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むぎのタロット講座 第25話 タロットカードの意味を知ろう:21 世界

むぎのタロットの世界です

タロットの大アルカナの世界のカードの意味をまとめました。正位置・逆位置のほか、恋愛、仕事などそれぞれのシュチュエーション別の意味を学ぶこともできます。
(2022/10/15更新)

解説動画

1 世界の概要・キーワード

ホップ

いよいよ大アルカナのカードもこれでおしまいだね。最後のカードは「世界」だね

むぎ

ここまでよく頑張ったね!最後まで頑張ってカードをみていこう

マルセイユ版 世界

ウェイト版 世界

むぎのタロットの世界です
むぎのタロット 世界

ホップ

マルセイユ版も、ウェイト版もほとんど絵柄は変わってないみたいだけど、
このカードのどこが「世界」なの?

むぎ

そこがこのカードの図柄を考える上での一番のポイントになると僕は思うよ。
もしもホップが「世界」の絵を描いてっていわれたらどんな絵にする?

ホップ

そうだねえ…。地球儀とか、地図とか、なんか「世界全体」がわかる感じの絵にするんじゃないかなって思うよ。

むぎ

そうなんだよね。普通は「世界」っていわれたら物理的な「地球」のことだと思うから地球儀とか地図とか描きたくなっちゃうんだよね。でもここで描かれてる「世界」っていうのは、そういう物理的な「地球」って意味じゃなくて、完全完璧なこの世の全てって感じのものだと思うんだよ。

ホップ

この世の全て…ってことだったらますます意味がわかんないよ。そもそもこの4種類の生き物って運命の輪のところで取り扱った聖書に出てくる動物じゃなかったっけ?

むぎ

そうだね。この場面はモチーフとしては、ヨハネ黙示録の「神の国の到来」を描いてるんだと思うよ。

この玉座の中央とその周りに四つの生き物がいたが、前にも後ろにも一面に目があった。 第一の生き物は獅子のようであり、第二の生き物は若い雄牛のようで、第三の生き物は人間のような顔を持ち、第四の生き物は空を飛ぶ鷲のようであった。 この四つの生き物には、それぞれ六つの翼があり、その周りにも内側にも、一面に目があった。彼らは、昼も夜も絶え間なく言い続けた。「聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、

全能者である神、主、かつておられ、今おられ、やがて来られる方。」

『ヨハネの黙示録』 4章7ー8

ホップ

運命の輪にも出てきた4つの生き物って神の玉座のまわりで歌ってるんだね。じゃあこの真ん中に描かれてるのが神様ってこと?

むぎ

アーサーウェイトは、『宇宙の完成と目的、その内なる秘密、神を理解する喜びを表す。また、神を幻視する意識における魂の目的(自己知の極地)をも表している。』ってこのカードを表現してる。だから真ん中にいるのはむしろ、「世界」と「自分の内面」の統合を果たした「人間」だって考えるのがいいんじゃないかな

ホップ

どういうこと?

むぎ

ウェイトの『宇宙の完成と目的、その内なる秘密、神を理解する喜びを表す。また、神を幻視する意識における魂の目的(自己知の極地)をも表している。』ってこ説明を素直に解釈すると、「神を幻視する・理解する魂の目的=自己を知ることの極致」ってことになる。キリスト教において、全知全能である神っていうのはいってみたら本当に、世界の全てってことだから「自分を知ること=世界の全てを知ること」ってことだって解釈できるね

ホップ

なんでそうなるの?僕のことを僕が全部わかったって、世界は僕の外側にあるんだよ?

むぎ

ちょっと論旨は違うと思うんだけど、ユクスキュルが提唱した「環世界」っていう考え方をベースに考えるとわかりやすい気がするんだ。
ユクスキュルは森の中にすむマダニを例に環世界を説明してる。マダニは目も見えないし音も聞こえない生き物で、「温度」だけがぼんやり把握できる生き物なんだよね。だからマダニにとって世界はまっくらで時々温度のあるものが通過するだけの世界なんだよ。

ホップ

そうだねえ。逆に僕たちよりもすごく目がよく見えたり聞こえたりする生き物だと僕たちよりもたくさんの情報が世界にあふれてるだろうね。

むぎ

そうなんだ。マダニも僕たちも、もちろん同じ世界で生きてる。でもマダニにとっては世界は真っ暗で温度しかないもので、僕たちには色も形も音もあるんだ。だから、結局世界って僕たちが認識したものでしかないんだよ。

ホップ

ああ。なるほどねえ。だから自分の中をよく知るってことが世界をよく知るってことになるってことなんだね。

むぎ

そういうことになるね。恋人たちのところでも説明したけど、聖書の中で人間は「神が作ったものを認識して名前をつける存在」として作られたことになってる。世界を作るのは神様なんだけど、その世界を認識して意味合いを見出すのは人間の仕事なんだよ。だから人間がいることで外的な世界と内面の世界は統合されて、そしてはじめて意味がある世界として世界は完成するってことがここでは書かれてるんだと思うんだよね。

世界 図柄の解説

超越存在とヒトが向き合った「審判」の次に来るこのカードでは、様々な「結合」のモチーフが描かれています。例えば、中央の女性は2本の棒を持っています。大アルカナで2本の棒を持っているのは彼女だけです。また、彼女を囲う円環は上下がつなぎ合わされたように描かれています。彼女はすべてを「結合」し、善と悪、内部と外部、客観と主観といった二項対立を脱構築・再結合する存在です。すべては一つで、奇跡も災いもすべて自分であると受け止めることで世界は完成し、あなたと世界と奇跡は一つになることをこのカードは描いています様々なものが描かれてきた大アルカナのモチーフたちは、すべて「あなた」の中にあるものであり、そこに優劣は存在せず、ただ、「あなた」だけが世界であったと気がついた時、あなたも世界も完成すると、このカードは告げているのです。

キーワード

完全・完成

2 世界の正位置・逆位置の意味

ホップ

絵柄そのものは理解が難しかったけど、タロット占いとしてのカードの意味は結構読みやすい気がするな。

むぎ

そうだね。このカードは「これまでの成果を受け取ることができる」「完全に満足がいく結果になる」みたいなかんじで「完成」っていう意味合いでとれるね。

ホップ

恋愛でも、仕事でも、みんな「こうなってほしい」って思いがあってカードをひいてるだろうから、それに対して完璧な結果がえられるってのはわかりやすいよね。
でも、いつものことだけど逆位置の過剰がやっぱりわかりにくいな。完璧すぎて悪いことなんて何もないとおもうんだけど。

むぎ

逆位置の過剰については「完璧主義」って考えてもいいかもね。もちろん、いろんなことにベストを求めるのは人間だから当たり前だけど、それがいきすぎちゃって「完全じゃなきゃダメ!」になっちゃうと息苦しいと思うんだよね。

ホップ

なるほどね。「ベストを尽くして頑張ろう!」だと楽しいけど、「完璧じゃなきゃダメだ!!」だったらすっごくしんどいもんね。

むぎ

そうなんだよね。タロット全体をプラトンの「徳」っていう概念が貫いてるような気が僕はしてて、特定の概念がいいとか悪いとかじゃなくて、その場その場で望まれる「中庸」を保つことがいいことなきがするんだよね。

ホップ

なにごともバランスが大切ってことなんだね

エクササイズ1:正位置の意味・逆位置の意味を考えてみましょう

正位置・逆位置の一般的な意味について、カードの絵をみて考えてみましょう。
いったん、自分の言葉でまとめてみてから次に読み進むことをお勧めします。

考えてみよう
  • このカードの正位置はどんな意味だと思いますか?カードの絵やここまでの説明を参考に自分の言葉で考えてみましょう。
  • このカードの逆位置はどんな意味だと思いますか?カードの絵やここまでの説明を参考に自分の言葉で考えてみましょう。
    逆位置については、過剰・不足それぞれ考えましょう。
  • 逆位置のカードが必ず悪い意味というわけではありません。逆位置のこのカードがいい意味や、アドバイスで出てきた場合どのように読めばいいでしょうか?考えてみましょう

世界の正位置・逆位置の意味

正位置

完全・完成を意味します。あなたのこれまでの努力が報われることなどを表すでしょう。しかし、それ以上に大切なのは、あなたがその「完成」によって次のステージへと進むことです。このカードが表しているのは、機の成熟による成功や勝利なのです。世界のカードは、あなたがその収穫を受け取る資格を有していることを教えてくれていると同時に、次のステージへと進む準備ができたことも告げています。この「世界」は完成しました。今こそ、あなたは新しい「世界」へと旅立っていきましょう。

逆位置

不完全・不満ののこる完成を意味します。それなりの成果はでますが、あなたが完全に満足のいくものではさそうです。世界の逆位置が指す、完成や達成への不満は、実はそれまでのプロセスに対する自分の力不足や取り組みの不足に起因しています。世界のカードの楕円の輪は、0の形にも似ています。世界は21番で完成しますが、0をかければまた、そこからスタートすることができます。逆位置の世界は、今抱いている不完全燃焼の感覚を、次の挑戦に生かしてほしいとあなたに伝えてくれています。

逆位置を不足として読む場合

一応は完成するが、完全な満足は得られない、満足した結果を得ることができない、不満の残る幕引きになることを表します。

逆位置を過剰として読む場合

強すぎる完璧主義への警告です。「完璧な状態でない限りダメだ」と思っている間は私たちは常に不完全です。減点主義で世界や自分を眺めすぎないことが求められています。

逆位置を前向きな意味やアドバイスとして読む場合

完璧主義に囚われすぎないこと、(欠陥を感じたとしても)ありのままの現状を受け入れること、全てはありのままで完璧であると認めることの必要性がアドバイスされています。

3 世界の恋愛、仕事など状況別の意味

ホップ

「望んだ結果が得られる」って、どんな状況でも出て喜ばれそうなカードだよね。

むぎ

そうだねえ。他のカードは状況によって案外めんどくさい意味になったりすることもあるけど、とりあえず世界は意図に対しては満足した結果が得られるって読めるから、喜ぶ人が多いだろうねえ。

ホップ

逆位置の過剰は「完璧主義」って感じで読んだらいいよ、って話をさっきはしたけど、不足の場合は完成しない、って読めばいいってこと?

むぎ

「完成しない」っていうより「満足のいく結果が得られない」ってほうがいいんじゃないかな。あくまで「完全・完璧」の不足だから、「できてない」っていうよりこっちが想定している完璧さじゃない、って考えた方がいい気がするな。

ホップ

なるほどね。むしろ終わってないならこれから頑張れそうな気がするからね。

むぎ

そうなんだよね。結果がでない、っていうより、結果はでるんだけどその結果に満足しないっていうほうが「完成・完全の不足」ってニュアンスに近いと思うんだよね。

エクササイズ2:恋愛・仕事などそれぞれの状況ごとの意味をまとめてみよう

カードの仕事・恋愛・家庭生活など状況ごとの意味をカードの絵をみながら考えてみましょう。
いったん、自分の言葉でまとめてみてから次に読み進むことをお勧めします。

考えてみよう
  • このカードが仕事に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
  • このカードが恋愛に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう
  • このカードが結婚生活・家庭に関する相談で出てきた場合は、どんな意味だと思いますか?正位置・逆位置それぞれ考えてみましょう。逆位置については過剰・不足・アドバイスでそれぞれ考えてみましょう

3-1 世界の仕事での意味

正位置

  • これまでの成果がみのり、完全な成果をうけとることができる
  • プロジェクトの完全・完遂
  • 今の仕事を完成させることができる。次のステージへと進める。

逆位置

不足として読む場合
  • 不完全燃焼の状態になってしまう
  • プロジェクトは完了するものの、思っていたほどの成果生えられない
  • 不満がのこる幕引きになる
過剰として読む場合
  • 完璧主義がかえって仕事を進める上でのハードルになっている
  • 仕事の粗探しをやりすぎて、進めなくなってしまっている
  • 完全にしあげるよりも、とりあえずは完成させることをゴールにする
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
  • 完璧を目指して欠点を探すよりも、今の状況を肯定することが大切
  • 完璧ではないとしても、状況を受け入れることで前向きに進めることができる
  • まずはとにかく完成させることをゴールにする

3-2 世界の恋愛での意味

正位置

  • これまでの努力が実って関係を進めることができる
  • 幸せな恋愛を楽しむことができる
  • 申し分ない結果を受け取ることができる

逆位置

不足として読む場合
  • 決して悪い状況ではないが、不満がのこる幕引きになる
  • 客観的にみて悪い状況ではないのに、状況は相手への不満がどうしても気になってしまう
  • あと一歩が進められない
過剰として読む場合
  • 自分に厳しすぎて、完璧主義であることが前に進めない原因になっている
  • 状況に対して厳しく判断しすぎている
  • 万全を期すあまり、前に進むことができなくなっている
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
  • 足りないもの・できていないことを探すのではなく、今あるものに感謝すること、すべてはうまくいっていると受け止めることが恋を前に進める
  • ありのままの自分や状況を受け入れることがまずは大切
  • 自分の不足を補うために恋愛を利用するのではなく、何があってもなくても自分の存在は素晴らしいと認めることが大切

3-3 世界の家庭・結婚での意味

正位置

  • 完璧な結婚生活・家庭生活をおくることができる
  • 心身ともに満たされた状態
  • 望んでいたことに対して完璧な結果がもたらされる

逆位置

不足として読む場合
  • 決して悪くはないのだが、完全に満足できない関係性
  • 結婚までの最後の一歩がうまく進められない
  • 問題は解決はするが、完全に満足のいく状態にはならない
過剰として読む場合
  • 完璧主義がパートナーや家族、自分自身を苦しめている
  • 完全をもとめるがために息苦しい状態になっている
  • 0か100かの極端な考えが問題解決を遅らせている
前向きな意味や、アドバイスとして読む場合
  • ありのままの状態を「完全」だと認めることで前向きな解決策が見える
  • 減点主義よりも、お互いのいいところを見つめて、感謝することが大切
  • 自分に厳しくなりすぎないことが状況を好転させる

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