カップの4
基本的な解釈
木の下に不満げな若者が座っています。このカードに対してウェイトは
不快。嫌悪。倦怠。悩みの種。まるでこの世のワインというワインが飽食しかもたらさないかのようである。もう一つのワインは、まるで妖精の贈り物のように、この浪費家に差し出されている。だが彼はその中身にも満足しない。これはまた混ぜ合わされた快楽のカードでもある。
魔女の家BOOKS アーサー・ウェイト 「タロット公式テキストブック」より
とかいていることから、カップに満たされるのはワイン=喜び、享楽であり、彼はそれを十分に受け止める状況にありながらも満足していないとが示唆されています。
各スートの4はそのスートに安心、安全がもたらされた時になにがおこるかを示唆しています。受容性を示すカップは、それが安心・安全(=当たり前)になってしまうとその恩恵を感じることができなくなってしまうことが示唆されています。
例えば我々は些細なことで「もうおしまいだ」「ダメだ」と感じてしまいますが、よくよく考えてみたら、今ここに私たちが生きているということは体の中の様々な器官が生まれてからこの瞬間まで動き続けている「恩恵」ですし、太陽がもうちょっとでも地球から遠ざかったり近寄ったりするだけで地球は生き物が住めない環境になります。そのような私たちが「当たり前」だとおもっている恩恵は失ったときに初めて気が付くものもとても多いのです。
このカードは受け取りが当たり前になり、その喜びや感謝を感じられなくなってしまった状態をあらわしています
正位置
正位置ではこのカードがもつ、倦怠や不快感をそのまま解釈します。人間関係でも仕事であっても、今置かれている状況に不満があり、物足りなさを感じています。しかもその不満や物足りなさは周囲や自分で理由を特定することが難しく、「ぼんやりとした不快」や「ぼんやりとした不満」です。今現在、不満の理由となるものが明らかだと感じていたとしても、根本的な原因は受け取る側の心にある問題なので、今原因だと思っていることが解決しても、やはり同じ不満にもどってきてしまうでしょう。
このカードは今変更が必要なのは状況ではなく心のもちようであることも示唆しています。
逆位置
逆位置では、このカードがもつ倦怠や不快感から解放されると考えます。
逆位置の解釈が、正位置の概念が過剰や不足ではたらくことを示唆することが多いですが、このカードはそもそも「受け取りの過剰」に端緒があるので、逆位置では不足側のみの解釈、つまり、倦怠や不快感から解放されると捉えるのがいいのではないかと思います。倦怠から解放され、新しいことに挑戦する意欲や熱意、チャンスにめぐまれることを暗示しています。
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