。そしてユダヤのカバリストが「ゲブラ」と「ケセド」の名のもとにいうなれば擬人化するのもまたこの二つの属性なのである。
人文書院 エリファス・レヴィ「高等魔術の教理と祭儀」ー教理篇ー

ホップ
なんでここで突然イーノックがでてくるの??そんな装備で大丈夫なの?
むぎ
ネタは古いわ、イーノックがエノクだって誰もわかんないわで不発だってわからないレベルの二つだけど大丈夫?
ホップ
だってさ、ヘルメス・トリスメギストスとエノクって全然関係なくない???
むぎ
僕がマニアックなネズミで君が普通のネズミっていう設定はちゃんと守ろ?
エノクって誰ってとこから話がはじまりそうだからそこから始めようか。エノクは案外、ゲームでもネタにされたりする人なんだけど、旧約聖書の創世記にでてくる「ちょっと特別な人」なんだ。エデンの園を追い出されたアダムとイヴの末裔たちの系譜が創世記にはかいてあるんだけど、そこでエノクはちょっと特別な書かれ方をしてる。

エノクは、メトシェラが生まれた後、三百年神と共に歩み、息子や娘をもうけた。 エノクは三百六十五年生きた。 エノクは神と共に歩み、神が取られたのでいなくなった。
共同訳聖書 創世記 5章22から24

むぎ
エノクは「カインのアベル殺し」で有名なカインの息子だね。
創世記にはアダムの末裔たちのその後がえがかれてるんだけど、みんな、最後は「死んだ」で終わるんだ。
ところが、エノクだけは「神が取られたのでいなくなった」って表現されてる
しかも、エノクは他の人にくらべて生きた期間が短い
ホップ
360年で短いっていわれちゃうアダムの末裔たちすごい。
まあそうなんだよね。他の人たちって1000年ぐらい生きてるもんね。ノアまでは。
むぎ
そう。ここから、エノクは「生きたまま神の国にいった」っていう解釈をされてたりするんだよね。
ホップ
ってエノクの説明をしたところで改めて振り返ってみると、全然関係ない3人があげられてるように見えるんだけど…
むぎ
全然違う文化圏の人たちだからね。
この引用で注目してほしいのは、レヴィにとって「カバラ」っていうのは、エノクやヘルメス・トリスメギストスやカドモスもまきこんじゃうような、「世界の最初の何世紀かの期間に賢者たちによって比喩のかたちで書き記され」たものがベースにあるってことなんだよ。
だから、特定の宗教に依存した解釈をするよりも、もっと包括的な解釈をしたがる傾向にあるってことなんだよね。
タロットも、そういうものがベースにあるって考えると読みやすくなるんじゃないかなっておもうよ

34-1 10のカードの概要

各スートの10のカードは第10セフィラのマルクトに対応しています。
レヴィはマルクトや、セフィロトの樹全体をまとめて以下のように述べています。

「ゲブラ」と「ケセド」の上に存在するもの、それは「至高の王冠」
さくにもふれた「主祷文(パテル)」の隠秘学・カバラ的唱句の中で「マルクト」の名のもとに示されている、均衡を授けるちから、すなわち世界の原理、均衡のとれた王国の原理である。
ところで、上では「王冠」によって、下では「王国」によって均衡状態にたもたれる「厳格(ゲブラ)」と「慈悲(ケセド)」とは、抽象的観点からも、また具体的観点からも眺めることができる二原理である。抽象的すなわち理念化されたかたちでは、「知恵(コクマ)」と「知能(ビナ)」というさらにすぐれた名称を授けられる。具体的な形をとるときは、安定と進歩、すなわち永遠と勝利、「ホド」と「ネツァ」という名称を授けられる。
これが、「カバラ」の教義に従えば、すべての宗教すべての学問の基礎、万物に適応できる不動の根本概念であり、要するに三つ組からなる三角形と一個の円、理念の領域においてはそれ自体で自己増殖する均衡によって説明できる三つ組の理念、次いでこの概念の具体的実現というかたちであらわされるのである。
人文書院 エリファス・レヴィ「高等魔術の教理と祭儀」ー教理篇ー

セフィロトの樹は、ケテル(王冠)が最上にあり、マルクト(王国)が最下位にあります。
レヴィはその真ん中にあるものとして、5のゲブラ(峻厳)と4のケセド(慈悲)を挙げています。この構図は、セフィロトの樹を3本柱として解釈するとわかりやすいです。

セフィロトの樹は、以下の図のように、峻厳の柱・慈悲の柱・均衡の柱という3本の柱でできていると解釈することもできます。
セフィロトの樹

レヴィの説明にしたがえば、5のゲブラ(峻厳)をより抽象化したものが3のビナー(知能・理解)で、具体的な形にしたものがホド(栄光・永遠)であって、4のケセド(慈悲)をより抽象化したものが2のコクマー(知恵)で、具体化したものが7のネツァク(勝利)であると解釈できます。
つまり、セフィロトの樹は上にいけばいくほど抽象度が高く、下にいけばいくほど具体度が高く、そして同じ縦の列にならぶものは、同じ概念が対応することになります。
つまり、一番下にあるマルクトは、それぞれのスートが最も具体的な形で体現されたものということになります。
各スートの特徴については、むぎとホップとの会話でとりあげたとおり、3・9・10を比べるとわかりやすいです。

  • 勢力の拡大を意図するワンドは無限の競争を生み出し、無限の世界と有限の人間というギャップからオーバーワークに陥る。
  • 分かち合いや愛情の受け取りを意図するカップは、豊かさと愛にみちた関係をつくりあげる。
  • 限られた物を奪い合うソードは必ず悲しみを生み出す。
  • そしてコツコツと形ある物をつくりあげていくペンタクルは、本人が死んだ後も受け継がれる財産をつくりあげていく

このように、各小アルカナの10は、それぞれのスートの行き着く先、地上で具体的な形にされるものが示されています。それぞれのスートの性質を知るとともに、そのスート行き着いたものがどうなるかを考えると理解しやすいとおもいます。

34-2 ワンドの10

スート×番号のもつ意味
  • ワンドの意味:活動、アクション、動き、冒険、挑戦
  •    

  • 10(マルクト:王国):各スートの完成。最終結果。

  • ホップ
    無限の拡大は人間には耐えられないからどこからオーバーワークになっちゃうんだね
    むぎ
    今回いきなり結論からきたね
    ホップ
    なんか全体の説明でいっぱいしゃべっちゃったからもういいかなあとおもって
    むぎ
    今回多分記事の最長記録こうしんするぐらい僕たちしゃべってるよね。
    でもさすがにちょっと乱暴だからもうちょっと説明すると、このカードは世界の無限性と人間の有限性が寓意されてる気がするんだ。限られた物を奪い合うソードとちがって、ワンドは無限に自分の力を拡大していくことを望んでる。
    拡大や成長をとてもいいことのように僕たちは考えるんだけど、それはどこかで必ず限界がくるんだよね
    ホップ
    価格競争で買ったお店がその競争でつぶれちゃうってよくある話だもんね
    むぎ
    そうなんだよね。
    僕たちには僕たちの体、命、時間っていう明確な限界がある。意欲や気持ちは無限大でもそこには必ず壁があることを教えてくれてるんだとおもうよ

    基本的な解釈

    棒をたくさん抱えて運ぶ男がえがかれています。
    棒は男にとって負担になっているようです。
    アーサーウェイトはシンプルにこの絵に対して「運んでいる10本の杖の重さに押し潰されそうな1人の男」と説明をくわえながらも、正位置の意味のところで、異例ともいえる長さの解釈をつけています。

    多くの矛盾する意味をもつカード。主たる意味は単純に言えば抑圧であるが、財産、利益、成功という意味もあり、またこうしたものから受ける抑圧もあらわす。またこれは、みかけだおし、見せかけ、不誠実をあらわす。彼が杖を運ぼうとする場所は彼の到着によって被害をうけるかもしれない。
    ソードの9と隣接していると成功はおぼつかない。もし法律に関する問題なら損失があるだろう。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より

    ここに書いてある意味を素直にならべると、成功、抑圧、不誠実と本当に意味が多岐にわたります。なぜこの1枚にこのようなたくさんの意味があるのでしょうか。
    このカードは、ワンドの終着点を表すカードです。ワンドは無限の拡大、エネルギーの発露を意図します。意欲は無限であっても、必ず人間には活動限界があります。
    このカードは限界を超えて働いているカード、と解釈すればウェイトのそれぞれの解釈も読み取りやすくなるのではないかと思います。
    限界を超えた働きはその人に財産や成功をもたらすでしょう。しかしすべてのすりへらせての働きは同時にその人の自由意志や精神を抑圧することとなるでしょう。また、がむしゃらに働く人は手段を選ばないため不誠実にもなりえます。そして働き者は周囲を「はたらかせたがる」人でもあります。そのため、彼がいることで周囲は「いい迷惑」を被ることもあるでしょう。このように、このカードが「過剰なはたらき、限界をこえたはたらき」をしている状態だと考えることでこのカードのもつ多様な意味が理解しやすくなるのではないかとおもいます。

    正位置

    正位置では、このカードがもつ「オーバーワーク」「限界をこえた働き」をそのまま解釈します。
    限界をこえた働きは、あなたに思っている以上の成果をもたらすことになるでしょう。ただその一方で抑圧された状況や限界をこえて肉体が悲鳴をあげている状況も示します。人間関係の場合には、あなたがその人間関係にいれこみすぎて、自分を省みることができなくなってしまっていることを示すこともあります。

    逆位置

    逆位置では、いつもは過剰や不足でわけて解釈をしますが、このカードはそもそもが「過剰」にはたらいているカードです。また、もとより正の側面と負の側面を強く併せ持ったカードです。そのため、逆位置の意味も複雑になってきます。単純に「徒労」(働かされた分にみあったリターンがない)をあらわすこともあれば、重荷からの解放を表す場合もあります。正位置同様、このカードは周囲のカードとの配列で意味が大きく変わってくると考えたほうがいいでしょう。

    34-3 カップの10

    スート×番号のもつ意味
  • カップの意味:精神、閃きの受容、愛情、喜び、空想、受動性
  •    

  • 10(マルクト:王国):各スートの完成。最終結果。

  • ホップ
    すごく幸せそうなカードだね。
    むぎ
    愛情や精神をあらわすカップは、暖かい家族や人間関係をつくっていくってことをあらわしてるんだとおもうよ。
    また、ウェイト的には愛情が地上で実現されている形が「家庭」だってこともいえるね
    ホップ
    そうすると、お仕事とかで出てきたらこのカード読みにくかったりするの?
    むぎ
    家族=血縁って考えすぎなければ大丈夫なんじゃないかな。もちろん血の繋がった家族の絆はかけがえのないものだとおもうけど、お互いに愛情を通い合わせることによって、それが職場であってもお客さんと自分との関係にしても、かけがえのない関係をつくっていけるとおもうんだよね。
    ホップ
    なるほどねえ。なんだかんだいって、人との関わりの喜びが人生の中ではとっても大きいもんね。

    基本的な解釈

    虹のように10個のカップが空にかかり、地上では家族が幸せそうにしています。
    ノアの方舟の最後のシーンをおもわせるような素敵な絵です。
    ウェイトはこの絵に対して

    虹の中にカップが出現し、驚き喜ぶ夫婦がそれを見上げている。2人は互いに支え合いながら手を広げている。その周りで踊る子供は空の奇跡をみてはいないが、その仕草は心からの幸福をあらわしている。かなたにはこの家族の家がある。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」

    と、心温まる注釈をくわえています。
    このカードは精神的な充足、満たされる絆、友情、愛情、家族愛など、愛情が満たされることを寓意しています。

    正位置

    精神的な充足、幸福を表すカードです。このカードがでてくるとき円満な人間関係や絆から得られる幸福が約束されます。
    人間は人間同士の絆から喜びをえることができます。それは家族や恋人であることもあれば、大切な友人であったり、いつも職場で出会う人たちであったり、様々かとおもいます。いずれにせよ、人と人との絆から受け取る喜びを享受できることを描いているカードです。

    逆位置

    逆位置の場合は、正位置で描かれていたものが過剰や不足ではたらきます。
    不足の場合は単純に愛情面での不満や寂しさ、絆を感じられない不信などが挙げられます。
    過剰の場合には、「愛情の乞食」になってしまっていないかの警告となります。
    カップの9で満たされた人物が描かれていたように、他の人との絆はあなたを幸せにしてくれる一方で、どんな親しい大切な人でもあなたを幸せにするために存在しているのではありません。お互いがお互いに依存してしまうとき、わたしたちは容易に被害者になります。逆位置のカップの10は、あなたが愛情の受け手であることをこだわりすぎるあまり、自分を満たすことや周囲に愛情を注ぐことができていないのではないかと警告をしてくれています。

    34-4 ソードの10

    スート×番号のもつ意味
  • ソードの意味:知性、闘争、対立、怒り、感情の乱れ、知性の使用
  •  

  • 10(マルクト:王国):各スートの完成。最終結果。

  • ホップ
    まごうことなきバットエンドだねえ
    むぎ
    死神のカードよりよっぽど死んでるカードだよね。
    ホップ
    戦いで人を蹴落とすものは、いつかは自分も蹴落とされてしまうってことが書かれてるの?
    むぎ
    まあ、ざっくりいうとそうだね。
    ソードは限られた資源を奪い合うゼロサムゲームをしてる。
    戦いに勝てば利益を得ることはできるだろうけど、そもそも戦いを選んでしまっていることそのものが、大きな損失なんだよ
    勝利を求めることの行き着く先は誰かの敗死だってことをこのカードは教えてくれてるんだとおもうよ。
    ホップ
    ぐうのねもでないなぁ。
    このカードは何か救いはないの?
    むぎ
    遠くの空に光がさしはじめてるよね。
    この結果そのものはよくなかったんだけど、ここから学ぶことができて、他の道を選べれば新しい未来がひらけてくることも暗示されているんだとおもうよ

    基本的な解釈

    みるからに無残な絵です。アーサーウェイトはこのカードに対してシンプルに「俯せになった人物が10本の剣によって刺し貫かれている」と説明をしています。ただ、その一方で、正位置に対してこのような説明も加えています。

    絵によって示される意味。苦痛。難儀。涙。悲しみ。荒廃。ただし、特に暴力による死を意味するカードではない。
    魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」

    このカードは苦難を意味するカードではあるのですが、そこでおしまいの「死」ではないのです。
    また、遠くに見える空は少しずつ明るみはじめています。ソードの9では悲しみを感じきることの大切さも描かれていました。このカードでは男から夥しい量の血がながれています。この問題については失敗におわったかもしれませんが、そこから膿を出し切ることで、新しいところに進んでいけることもまた、このカードは示しています。

    正位置

    苦痛、痛み、苦難をあらわすカードです。このカードがでてきたら問題にしていることに対しては正直なところよくない結果がもたらされることになるでしょう。人からの依頼でこのカードがでてきたらどのように説明するのか苦しむ人もいるのではないでしょうか。
    タロットはいいカードが出たら喜び、悪いカードがでたら悲しむ「くじ引き」ではないと私は思います。どのようなカードが出ても自分の人生を肯定し、そこから進む方法を考えることがタロットカードを引く意味であり、たった一度の人生を生きるということなのかなとおもいます。
    このカードは大きな苦難や苦痛をあらわしますが、空はだんだんあかるみかけています。
    この問題は失敗におわるかもしれませんが、そこで問題を出し切って、痛みをかんじきることができれば新しいスタートがきれることも透けて見えるカードです。
    一つの恋や関係のおわり、仕事の終わりが人生のおわりではありません。このまま嘆きの地に伏せったままになるのか、「ああ、あんなこともあったねぇ。大変だったけどおかげで今の幸せがあるんだなあ」と、人生のスパイスにして前にいくことができるのか。ここから人生をどう展開していくのか、問いかけているカードでもあります。

    逆位置

    逆位置の場合は、危機的状況からの脱出を示唆します。ただし、ここでも、大切なのは起こったことを真正面から受け止めるということです。おこったことに蓋をせず、きちんと受け止めることで困難を脱出することができることを示唆します。
    ただし、油断は禁物です。困難から脱出できたとしても起こった困難の原因をしっかりみつめて対応しなければまた同じことが起こってしまいます。このカードの逆位置は「今回は」苦難から脱出できたことを示すとともに、次に経験をいかすことが大切であることを示唆しています。

    34-5 ペンタクルの10

    スート×番号のもつ意味
  • ペンタクルの意味:収穫、完成品。財産。自然が生み出すもの。家族。
  •  

  • 10(マルクト:王国):各スートの完成。最終結果。

  • ホップ
    これもカップの10みたいなハッピーエンドのカードだね。
    なんかカップはわかりやすかったけど、ペンタクルの10は画面がごちゃごちゃしてるね
    むぎ
    どちらも家族の姿がえがかれてるんだけど、カップが「今ここにある家族の絆」に力点が置かれているのに対して、ペンタクルは「幸せが末長く続くこと、財産として受け継がれていくこと」がえがかれているからね。
    ホップ
    やっぱりペンタクルは具体物にこだわるんだねえ
    むぎ
    僕たちが死んでも財産やモノは残るからねえ。コツコツ積み上げて成果をあげていくペンタクルは「形にすること」「形のあるものを残すこと」に幸せを感じるんだ。
    だから実は家族そのものも「財産」として見ているフシがあるんだよね
    ホップ
    ああ、なるほどねえ。カップは感情を重視してるけど、ペンタクルは「実体」を重視してるんだね
    むぎ
    そういうこと。
    そしてそれは僕たちが生きていく上でどっちも大事なことだとおもうんだ。
    人はパンのみで生きているんじゃないけど、パンがなくても生きていけないんだ。
    お金がなくても幸せにはなれるとおもうけど、でも、財産やお金がもたらす幸せもあrとおもうんだ。
    カップとペンタクルという2つの幸せな結末を比べていると、どっちの軸も大切なんだなって僕は思うよ

    基本的な解釈

    様々なモチーフや寓意に満ちた絵です。
    十枚のペンタクルはセフィロトの樹の形にならべられています。10はそれぞれのスートがこの世界における完成形、具体物をとった様子をえがかれています。財産を意味するペンタクルが地上に実現されるとき、それは豊かさであるとともに、その豊かさが代々受け継がれていくこと、そしてなにより家族そのものが大切な財産であることをこのカードはあらわしています。
    そのため、このカードはビジネスから家族まで必然的に幅広い意味をもつことになります。幸せな家族はカップでも描かれていましたが、ペンタクルの場合は、それを「受け継いでいく」意味合いもつよくなります。

    正位置

    財産、利益というこのカードのもつ意味が中庸に働くと考えます。公的なことでも私的なことでも大きな利益がもたらされます。その利益は一時的なものではなく、継続性があるものになりそうです。また、家族からもたらされる財産的な豊かさをあらわすこともあります。
    カップが人間関係の豊かさに比重を置いていたのに対して、このカードは人間関係も表しますが、どちらかというと物質的な豊かさを寓意しています。

    逆位置

    逆位置の場合には、正位置でもたらされた意味が過剰や不足にはたらきます。不足の場合には、継続した利益がみこめないこと、経済的に不安定な状況になる可能性があること、家族の安定が保てないことなどを意味します。過剰の場合には、財産や資産にこだわり過ぎてしまい、新しい挑戦にふみこめなかったり、意地汚い強欲さを発揮してしまうことを意味します。

    前のおはなし

    むぎのタロット講座

    次のおはなし

    むぎのタロット講座

    インデックスに戻る

    むぎのタロット講座
    2022年12月17日@神戸・2023年1月21日・22日@東京個展開催

    むぎのタロットの個展を開催します!


    ・神戸会場:2022年12月17日
    ・東京海上:2023年1月21日・22日
    ・新作イラスト、グッズの展示
    ・ここだけで受け付けている対面鑑定なども実施します。




    「むぎのタロット」好評販売中


    むぎのタロット
    ・フルデッキ78枚
    ・60pの解説書つき
    ・ウェイト版準拠なので持っている解説書がそのまま使える
    とても可愛い使いやすいタロットです。


    「むぎのタロットオンラインサロン」会員募集中


    ・月額1000円で質問し放題、学び放題のオンラインサロン「むぎのタロットオンラインサロン」会員募集中です。



    「むぎのタロットスクール」好評開講中


    ・全ての講座が一回完結
    ・資料はすべてデータでお渡し
    ・とにかくわかりやすくて、楽しくて、その日から占えるようになる!


    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    CAPTCHA


    このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

    ABOUT US
    yuki
    小学校の時にタロットに出会って以来、かれこれ20年以上タロットを取り扱っている。多くの人を占うだけではなく、自作のタロットを作るに至る。大学では分子生物学を専攻。趣味はイラストとゲーム作り。本業の傍ら、タロットを自由に楽しむ人が増えればいいなという思いからサイトを作る。