ソードの7
基本的な解釈
男が軍の駐屯地のようなところから5本の剣を奪って行こうとしています。男はしてやったり、というような顔をしていますが、陣地には2本の剣が残されたままです。
ウェイトはこのカードの正位置に対して以下のような説明をくわえています。
企画。達成。希望。自信。または争い。失敗する計画。不快。このように幅広い意味をもつので、このカードは曖昧な図柄になっている。
魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」より
「企画。達成」から真逆の意味である「失敗する計画」まで1枚のカードがフォローしているのはどういう理由でしょうか?
それは「そもそもが人を出しぬく計画することそのものが、うまくいってもいかなくても最善の手ではありえない」ということを示唆しています。
ソードは基本的に誰かが勝った分誰かが負ける「ゼロサムゲーム」の世界を生きています。そのため、必ず禍根や悲しみを生み出します。ソードの7の企みはこの場では仮にうまくいったとしても、必ずどこかで禍根となり彼にかえってきてしまうことでしょう。このカードは機転をきかせて優位にたつ瞬間のいい判断と、「そもそも政治的な振る舞いそのものが長期的には、自分の首をしめることになる」ということをどちらも寓意しているカードだといえるでしょう。
正位置
正位置ではこのカードがもつ「企み」「計画」「一瞬の判断」が中庸にはたらいていると解釈します。
先に断っておくと、このカードは「一時的な勝利」「今はうまく行っている状況」を表しますが、このままのやり方ではいずれ破綻をきたすことや、周囲の状況は決して信用できるものではないことを示唆しています。
このカードがでてきたときには「うまくいかない」ことが問題なのではなく、「自分にとって有利になること」にとらわれて行動してしまっていることそのものへの警告がなされています。時には政治的なふるまいをしたり、相手を出し抜くようなことも「やむおえず」することになるでしょうし、それによって一時的に有利になることはあるでしょうが、それは問題を根本的に解決しないこともまた示唆しています。
このカードは「今聞いている問題については解決するだろうが、本質の解決はかえってとおざかってしまう必要があり、どこかで方法をのものを見直す必要がある」ことを示唆しています。
逆位置
逆位置では、正位置でとらわれていた一時凌ぎの短絡さから、抜け出せることが示唆されます。
「正しい方法」は時に面倒で、時間がかかり、なおかつ、あなたが一時的に不利になることかもしれません。
でも、あなたがあなた自身に嘘をつくとき、(状況そのものは有利になったとしても)あなたの魂の本質はあなた自身によって傷つけられています。
逆位置のソードの7は、あなたが自分に正直に、問題の本質に向き合う状況がととのったこと、時間がかかるとしてもあなたが根本からの解決にとりくめる準備ができたことを示唆しています。
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