ワンドのキング
立派な身なりの男性が王座に座っています。側にはトカゲが控えており、彼の背後のタペストリーやマントにもたくさんのトカゲが描かれています。
これは、火の精霊(=サラマンダー)がトカゲの姿をしていることに由来しています。トカゲのモチーフはペイジやナイトでも描かれていましたがキングに描かれているトカゲは尻尾が頭と十分にくっつくぐらいには成長しており、ペイジやナイトではじめたことが完成している様子がここでも伺えます。
ウェイトはこのカードに対してこのような説明を加えています。
このカードに登場する王は、熱意があり、柔軟で、活力も気品もある。手には花の咲いたワンドをもち、他のスートの王と同様王冠の下には棒状の指揮帽を被っている。王座にはライオンのシンボルがかかれている。
魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より
熱意や活力についてはワンドのクイーンも持ち合わせている性格でしたが、クイーンがその熱意や活力を自分の人生が豊かになることに注力していたのに対し、キングは自分の勢力を拡大していくことに注力をしています。
このカードは自分の熱意や活力や行動が成果に結びついている様子を描いています。
正位置
ワンドのキングの正位置は、自らの熱意や活力によって成功が得られることを示唆しています。
このカードが出てきたとき、望んでいることの成功がもたらされる可能性は十分にありますが、そのためには他力本願ではなく、自らの力・熱意が必要となってきます。
また、問題に対して乗り越えていく活力や熱意がわきあがってくることを示唆する場合もあります。
逆位置
逆位置の場合は、正位置で寓意されたものが過剰や不足にはたらいていると考えます。
不足の場合には完成のための熱意や活力が不足してしまっており、少し冷笑的な態度になっていることへの警告がなされています。
また過剰の場合は熱意や活力の押し付けがましさを警告してくれています。
「頑張ってる感をだすこと」と「頑張ってること」は全く違います。また、エネルギッシュで活力に満ちていることは素敵なことですが、合理的な方法をとらず、むやみやたらと発散をするのではエネルギーの浪費と同じです。
正しい熱意や活力の生かし方ができていないことが寓意されています。
救いとしてこのカードがもたらされる場合には、全力で進んでいた状況から良い意味でメインストリームをはずれることができることを示唆する場合もあります
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