32-5 ペンタクルの6
基本的な解釈
裕福そうな商人風のみなりの人が貧しい人たちに施しをしています。
アーサー・ウェイトはこのカードに対して以下のような説明をつけくわえています
商人のように見える男が天秤でお金を量りながら、困窮する人々に分け与えている。それは彼の人生における成功と、心の善良さをあらわす。
魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より
収穫や富を表すペンタクルにおいて、最もそれが美しい形で表現される「6」では、喜捨をする姿がえがかれています。
ただし、彼は全財産を投げ打って自分まで貧民になってしまうようなことはせず、手に持った天秤は、彼は自分の収支バランスをたもちながら、喜捨をしていることを示唆しています。
つまり、彼は「自分」も含めた人々の「幸せ」のために富をつかえているのです。
このカードは自分の成功を人と分かち合うことで富以上のものが得られることを示唆しています
正位置
正位置ではこのカードのもつ慈善、寛大さが中庸にはたらいていると考えます。
このカードは相談者が質問した項目に対して十分な成功がえられることを表すだけではなく、その喜びを人々と分かち合うことでその喜びが大きくなることを示唆します。
ただし、このカードでは真ん中の男性は天秤を握っています。人と分かち合うことは大切ですが、あくまで「自分の無理のない範囲で」ということも警告されています。
このカードは成功と、その成功の成果に対して他者への感謝や分かち合いを忘れないことの大切さとともに、「自分の無理のない範囲で」分かち合いをしていくことの大切さも示唆しています。
逆位置
逆位置ではこのカードのもつ慈善、寛大さが過剰や不足に働いていると考えます。
過剰の場合は、他者からの承認を得るために、自分をないがしろにしてまで他者に報いてしまっていないかということが示唆されています。
あなたが不幸になっても誰も喜びませんし、あなたが不幸になってまで自分に施すことを求める人はあなたの大切な人にはなり得ません。自分の尊厳を大切にするように警告されています。
不足の場合には、周囲への感謝やリターンが不足していることが示唆されます。
伝えているつもり、渡しているつもりでも、相手には伝わっていないことはよくあります。意図的に感謝やリターンを周囲にかえしていきましょう。
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