ソードの10
基本的な解釈
みるからに無残な絵です。アーサーウェイトはこのカードに対してシンプルに「俯せになった人物が10本の剣によって刺し貫かれている」と説明をしています。ただ、その一方で、正位置に対してこのような説明も加えています。
絵によって示される意味。苦痛。難儀。涙。悲しみ。荒廃。ただし、特に暴力による死を意味するカードではない。
魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト「タロット公式テキストブック」
このカードは苦難を意味するカードではあるのですが、そこでおしまいの「死」ではないのです。
また、遠くに見える空は少しずつ明るみはじめています。ソードの9では悲しみを感じきることの大切さも描かれていました。このカードでは男から夥しい量の血がながれています。この問題については失敗におわったかもしれませんが、そこから膿を出し切ることで、新しいところに進んでいけることもまた、このカードは示しています。
正位置
苦痛、痛み、苦難をあらわすカードです。このカードがでてきたら問題にしていることに対しては正直なところよくない結果がもたらされることになるでしょう。人からの依頼でこのカードがでてきたらどのように説明するのか苦しむ人もいるのではないでしょうか。
タロットはいいカードが出たら喜び、悪いカードがでたら悲しむ「くじ引き」ではないと私は思います。どのようなカードが出ても自分の人生を肯定し、そこから進む方法を考えることがタロットカードを引く意味であり、たった一度の人生を生きるということなのかなとおもいます。
このカードは大きな苦難や苦痛をあらわしますが、空はだんだんあかるみかけています。
この問題は失敗におわるかもしれませんが、そこで問題を出し切って、痛みをかんじきることができれば新しいスタートがきれることも透けて見えるカードです。
一つの恋や関係のおわり、仕事の終わりが人生のおわりではありません。このまま嘆きの地に伏せったままになるのか、「ああ、あんなこともあったねぇ。大変だったけどおかげで今の幸せがあるんだなあ」と、人生のスパイスにして前にいくことができるのか。ここから人生をどう展開していくのか、問いかけているカードでもあります。
逆位置
逆位置の場合は、危機的状況からの脱出を示唆します。ただし、ここでも、大切なのは起こったことを真正面から受け止めるということです。おこったことに蓋をせず、きちんと受け止めることで困難を脱出することができることを示唆します。
ただし、油断は禁物です。困難から脱出できたとしても起こった困難の原因をしっかりみつめて対応しなければまた同じことが起こってしまいます。このカードの逆位置は「今回は」苦難から脱出できたことを示すとともに、次に経験をいかすことが大切であることを示唆しています。
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