ワンドの9
基本的な解釈
一人の男が、1本の杖によりかかって立っています。彼の後ろには7本のワンドが彼を囲うようにたっています。
ウェイトはこの絵に対してこのような説明を加えています。
一人の男が敵を待ち構えるように油断のない視線を向けながら、1本の杖に寄りかかっている。背後には8本の杖が矢来のように規則正しく立っている。
魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より
また、正位置の解説では以下のように述べています。
これは抑圧されれた情況における強さをあらわす。攻撃されると、大胆に反撃するだろう。そして、その築いたものを見れば、彼は恐ろしい敵になりうることがわかる。こうした意味をもとに、可能な限りの付加をおこなうことができる。
魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より
9のカードはそのスートが完成するまでに向き合う葛藤や問題を描いています。
ワンドは無限の拡大を意図するスートです。ソードは「闘争」に対して、「相手を出し抜く」ことに叡智をつかいますが、ワンドは相手と競い合う際に「自分を無限に高めていくこと」を目指します。ソードのように敗者を産むことはないかもしれませんが、無限の拡大競争、終わらない競い合いを生み出すものとなります。そワンドの9は競争が生み出す対立や、競争することそのもので負うダメージや偏狭さをあらわしています。競い合うことは、前向きな効果を産むこともありますが、ライバルを意識しすぎることで自らの視野を狭くしてしまうこともまたあるのです。
正位置
正位置のワンドの9は困難に直面していること、情況が硬直していること、物事が停滞していること、「待機状態」にあることを示唆します。自分が積極的に動いて物事を打開できる情況というよりは、今は「待ち」の状態であるようです。また、自分自身が凝り固まってしまって視野が狭くなっていないか警告されている場合もあります。いずれにせよ、今は情況が動く時ではないようです。
逆位置
逆位置のワンドの9は正位置が寓意していた硬直、停滞、待機が過剰や不足にはたらいていると考えます。過剰の場合には、待っていても情況は動かないこと、待っているとより情況が悪くなることを意味します。見守っていても情況は悪化していきそうです。不足の場合には、膠着状態から動きはじめることができることを暗示します。いずれにせよ、「待機」の時はもはや終わりを告げたことになりそうです。
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